スマートフォン

マイクロソフトの2画面Androidスマホ「Surface Duo 2」とは

マイクロソフトが2022年1月11日に発売した「Surface Duo 2」は、360度回転できる2つのディスプレイを搭載し、さまざまなスタイルでの利用が可能な異色のスマートフォンです。通常のスマートフォンや、いわゆる「折り畳みスマホ」とはどのような点に違いがあるのでしょうか。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

「Windows」や「Surface」シリーズなど、パソコンやそのOSを提供していることで知られるマイクロソフトですが、実はAndroidを搭載したスマートフォンも手掛けています。国内でその第1弾として2022年1月11日に販売されたのが「Surface Duo 2」です。
Surface Duo 2

「Surface Duo 2」はAndroidを搭載した2画面スマートフォンという、マイクロソフト製としては異例のデバイスだ

Surface Duo 2は従来のSurfaceシリーズとは違い、OSに「Windows 11」ではなく「Android 11」を搭載しているのに加え、サイズも他のSurfaceシリーズよりはるかにコンパクト。背面にはカメラを搭載するなどスマートフォンとして開発されたものであり、マイクロソフトのデバイスとしてはかなり異色の存在といえるでしょう。
 

2つの画面で異なるアプリを同時活用

スマートフォンとして見た場合も、Surface Duo 2はかなり異色の内容といえます。その理由は外観を見て分かる通り、5.8インチの2つのディスプレイを2つ搭載していること。2つの画面はヒンジ(ちょうつがい)でつながれていることから、ノートパソコンのように2つの画面を開いたり閉じたりして使えるのです。

ヒンジは最大で360度回転させることが可能。それゆえ360度開いて通常のスマートフォンと同様に1つの画面だけを使ったり、180度開いて2つの画面を大きな1つの画面として使ったり、収納時は画面を内側に閉じて保護したり……と、さまざまなスタイルでの利用が可能となっています。
Surface Duo 2

Surface Duo 2のヒンジは360度回転するので、2つの画面をさまざまなスタイルで活用できる

ただ折り畳んで使えるスマートフォンといえば、最近では1枚の大きなディスプレイをを直接折り畳めるサムスン電子の「Galaxy Z Fold」シリーズのようなデバイスも出てきています。Surface Duo 2はあくまで2つの画面を組み合わせているため、それらと比べると1つの大きな画面として使う際にはどうしても隙間ができてしまう弱点があります。

ゆえにSurface Duo 2は、2つの画面でそれぞれ違うアプリを使うことを重視しており、中でも力が入れられているのがビジネスでの活用です。マイクロソフトは「Microsoft 365」などビジネス向けのクラウドサービスに力を入れていることから、Surface Duo 2ではそれらのクラウドサービスと連携し、場所を選ばず仕事をこなすことを重視しているのです。
Surface Duo 2

Surface Duo 2は2つの画面で別々のアプリを動作させることを重視。Webブラウザで調べものをしながらメッセージを送るなどの使い方も可能だ

実際、Surface Duo 2には「Microsoft Word」「Microsoft Excel」など、マイクロソフトのビジネス関連アプリが標準でインストールされています。そうしたことから例えば、「Microsoft PowerPoint」で資料を見ながら「Microsoft Teams」でビデオ会議をしたり、カレンダーを確認しながら「Microsoft Outlook」でメールを書いたりするなど、2つの画面とアプリを同時に活用して仕事を効率よくこなせるようになっているのです。
 

性能は非常に高いがサイズと価格に注意

通常のスマートフォンとしての性能を確認すると、チップセットにはクアルコムのハイエンド向けとなる「Snapdragon 888」を搭載しており、RAMは8GB、ストレージは128~512GB(モデルによって異なる)と、非常に高い性能を備えていることが分かります。

また通信は5Gに対応しており、SIMスロットはアップルの「iPhone」シリーズなどと同様、ナノSIMとeSIMのデュアルSIM構成。それゆえ2つの通信サービスをうまく組み合わせた、自由度の高い使い方も可能です。

カメラの充実度も高く、メインカメラが1200万画素の広角カメラと望遠カメラ、そして1600万画素の超広角カメラの3眼構成となっています。ただ本体の構造上、メインカメラで撮影する時は本体を180度開く必要がある点に注意が必要です。
Surface Duo 2

メインカメラは広角・超広角・望遠の3眼構成。ただ構造上、撮影時には本体を開く必要がある

一方で注意が必要なのが、1つにサイズと重量です。Surface Duo 2はディスプレイを2つ搭載していることもあって、重量が284g、閉じた時の厚さが11mmと、スマートフォンとして見るとかなり重く厚さがあるというのが正直なところ。持ち運ぶ時はポケットよりも鞄に入れておいた方がよいでしょう。

そしてもう1つ注意が必要なのが価格です。ベースの性能が高い上に2画面という特殊性もあって、最も安いのは、ストレージが128GBのモデルで18万4580円。512GBのモデルでは22万880円と、スマートフォンとしてはかなり高額な部類に入ります。販路もマイクロソフトの公式ストアと家電量販店のみでキャリアからの販売がないことから、返却を前提に安く利用できる携帯各社の端末購入プログラムが使えないのも残念なところです。

Surface Duo 2は非常に特徴があり2つの画面を有効活用すれば魅力的なデバイスといえますが、それだけに従来のスマートフォンとは異なるサイズ感と価格をどこまで許容できるかが、購入を左右する大きなポイントになってくるといえそうです。


【おすすめ記事】
なぜiPhoneが「1円」で買える? スマホの値引き規制がなされたのに、格安になるカラクリ
ahamo(アハモ)のメリットとデメリットを整理! ドコモ格安プランの注意点は?
「SIMロック原則禁止」で何が変わる? 注意点やメリット/デメリットを整理
スマホ料金の引き下げが相次いだ2021年、モバイル業界を振り返る
「楽天モバイル」ユーザーがデュアルSIMにするなら、2回線目におすすめなのは?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※機種やOSのバージョンによって画面表示、操作方法が異なる可能性があります。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます