スマートフォン

「BALMUDA Phone」は本当に“期待はずれ”か? バルミューダが狙う市場とは(2ページ目)

バルミューダのスマートフォン「BALMUDA Phone」は、発表直後からネット上で賛否両論の声が上がっている。果たして、実際はどうなのか。ITジャーナリストの石川温が考察する。

石川 温

執筆者:石川 温

携帯電話・スマートフォンガイド

あえて狙った「4.9インチ」というサイズ感

バルミューダの寺尾玄社長は「今のスマートフォンがあまりにも画一的になってきた。iPhoneやAndroidなど種類はあれど、私にはほとんど同じに見える。スマートフォンの世界では選択の自由がない。今のスマートフォンの画一性はiPhoneのせいだ」と、今のスマートフォン市場を分析する。

iPhoneを筆頭に大画面競争が繰り広げられ、ディスプレイが大型化していく中、あえて4.9インチというサイズ感を狙ってきた。かつて、iPhone 3GSなど丸みを帯びて持ちやすかったデザインを意識し、背面も丸みをつけるなど、曲線だけでできたデザインに仕上げてきた。

寺尾社長は、現代人は、巨大化したスマートフォンに支配されている人生を送っているのではないか、と警鐘を鳴らす。スマートフォンの画面ばかり見ていてはいけない、人生を豊かにすることはスマートフォンの画面の外にあると言いたいわけだ。
 

「スマートフォンを極力使わない」仕掛け

あえて狙った「4.9インチ」というサイズ感

BALMUDA Phoneの基本アプリ(出典:バルミューダ公式サイト)

そこでBALMUDA Phoneでこだわって作られたのが、基本アプリだ。スケジュール管理や時計、メモ帳など「いかに使う時間を短くするか」というコンセプトで設計されている。BALMUDA Phoneは「スマートフォンを極力使わない」という思想が根幹にある。

実際にスケジュール管理のアプリを触ってみると、確かにこれまでの日曜から土曜日までを1週間とした表示ではなく、日付が延々と連続して表示される仕様となっている。拡大・縮小をして自分の思い通りの日付に飛びやすくなっているのだ。

Androidに標準搭載されているスケジュール管理アプリはお世辞にも使いやすいとは言えないので、BALMUDA Phoneのスケジュール管理アプリだけでも使いたいと思う人はいるだろう。

BALMUDA PhoneはWeb上の画像や映像だけではなかなか、その佇まいは伝わりにくい。実際に触ってみると「意外といいかも」と思えてくるのだ。ただやっぱり、その次には「でも、10万超えかぁ」というのが頭をよぎってしまう。


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