亀山早苗の恋愛コラム

「旅行」でわかる、男女の相性…32歳サバサバ女子が「ああ、めんどくさい!」と感じた瞬間

旅行すると、カップルの相性がよくわかるといわれている。ふだんのデートとは違う長い時間を過ごし、相手の習慣や癖なども見えてくるからだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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旅行すると、カップルの相性がよくわかるといわれている。ふだんのデートとは違う長い時間を過ごし、相手の習慣や癖なども見えてくるからだろう。
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自分で何も決められない彼に苛立って

つきあって半年になる彼と初めて旅行をしたのは、今年10月末のことだったと話してくれたノゾミさん(32歳)。

「お互いに仕事が忙しくてなかなかデートの時間がとれない。だったらいっそ休みをとって2泊で温泉にでも行こうということになりまして。初めて彼とゆっくり過ごせると楽しみにしていたんです」

旅行先には観光地もたくさん。レンタカーを借りてあちこちめぐりたいとノゾミさんは考えていた。

「ところがいざ空港に着くと、彼が『レンタカー借りるのめんどうだね』と言い出して。私が運転するからと説得して借りに行きましたが、その時点で嫌な予感がしたんですよ(笑)」

もしかしたら、彼は「いざとなると腰が重くなるタイプ」なのではないかと考えたそう。そしてその予感は当たることになった。

「レンタカーであちこち回ろうとしたら、彼が『とりあえず休もうよ』と。じゃあ、どこか素敵なカフェでも探してというと、スマホをいじくり回しているのになかなか見つけてくれない。道沿いにいい感じのカフェがあったので、『ここでいい?』と聞いたら、うーんと煮え切らない返事。結局、そのカフェに行ったら、おいしいケーキもあって大満足でした。旅先って、店選びに失敗してもそれはネタになって楽しいし、成功すればラッキーとうれしいし、どっちだっていいんですよね」

夕食も、彼に目星をつけておいてと頼んだのに彼は店を絞ることさえできなかった。何を食べたいか、地元で有名な店はどこか、宿泊しているホテルやホテル近くのお土産屋さんなどで彼女が聞き込んできた。

「彼はなかなか自分の意見を言わないんですよ。最後は『ノゾミが決めていいよ』と。その時点で私がちょっとキレたんですよね。『一緒に旅行しているのに、あなたは全部人任せだ』と。そうしたら『ノゾミの好きにしたほうがいいと思って』と妙な言い訳をする。旅行しているのはあなたと私、ふたりなんだからそれぞれの意見を言わないと楽しくないでしょと怒ったら、ようやく『オレは和食がいいかな』と。やさしいのかもしれないけど、それはそのまま優柔不断ということでもあるなと実感しました」

そして翌朝、さらにノゾミさんがムッとするような発言があった。
 

「朝からよくそんなに食えるね」って……

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翌朝、ホテルでの朝食時。バイキング形式ということもあり、ノゾミさんは朝から旺盛に食べていた。

「そもそも彼は朝ちゃんと起きなかったので、私はさっさとひとりで朝食に行ったんです。彼はそれがおもしろくなかったみたい。でも私は彼を待っているようなタイプじゃなくて(笑)。朝食なんて一緒に行かなくてもいいじゃないですか。だから先に行ったんです」

そのホテルは朝食が売りということもあって、さまざまな料理が並んでいた。ノゾミさんは好きなものを好きなだけとり、“バクバク”食べていた。

しばらくして、向かいに座った彼はコーヒーだけだ。彼女がさらにサラダをとってきて食べていると、ふーっとため息をついた彼。

「朝っぱらからよくそんなに食えるねと、げんなりしたような言い方をしたんですよ。私もついムッとして、『朝からバッチリ食べるのが元気の秘訣でしょ。食べないような人はエネルギーが出ない』と言ってしまいました。それが彼にはグサッときたのか、そのまま部屋に戻ってしまったんです」

彼に嫌われたと不安になるより先に、「ああ、めんどくさい」と彼女は思ったという。必要以上に相手のプライドを忖度しなければいけない状況は、確かにめんどうだ。昔の女性なら、ここは男を立ててあげるべきだと思ったかもしれないが、今はそんな時代ではない。

「空気を読まずにいこうと思い、食べ終わって部屋に戻って、さ、出かけるよ!と言うと彼は渋々ついてきました。そこからまた観光して。昼過ぎに運転かわってよと言うと、『いいよ、オレ、運転下手だから』と。すっかりいじけモードに入ってしまいました」

その日は旅館に宿泊。食事を選ぶ必要がないのでホッとしていると、彼の好き嫌いがけっこう多いことがわかった。

「川魚がおいしかったので彼に同意を求めると、これ、食べられないと。川魚は臭いから苦手なんだと言い出して。全然臭くなかったのに」

3日目も観光する予定だったが、起きた時点で、もうノゾミさんにそんな気持ちは残っていなかった。とはいえ、飛行機の時間は変えられない。そこで「今日は別行動にしよう。車は使っていいから」と彼に提案、彼の返事を待たずに自分はバス停へと向かった。バスで町へ出て、そこで別のレンタカーを借り、1日ひとりでのんびり過ごしたのだという。

「帰りの飛行機に彼の姿はありませんでした。あれからレンタカーを返し、電車を乗り継いで最後は新幹線で帰ったと、あとから連絡がありました。体調がよくなかったと言い訳していましたが……」

帰京して数日後、彼からは「今週末、どう?」とメッセージがあったが、彼女は忙しいと言って断った。それきり彼からは何も言ってこないし、彼女も連絡していない。

「まあ、フェードアウトでしょうね。旅行を決めたときと、行った先とでテンションがあまりに違うし、旅先でグダグダ言ったり何も決められなかったりするのは、私からすると言語道断というか(笑)。つまんねーヤツという印象しか残りませんでしたね」

辛口のノゾミさんだが、確かに旅行は、一緒に楽しもうという姿勢がなければ充実しないものなのだ。

「つきあった半年間が無駄になったような気がしました。今度はつきあったらまず旅行してみようかなと思っています。そのほうがいろいろなことがわかるかもしれないから」

最後は冗談めかしてそう言ったノゾミさん。これからも精力的に恋人を探すと断言した。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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