子どもは親の所有物ではない! 自分のために「子離れ」を行う大切さ
子どもは、自分を受け止めてくれない親を嫌いになる
子どもは親の遺伝子を引き継いだ身体を持っていまずが、魂は、親とは別物です。つまり、親の「分身」ではありません。しかし、子どもを「自分のもの」だと思ってしまう親は、子どもに理想を押し付けたり、コントロールしたりして、思い通りにしようとしてしまうところがあります。そうすると、子どもは「うちの親は、私のことを分かってくれない!」という不信感に繋がり、だんだん嫌いになってしまうことも。親の人生観を押し付けることが、子どもにとっていいことだと思ってしまう人は意外といます。例えば「いい大学を卒業しないと、いい生活ができない」「30歳までに結婚しないと、幸せになれない」など。
もちろん、親として、子どもに世の中の仕組みを教えてあげることは大切。でも、子どもには子どもの人生があるので、きちんと教えてあげた上で、本人がいいと思うものを選択させてあげる必要があります。人生は「失敗しないこと」が大事なのではなく、「失敗をしながら、学び、次に失敗しないようになるまで成長すること」のほうが重要。だから、子どもを信じて、見守ることも大切なのです。
「子どものためを思って」=単に自分が心配したくないだけ?
自分がやらせたいことではなく、子どもがやりたいことにチャレンジさせてあげることで、子どもは自分にとっての得意&不得意、好きなこと&嫌いなことを見つけていきます。それが、将来、どんな職業に就くのかにも役立つことがあります。親に言われるがままに、子どもがいい大学に行き、いい会社に就職したら、親は安心でしょう。しかし、子どものほうは、それで幸せを感じないと親を恨んでしまうこともあるはずです。親は「子どものためを思って」と言いがちですが、単に自分が心配したくないだけ、というのもよくあることです。いくら将来が安泰でも、幸せでなければ、意味がないですしね。
単なる安泰な人生を誘導するよりも、子どもの「自分らしさ」を大切にし、長所や短所を理解して、ありのままの姿を受け止めてあげるほうが、子どもはより“自分にとって幸せな人生”を選択できるのではないでしょうか。
「自分の人生」を生きることが「子離れ」の秘訣
子どもに「自分の人生」を託してしまう親ほど、自分自身を諦めてしまっていることが多いもの。でも、今のご時世、チャレンジしようと思えば何歳からでもできます。もちろん子どもを育てる義務はあるので、「独身のように、自由気ままに」というわけにはいきませんが、子どもの人生に乗っかろうとしないで、できる範囲で「自分の人生」を輝かせることが重要です。そうやって、頑張って生きている姿を子どもに見せることのほうが、子どもにとって人生の参考になりますしね。結局、親子は血のつながりはあるもの、「自分とは別の人間なんだ」と認識することが親離れや子離れには大切。それを理解できると、いい関係が築けるようになるでしょう。それができないうちは、自分にとって都合のいい“理想の親像、子ども像”をそれぞれ抱き、相手に押し付けてしまうことも。それでは、お互いに「相手らしさ」を理解し、受け止めていないので、うまくいかないはずです。
幸せについて“自分なりの答え”を見つけよう
さらに言うと、親は親で、きちんと「幸せとは何か」について、“自分なりの答え”を見つけることが大切です。単に給料のいい会社に勤めて、条件のいい人と結婚したら、幸せになれるほど、人生は単純ではありません。一般的に幸せだと言われている人生が、誰にとっても合うとは限りません。会社員に向かない人もいれば、結婚が合わない人もいます。自分にとっての向き、不向きを理解し、自分に合った人生を歩むことのほうが幸せでいられます。もし“自分なりの幸せな生き方”が見つけられたときは、おそらく子どもに対しても、「自分にとっての幸せ」を押し付けなくなるでしょう。「子どもの幸せは、自分の幸せとは違うこと」が分かるようになりますしね。
「幸せな人生とはどういうものなのか」を、まずは自分が幸せになって、子どもに見せることができたら、それが一番、子どもにとって役に立つはずです。子どもは「子どもの人生」を歩んでいます。だから、親は親で、「自分の人生」をしっかり生きたいものですね。