同族嫌悪・近親憎悪とは……「似た者同士」の複雑な感情

背中合わせの女性二人

「自分に似ているあの人のことが嫌い」この感情が同族嫌悪、近親憎悪

自分と似た面を持つ人のことが好きになれない、一緒にいるとイライラする……。このように感じることはありませんか? 自分と似た人を嫌う感情を「同族嫌悪」と呼びます。「近親憎悪」という方がなじみのある方も多いかもしれませんが、同じ意味で使われます。
 
「同族」とは、家族や友人、似た性格の人、同郷の人など、共通点の多い特性をもつ人を指します。こうした自分と「似た者同士」の人に対して、不快な感情を持ってしまうことがあるのはなぜでしょうか? ここには2つの心理があります。
 

同族嫌悪の原因1:「投影」で自分の負の側面を見せられる

同族嫌悪を引き起こす心理として知られるのが、「投影」です。「投影」とは、否定したい自分の不快な一面が、相手の姿や行動を通して見えてくること。同族の相手とは、属性や趣味、考え方、行動が似ていることが多いため、それが故に、相手の言葉や態度に自分の不快な一面が透けて見えてしまうことが多くなるのです。
 
たとえば、同じ活動に熱中する仲間と最初のうちは同じ話題で盛り上がっていられたのに、ある時期を境に口も利かないほど嫌いになってしまうことがあります。その理由の一つには、似ている相手の言動を通じて自分の負の側面まで見せられて不快になる、という「投影」の心理が働いていると考えられます。
 

同族嫌悪の原因2:「共感」で惹きつけ合い、つらくもなる裏表の感情

同族嫌悪には「共感」も大きく作用しています。自分に似た人は、生活の背景が似ているために言葉にしなくても分かり合える面、つまり共感できる部分が多いのです。共感は楽しいことや誇れることなどのポジティブな側面だけでなく、人に気づかれたくないネガティブな側面にも表れます。

たとえば、家族や同じ地域で生活してきた人は、何も言わなくてもわかり合える共感性の高い関係と言えるでしょう。でもだからこそ、他人には知られたくない恥ずかしい姿も家族間、地域のなかでは共有しあえてしまい、嫌な自分の面に直面させられてつらくなる。こうした「共感」にある裏表の感情が、同族嫌悪につながっていると考えることもできます。
 

同族嫌悪の感情と上手に付き合う3つのポイント

同族嫌悪は不快な感情ですが、誰の心にも生じる自然な感情です。自分に似た人に不快な気持ちを覚えたときには、自分を磨くよいチャンスだと捉えてみるといいでしょう。次に、同族嫌悪と上手に付き合うポイントを3つお伝えします。
 
1. 相手を否定する前に、自分にも似た側面がないか振り返る
相手の行動に嫌な思いがしたときには、自分の心のなかに隠している感情が浮上し、それに気づきたくないために同族嫌悪が生じているという可能性を考えてみましょう。たとえば、相手が使う粗野な言葉づかいにたまらなくイライラする場合、自分自身にもある粗野な一面に気づかされるようで不快に感じている。そのような可能性があるのかもしれません。
 
2. 相手を不快に感じるポイントから、自己成長の鍵を見つける
1.で自分を振り返ることができたら、自分が成長するために何をするべきかを考えてみましょう。たとえば、相手の言動が鏡となり、自分にも似たような粗野な面があると気づいたときには、できるだけ人や物事を丁寧に扱っていくように心がけてみる。あるいは、相手の粗野な言動から自分の過去の傷に気づいたときには、当時を振り返りながら自分を労わり、心の傷を癒していくとよいと思います。
 
3. 相手と適度な距離を保つことで学びあう関係になる
同族嫌悪を感じる相手は、互いが自分の深い心の内に気づく鏡になれる人であり、貴重な存在です。でも、距離が近すぎてしまうと、いつも自分の不快な面を露わにされているようでつらくなってしまいます。できるだけ、適度な距離を保って付き合う方がよいでしょう。
 
付き合いの多い仲間と同様、家族も同族嫌悪を感じやすい相手です。だからこそ適度な距離を保つことが大切です。いつもべったり一緒にいないようにした方が良好な関係が長続きするでしょう。仲間や家族は、いざというときにいちばん頼りにできる間柄です。だからこそ、つかず離れずストレスのない関係で付き合うことが理想的なのだと思います。
 
「同族嫌悪」はとても不快な感情ですが、だからこそ、気づけることや学べることが多いものです。「不快だから」と相手を否定して関係を断つのではなく、相手が自分に何を気づかせてくれるのかを洞察し、自分の成長につなげていくことが大切です。


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