EDとは全く勃起しない状態だけではない 

ED・勃起不全

EDの症状は人によってさまざま。満足に性交を行うことが難しくなった結果、性生活そのものが億劫になってしまう人も。

ED(Erectile Dysfunction)とは、「勃起機能の低下」を意味する言葉であり、定義としては「勃起不全、勃起障害」を指します。ただ、実際には全く勃起しない状態だけをEDと呼ぶわけではありません。例えば、勃起はするものの「硬さが十分に維持できない」「中折れしてしまう」「なかなか勃起しない(勃起に時間がかかってしまう)」など、満足に性交を行うことが難しい状態全般をEDと呼びます。

実際のケースにおいては、全く勃起しないケースよりも「中折れしてしまう(途中で萎えてしまい、硬さが維持できない)」ケースの方が多いとみられており、中折れはEDの代表的な症状とも言えるでしょう。

例えば、EDに関して成人男性2,000人(20~79歳)を対象とした以下の調査結果があり、幅広い世代でEDが生じているという実態が明らかにされています。
ED・勃起不全
全体の29.7%が中等度以上のED症状を抱えている
20~30代の若年層においても約15%(7人に1人)が中等度以上のED症状を抱えている
・年代の上昇とともにEDを自覚する男性の割合が顕著に上昇する
(40代=6人に1人、50代=3人に1人、60代=2.5人に1人、70代=1.7人に1人)
・軽度のEDも含めた場合の全体的な推定数は2,800万人にも上る
・21年前の結果と比較して完全型EDが2倍以上に増加(260万人→644万人)
▽出典:浜松町第一クリニック│日本のED(勃起不全)有病者数調査2019(インターネット集計)

もう一つ、同じく2,000人の男性を対象に聞いた「EDの要因・原因に関する年齢層別ランキング」の詳細を以下の表にまとめました。
ED・勃起不全

「あなたが思うED(勃起障害)の要因・原因は何ですか」
(加齢・精神的ストレス・運動不足・高血圧・糖尿・休養不足・睡眠不足・喫煙・飲酒・食生活の乱れ・服用している薬の副作用 子作りへのプレッシャー・血管や神経の障害・わからない・その他・特になしの中から複数選択)
▽出典:浜松町第一クリニック│日本のED(勃起不全)有病者数調査2019(インターネット集計)


EDに関する兆候を今のところ感じていない方にとっては一見無関係のように思われるかもしれませんが、調査結果を見る限りでは、男性にとって身近なリスクの一つであるものと考えられます。「自分には全く関係ない」と断定することなく、一つの身近なリスクとしてEDに関する正しい知識をあらかじめ得ておくことが、不要な不安の払拭、ひいては予防につながるでしょう。
 

EDの種類・主な原因とは?

EDは大別すると以下の4種類に分けられます。

1.器質性ED
主に血管あるいは神経(または両方)の異常など、身体的異常に起因するED全般を指します。特に加齢により生じる動脈硬化を原因としたものが多いとされますが、そのほかにも糖尿病や高血圧、高脂血症といった生活習慣病などと合併して、ED症状が引き起こされるケースも少なくありません。

また、外科手術や事故などによる血管や神経の損傷などが要因となり、ED症状が引き起こされるケースもあります(手術などを受ける場合には、勃起への影響についても主治医と十分に相談する必要があります)。
これ以外には、男性ホルモンが関係する内分泌機能の低下による器質性EDも存在します。

2.心因性ED
心因性EDは、ストレスや不安、うつ等を始めとした、精神的・心理的要因により生じたEDを指します。状況の変化やシチュエーションと関係なく発症する「一般型」と、状況により症状が変化する「状況型」に分けられますが、心理的な背景がED発症に関わっているため、夫婦関係や過去のトラウマなど、その原因は人によってさまざまです。

3.薬剤性ED
治療などに使う薬剤の副作用が原因とみられるEDを指し、特に精神安定剤や睡眠薬など、精神・心理的不安に対して投与される薬剤を使用している場合には、薬剤性EDの恐れがあります。

薬剤性EDと考えられるケースでは、原因と推測される薬剤の中止や減薬、あるいは他剤に変更することで改善される可能性がある点がポイントです。日本性機能学会が公開しているED診療ガイドラインにおいて「EDを引き起こす可能性のある薬剤」が公開されています。
※日本性機能学会/日本泌尿器科学会│ED診療ガイドライン
https://www.jssm.info/guideline/files/EDguideine03_s.pdf


対策としては、薬剤の副作用をあらかじめ確認する、医師と話し合うなどの対策を講じることが大切です。薬剤によって引き起こされる性機能障害に関しては、女性であってもオーガズムを感じにくくなるなどの症状が引き起こされる場合があります。

4.混合性ED
混合性EDとは、「心因性ED」および「器質性ED」が併発している場合を指し、原因を特定することが困難とされるED症状です。

動脈硬化や糖尿病など、生活習慣病とされるタイプの持病に加え、精神的・心理的な負荷が強くかかった場合などに発症することが多く、主に50~60代の男性に多くみられます。混合性EDの場合、器質性EDをすでに抱えている方が、さらに心因性EDを合併的に発症する傾向がみられます。
 

EDを解決するためにはどのような方法があるのか

ED・勃起不全

ED治療薬の処方は医師の診察の元で受けることが可能です。

ご自身がEDであることに気付かれないケースというのも意外に少なくありません。例えば、以下に示すような兆候が見られる場合、EDである可能性も考えられます。

・勃たない訳ではないが、最近勃ちが悪いと感じる
・セックスの最中に中折れすることがある
・自分の意思に反して勃起に時間がかかってしまう
・勃起しても射精前に萎えてしまう


自分がEDかどうか気になる場合、IIEF5(International Index of Erectile Function=国際勃起機能スコア)と呼ばれるED問診票を用いたセルフチェックもおすすめです。

最後に、EDを解決するための方法を少しだけ見ていきましょう。

1.ED治療薬の使用
第一に、ED治療薬が安全かつ確かな対処法であることは間違いありません。ED治療薬の処方は医師の診察の元で受けることが可能です。

昨今では厚労省の認可していない、いわゆる未認可薬も市場に出回っていますが、未認可の医薬品は安全性や有効性が保障されておらず、万一副作用が生じたときには治療費の援助が受けられないなど、高いリスクがあります。

治療薬は、医師の判断のもとで厚労省において製造承認を得た正規のED治療薬をおすすめします。

2.生活習慣病や心因性、薬剤性の場合はそれぞれの対策を

生活習慣から見直す場合は、以下の様な点がポイントになります。
・食事:血液サラサラを目指した食生活、栄養的にバランスのよい食事
・運動:週2回以上の運動(特に有酸素運動)
・飲酒:禁酒日を設ける
・喫煙:EDが気になる場合は控える
・睡眠:7時間前後の睡眠時間を確保

心因性EDであれば適切なカウンセリングや、パートナーとの信頼関係の構築が重要です。また、薬剤性EDの場合には減薬や薬剤の変更を行うなど、副作用を避けるための対策を行う必要があります。

EDと言っても最終的な原因は人によって異なります。適切な対策を行うためにもご自身で抱え込まず、不安を感じた時には医療機関を受診しましょう。
 
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