人生を豊かにする「人間関係の最適化」とは?
もしかしたら「時間と労力が消耗するだけの関係」の場合も……
異業種交流会に参加して“知り合い”を作ったとしても、次につながる人は、1人か2人いればいいほうですし、どちらかが転職や異動をしたら、疎遠になることは多いものです。たとえつながったとしても、たった1~2回飲みに行ったくらいでは、本当の友達になることは少ないでしょう。一時期は頻繁に会うような間柄でも、会わない期間が長く続くと、関係は疎遠になっていくものです。
つまり、きちんとした人間関係を築き、維持するためには、それなりの時間と労力が必要ということです。そして、それは「自分の時間」を削って費やす必要があります。忙しい現代人にとって、一緒にいてそこまで楽しいと思えない相手に対して、時間と労力を費やすのは厳しいはず。だから、知り合いが多ければ多いほどいい、というわけではありません。
「人との会話を通して、自分の知識を広げたい」という人はいます。もちろん、一緒に飲みに行って「情報交換」することで、普段知ることのない情報に触れ、プラスになることもあるでしょう。ただし、四六時中、そういうことに時間と労力を費やしていたら、心休まるプライベートの時間が減ってしまうので、限度は必要です。
もし本当に自己を高めたいのであれば、浅い付き合いの相手とダラダラとお酒を酌み交わすよりも、その時間で本を1冊読む(読書という行為を通して著者と対話する)ほうが、有意義なこともありますしね。
心を許せる相手はいる?
人生を豊かにする人間関係とは、「無理をしなくても、気が合ったり、本当の意味で心を許せたりする相手との付き合い」ではないでしょうか。そのような関係性の相手なら、「人として好き」という感情が自然と沸いてくるもの。それは、単に「付き合っていたらメリットがある」といった下心とはかけ離れたところにあるはずです。人とうまく付き合っていける人でも、実は「気が合う相手」が多くいるというわけではありません。そういう人は「相手に合わせるのが上手」というだけなのです。その場では楽しく過ごしていても、家に帰ると疲れてしまったり、会話の内容すら忘れていたりすることも少なくありません。
もしあなたに友達が少ないのだとしても、コンプレックスを抱く必要はありません。それよりも、本当の意味で心を許せる相手が1人か2人いれば、十分なのです。
無理に“仲良しごっこ”をしても、長くは続きません。会う頻度が増え、お互いに甘えが出てきたときに、相手との価値観の不一致が許せなくなり、喧嘩をして疎遠になるパターンは意外と多いもの。元々、気が合っているわけではない者同士の場合は、距離が近くなりすぎると喧嘩やすれ違いに発展しやすいですしね。
“外”にばかり目を向けず、身内のことも大切に!
外の人間関係にばかり気持ちを向けて、自分の家族との時間をおろそかにしてしまう人は、意外といます。でも、一番大事にしなくてはいけないのは、家族ではないでしょうか。それは、結婚して自分が作った家族だけでなく、親兄弟に対しても、です。「いつも顔を合わせているから」「いつでも会えるから」といっても、月日と共に人は変わっていくので、いつまでも同じような時間が過ごせるとは限りません。まずは身近な人との人間関係を良好にすることが大切。それが“自分の基盤”になることも多いですしね。
人間関係は、多ければいいわけではない
「もっと!もっと!」と新たな人間関係を追い求め、さらに「友達は多ければ多いほどいい」という考えから、人脈を広げることがいいことだと思いがちな人は多いです。でも、本当に大事な人間関係は「10年後も20年後も続けたいと思うような相手との関係」のはず。そういう相手との時間を大切にして、ずっとその関係を育てていきたいものですね。