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キッチンで使う「お湯」は何℃が正解?シンクに「熱湯」はNG?最適温度で家事が楽になる3つの理由

キッチンで食器や鍋、フライパンを洗う際、給湯器のお湯の温度設定を何度にしていますか? 今回は、脂汚れが落ちやすく、排水管の汚れも防ぎやすいお湯の温度をご紹介しましょう。

尾間 紫/Yuu

執筆者:尾間 紫/Yuu

リフォームガイド

キッチンの水道で使う「お湯」の最適温度は?

キッチンで食器や鍋、フライパンを洗う際、給湯器のお湯の温度設定を何度にしていますか? 今回は、脂汚れが落ちやすく、排水管の汚れも防ぎやすいお湯の温度をご紹介しましょう。
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住宅リフォームに携わる筆者が、お客様の家で見ることが多い温度設定は41~42度です。これは何となくお風呂の温度と同じにしている人が多いからでしょう。

ほかにも、お湯を使うと手が荒れるので水で洗っている、最後だけ熱いお湯ですすぎ乾かしている、もっと熱いお湯で洗っているという人も。

筆者の家では、給湯器の温度設定を50度にしています。実はこれがとても便利な温度なのです。
 

湯温40~50度が便利な理由が3つある

レバーをひねってお湯と水を混ぜて出すシングルレバー水栓(画像提供:TOTO)

レバーをひねってお湯と水を混ぜて出すシングルレバー水栓(画像提供:TOTO

食器や鍋、フライパンを洗う際に手間が掛かるのが、肉の脂汚れです。ひどい汚れは、シンクで洗う前に古新聞やぼろ布でぬぐっている方もいらっしゃることでしょう。これは地球環境のために、また配管の汚れを防ぐためにも大切なことです。

それでも肉の脂は常温では白く固まってしまうため、洗っている間もべたつく、脂が手につくと取れにくいといった経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

■その1. 肉の脂は40~50度で溶ける
豚脂や牛脂の溶ける温度帯はおよそ40~50度です。42度のお湯で洗うと溶け残りでべたつきを感じることがありますが、45度程度でおおよそ落とすことができ、50度ならサッと流すだけでするりと流れ落ちます。

■その2. 野菜シャキシャキ「50度洗い」
また給湯温度を50度にしておくと便利なのが、野菜などをシャキッとさせてくれる「50度洗い」が、蛇口から出るお湯でそのままできること。

キッチンにシングルレバー水栓が付いている場合は、給湯温度を50度にして、食器や鍋、フライパンを洗う時はちょっと水を混ぜて45度程度に、50度洗いをする時はお湯だけを出す、といった使い方をすると便利です。

これ以上の温度になると、お湯だけを出した時に熱すぎると筆者は感じました。熱さの感じ方には個人差がありますが、やけどをしないように十分注意を。50度が素肌に熱いと感じる、手荒れが気になるという場合は、ゴム手袋を使うようにするといいでしょう。

■その3. お湯を活用する家は「排水管」がきれい
キッチンで洗い物をする際のお湯の温度は、実は「排水管の汚れ」にも影響しています。

神奈川県内で30年以上にわたって配管設備工事を行ってきた福田住設の福田さんによると、

「脂汚れを冷たい水と洗剤で洗っていると脂が固まりやすく排水管の内側に汚れが付着しやすく、お湯を使って洗うほうが排水管の内部をきれいに保ちやすい」のだそうです。

もちろん脂汚れはそのまま流すのではなく、まずは紙や布で拭い、それからやけどに気をつけつつ少し高めの温度で洗うのがよさそうです。

ただし、ここで注意したいのが「熱湯」を流すのはダメとのこと。その理由は排水管の耐熱温度にあります。
 

シンクに「熱湯を流す」のがダメな理由

住宅の排水管の耐熱温度は60度です。それ以上の温度に晒されると、熱により伸縮や変形をする恐れがあります。

水まわりリフォームを専門に手掛けている株式会社山住の山本さんによれば、

「熱湯を流すとトラップ部やパッキンがダメージを受ける可能性があり、また排水管や排水ホースの劣化が早まることも」考えられるとのこと。

熱湯を流したからといって、変形や穴が開くなどの急な劣化は考えにくいものの、熱のダメージによるトラブルが起こる可能性があるそうです。

パスタや蕎麦の湯切りの際も、蛇口からの水と混ぜて流す、少し冷ましてから流すなどして、シンクに熱湯を流すのは避けましょう。
 

お湯の温度を50度に設定する際の注意点

ひとつ注意したいのが、給湯器のお湯の温度を50度に設定することでキッチンだけでなく浴室や洗面所へも50度で給湯されることです。

自動でお湯はりをする全自動給湯器の場合は、浴槽のお湯はり温度は別系統になっていますが、蛇口へは50度で給湯されます。

サーモスタット水栓の場合は温度設定を確認し、混合水栓の場合は水と混ぜて適温にしてから使うことを忘れずに。シャワーや洗顔でお湯が熱すぎることがないように注意をしてくださいね。
【左】サーモスタット混合水栓はシャワーや吐水口から出る湯温設定が可能【中央】2ハンドル混合水栓は、水とお湯を混ぜて適温にしてから使いましょう【右】単水栓の場合、お湯の蛇口からは給湯器で設定した湯温がそのまま出るため、50度設定は熱すぎるので注意が必要(画像提供:TOTO)

【左】サーモスタット混合水栓はシャワーや吐水口から出る湯温設定が可能【中央】2ハンドル混合水栓は、水とお湯を混ぜて適温にしてから使いましょう【右】単水栓の場合、お湯の蛇口からは給湯器で設定した湯温がそのまま出るため、50度設定は熱すぎるので注意が必要(画像提供:TOTO

お湯の温度を工夫することで、毎日の家事を少しずつ軽くして、より快適にお過ごしくださいね。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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