亀山早苗の恋愛コラム

「女同士の友情」はやっぱり脆い?未婚と既婚、子どもの有無、夫のスペック次第で変わる関係性

女の友情というと、脆いものというイメージがあるのかもしれない。確かに女性たちのライフスタイルには、未婚・既婚、仕事をしているかどうか、子どもの有無から夫のスペックに至るまでさまざまな“違い”がかかわってくるものだが……

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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女の友情というと、脆いものというイメージがあるのかもしれない。確かに女性たちのライフスタイルには、未婚・既婚、仕事をしているかどうか、子どもの有無から夫のスペックに至るまでさまざまな“違い”がかかわってくる。
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一方、男性の友情に「妻のスペック」はどうでもいいはずで、本来、女性もそうあるべきなのだが、この時代になってもそういうことに振り回される人たちは少なくないようだ。
 

女40歳、いろいろ持っている人と持っていない人と

「当たり前ですが、10年ぶりに昔の友だちに会って、いろいろな生き方があるなと痛感しました」

しみじみとした口調でそう言うのは、カヨさん(40歳)だ。同窓会的に会ったのは、新卒で就職したときの同期たち。

「私は今もその会社に勤めていて独身。つまり、何も変わってないんです。父を見送って、今は70歳の母とふたりで暮らしています」

友人のA子は、25歳のとき他社のエリート男性と結婚して退職。今は都内の高級マンションに住み、私立中学に通う息子と小学生の娘がいる。

「髪も肌も手入れが行き届いている感じでしたね。そういえば彼女の実家も裕福だったから、そうやってお金に困らない人生を歩んでいるんだろうなと思いました」

B子は29歳のときに駆け込みで結婚して退職。ところが夫の浮気が発覚して一児をもうけたが4年で離婚、苦労したものの再就職し、今は近所に住む実母の手を借りながら、子どもとふたりで暮らしている。

「つきあっている人がいるけど、結婚は当分しないと言っていました。子どものことを考えると結婚する気にはなれない、と」

そしてC子は30歳で結婚退職したが、子どもに恵まれず、不妊治療にあけくれた10年だったという。夫との関係も良好とはいえないようだ。

「夫は子どもがいなくてもいいじゃないかと言ったけど、彼女がどうしてもほしかったみたい。子どもがいる人が羨ましいとA子、B子にさんざん言ってましたね」

誰もが「こんな人生になるとは思っていなかった」と口を揃えたという。人は常に選択と決断を繰り返して生きている。だが、「あのとき、こうしていれば」という思いはいつでもつきまとうものなのかもしれない。

「それでもまあ、元気で食べていけるんだし、ひどい目にあっているわけでもないし、幸せだよねと4人で乾杯したんです」
 

幸せそうに見えても……それぞれの本音

ところがいろいろ話しているうちに、だんだんみんなの本音が透けて見えてきたとカヨさんは言う。

「経済的に恵まれていて子どもたちも“いい子”と本人が認めているA子は、私も含めて3人から羨ましがられて、最初はニコニコしていたんです。でも少し酔ってきたら、『私はあの男と、あの男の母親は一生、許さないんだ』と言い出した。どうやら夫はけっこう口うるさいみたい。『おまえがいい暮らしをできるのは誰のおかげかな』なんていう発言をちらちらするらしいんです。近所に住む義母がまた、突然、家にやってきては『あら、ずいぶん散らかってるのねえ』なんて言う人だそう。そうなんだ、大変だねえと思わず同情しちゃいました」

B子が今つきあっているのは、既婚者だということもわかった。すでに妻にバレており、何度か警告されているのだが、別れられずに苦しんでいるようだった。

そしてC子の夫は浮気している。不妊治療をしながら、浮気しているとわかっている夫にすがるしかなかった彼女は「とにかく惨めだった」と振り返った。

「私は私で、母が病気がちの上、少し認知症が入ってきている。物忘れがひどくて、私はひたすらイライラしているんです。今後、ひとりにしておけないので、施設に入れるのか私が面倒を見続けるのか悩んでいるところ。みんな自分の本音をさらしたら、急に乾杯したときより親近感がわいて、もう一回、乾杯しました」

誰もが、「私はそこそこ幸せだ」と思うようにしながら生きているものなのかもしれない。選ばなかった人生にはもっといいことがあったかもしれないが、そうではなかったかもしれない。手にしなかったものに思いを馳せるより、今、手元にあるものを大事にしていったほうがいいねと話したという。

「ただ、A子にだけは、もうちょっと強くなってとみんなで言いました。もちろん、彼女が自分が我慢すればいいと思っているならそれでもいいけど、我慢しつづける人生も大変だから。そうしたら彼女、ニヤッと笑って『大丈夫。いつか復讐してやる手はずは整えているから』って。一筋縄ではいかない女、とみんなで笑いました」

みんないろいろあるなあと思いながらも、カヨさんがいちばんうれしかったのは、「本音をさらせる人がいる」ということ。これからも情報共有したりたまには愚痴ったりしようねと言い合いながら別れたその晩、カヨさんはいつもより少しだけ母親に優しくできたという。
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