2つの画面で異なるアプリを同時活用
スマートフォンとして見た場合も、Surface Duo 2はかなり異色の内容といえます。その理由は外観を見て分かる通り、5.8インチの2つのディスプレイを2つ搭載していること。2つの画面はヒンジ(ちょうつがい)でつながれていることから、ノートパソコンのように2つの画面を開いたり閉じたりして使えるのです。ヒンジは最大で360度回転させることが可能。それゆえ360度開いて通常のスマートフォンと同様に1つの画面だけを使ったり、180度開いて2つの画面を大きな1つの画面として使ったり、収納時は画面を内側に閉じて保護したり……と、さまざまなスタイルでの利用が可能となっています。 ただ折り畳んで使えるスマートフォンといえば、最近では1枚の大きなディスプレイをを直接折り畳めるサムスン電子の「Galaxy Z Fold」シリーズのようなデバイスも出てきています。Surface Duo 2はあくまで2つの画面を組み合わせているため、それらと比べると1つの大きな画面として使う際にはどうしても隙間ができてしまう弱点があります。
ゆえにSurface Duo 2は、2つの画面でそれぞれ違うアプリを使うことを重視しており、中でも力が入れられているのがビジネスでの活用です。マイクロソフトは「Microsoft 365」などビジネス向けのクラウドサービスに力を入れていることから、Surface Duo 2ではそれらのクラウドサービスと連携し、場所を選ばず仕事をこなすことを重視しているのです。 実際、Surface Duo 2には「Microsoft Word」「Microsoft Excel」など、マイクロソフトのビジネス関連アプリが標準でインストールされています。そうしたことから例えば、「Microsoft PowerPoint」で資料を見ながら「Microsoft Teams」でビデオ会議をしたり、カレンダーを確認しながら「Microsoft Outlook」でメールを書いたりするなど、2つの画面とアプリを同時に活用して仕事を効率よくこなせるようになっているのです。
性能は非常に高いがサイズと価格に注意
通常のスマートフォンとしての性能を確認すると、チップセットにはクアルコムのハイエンド向けとなる「Snapdragon 888」を搭載しており、RAMは8GB、ストレージは128~512GB(モデルによって異なる)と、非常に高い性能を備えていることが分かります。また通信は5Gに対応しており、SIMスロットはアップルの「iPhone」シリーズなどと同様、ナノSIMとeSIMのデュアルSIM構成。それゆえ2つの通信サービスをうまく組み合わせた、自由度の高い使い方も可能です。
カメラの充実度も高く、メインカメラが1200万画素の広角カメラと望遠カメラ、そして1600万画素の超広角カメラの3眼構成となっています。ただ本体の構造上、メインカメラで撮影する時は本体を180度開く必要がある点に注意が必要です。 一方で注意が必要なのが、1つにサイズと重量です。Surface Duo 2はディスプレイを2つ搭載していることもあって、重量が284g、閉じた時の厚さが11mmと、スマートフォンとして見るとかなり重く厚さがあるというのが正直なところ。持ち運ぶ時はポケットよりも鞄に入れておいた方がよいでしょう。
そしてもう1つ注意が必要なのが価格です。ベースの性能が高い上に2画面という特殊性もあって、最も安いのは、ストレージが128GBのモデルで18万4580円。512GBのモデルでは22万880円と、スマートフォンとしてはかなり高額な部類に入ります。販路もマイクロソフトの公式ストアと家電量販店のみでキャリアからの販売がないことから、返却を前提に安く利用できる携帯各社の端末購入プログラムが使えないのも残念なところです。
Surface Duo 2は非常に特徴があり2つの画面を有効活用すれば魅力的なデバイスといえますが、それだけに従来のスマートフォンとは異なるサイズ感と価格をどこまで許容できるかが、購入を左右する大きなポイントになってくるといえそうです。
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