「男性アーティストの歌声分類マップ」を大発表!
少し前のことだが、3月23日放送の『マツコの知らない世界』(TBS)で紹介された「女性アーティストの歌声分類マップ」が話題になったようだ。“女性の声に憧れる歌声ソムリエ”として登場した森山直太朗さんがさまざまな女性アーティストの歌声を分類したものだが、その言葉選びがなんとも絶妙。「NEW フォーク女子系」(YUIなど)、「洋風DIVA系」(平原綾香など)、「パンチ力系」(大黒摩季など)などはまだしも、「悟り系」(鬼束ちひろなど)、「生きざま系」(UAなど)、果ては「シャーマン系」(aiko、オノ・ヨーコなど)といったものまで……言いたいことはわかるようなわからないような感じだが、森山さん独特のセンスがあふれまくっていて面白い。
僕も以前、歌唱力の高いアーティストをピックアップしたり、技術や声質について評論する記事は書いたことはあるが、分類しようという視点は少し新鮮だった。そこで、この場を借りて森山さんの向こうを張って「男性アーティストの歌声分類マップ」を発表させていただきたいと思う。
【スター系】
唯一無二! うまい下手ではなく持って生まれたスター性のある歌声の持ち主たち。ロック、バラード、他人のカバー……なにを歌ってもその人でしかない。例:加山雄三、沢田研二、郷ひろみ、桑田佳祐(サザンオールスターズ)、木村拓哉、福山雅治
【教祖系】
聴く者に宗教じみた熱狂感を与える歌声。癖が強く、コアな層に響くカリスマ性の持ち主たち。「教祖に騙されてしまった人がいる」というツッコミはご勘弁。例:吉田拓郎、忌野清志郎、矢沢永吉、長渕剛、尾崎豊、ToshI(X JAPAN)、氷室京介、甲本ヒロト
【達人系】
ささやいて良し、シャウトして良し、スケール感も半端ない! ジャンルを超えて、世界に出しても遜色ない熟練のテクニックの持ち主たち。例:布施明、尾崎紀世彦、五木ひろし、山下達郎、谷村新司、ASKA、玉置浩二、西川貴教
【不思議系】
「えっ!そんなこと考えていたんだ!」と驚きのアイデアを楽曲や私生活に反映してファンを驚かせる。どことなく浮世離れした独特の感性と歌声の持ち主たち。例:井上陽水、米津玄師、小沢健二、岡村靖幸、佐野元春
【ひょうひょう系】
歌い方と同様に自由な、ストレスが少なそうなスタンスで活動し、思い出した頃に話題を提供する。その名の通り、音楽業界をひょうひょうと生き抜く才覚の持ち主たち。例:奥田民生、山崎まさよし、斉藤和義、なぎら健壱
【器用系】
歌の上手さや系統はともかく音楽、芸能、サブカルチャー……時代にあわせてギョーカイを泳ぎまわる、絶妙なセンスと器用さの持ち主たち。例:森山直太朗、星野源、武田鉄矢、ダイアモンド☆ユカイ、大槻ケンヂ
【フォーエバー90年代系】
古き良きJ-POPそのもの……聴けばいつでも90年代気分になれる、時代に選ばれた歌声の持ち主たち。例:稲葉浩志(B'z)、桜井和寿(Mr.Children)、草野マサムネ(スピッツ)
【お祭り系】
歌い出せばその場がお祭り騒ぎ! 理屈抜きの不思議な高揚感を持った歌声の持ち主たち。例:北島三郎、とんねるず、綾小路翔(氣志團)
【少年系】
どんな声帯をしてるのか不思議。いくつになっても甘酸っぱい青春時代を思い出させる少年ボイスの持ち主たち。例:北川悠仁(ゆず)、野田洋次郎(RADWIMPS)
【前髪長い系】
2000年以降のロックシーンでやけに目立つ、重く、目にかかるほど長い前髪の持ち主たち。その狙いはイケメン補正か、はたまた別の何かか……。例:藤原基央(BUMP OF CHICKEN)、Fukase(SEKAI NO OWARI)、川谷絵音(ゲスの極み乙女)
いかがだっただろうか。一部、歌声とはなんの関係もない分類や、「この人どっちにも当てはまるな~」というものも存在したが、これでも編集者から執筆依頼があって3カ月、悩みに悩みぬいた末にようやく書き上げたものなので、どうかご納得いただきたい。
とりあえず今は、分類された本人たちからクレームが来ないことを祈るのみである。