Q:繰り下げ受給よりも、老齢年金を運用して増やしたいと思いますが、だめですか?
「繰り下げ受給をしても年金額がそこそこ多いと、まるまる課税対象額になってしまって、所得税・住民税で15%から20%とられ、さらには、国民健康保険料も10%とられるので、せっかく84%増えても実質50%の増額になる可能性も人によっては大きいはずです。私なら、特に老齢基礎年金は65歳からしっかり受け取って、3%くらいで運用していこうと思います。将来の年金額も逓減していくようですし。だめでしょうか?」(おたんこなすさん)繰り下げ受給よりも、投資したほうがお金を増やせる?
A:年金は生涯もらえますが、貯蓄は定期的な不労所得がない限り遅かれ早かれ底をつきます
相談者は、老後資金を増やす方法として、繰り下げ受給をして年金受給額を増やすのではなく、自分で資産運用して増やす方法を検討しているようですね。資産運用も、老後資金を増やす選択肢になると思います。年金と資産運用の大きな違いとは、増額された年金は生涯もらえますが、貯蓄は、定期的にもらえる不労所得がない限り、取り崩すことになり、いずれなくなる点です。
また資産運用にはリスクもあります。不測の事態(入院など)で急なお金が必要になることもあります。持ち家がある場合は、家のリフォーム費用がかかることもあります。
相場は日々変動しますので、急にお金が必要になった時には、投資資産を良いタイミングで現金化できないかもしれません。保有資産を分散して、急にお金が必要になった時も、安心できるお金を用意しておく必要があると思います。
もちろん繰り下げ受給をするよりも投資したほうがお金を増やせることもあるでしょう。高齢になると長期運用ができませんので、リスクを伴う資産運用は慎重に行うといいと思います。資産運用した売却益は、復興特別所得税も含めて利子所得(20.315%)の対象になりますので、NISA制度の非課税制度を利用することも検討してみるといいと思います。
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監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)
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