私には兄弟もおらず、介護や老後が不安です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、親の介護と自分の老後資金が心配だという52歳の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
 
今は子どもがお金を入れてくれているが……これからどうしたらいいですか

今は子どもがお金を入れてくれているが……これからどうしたらいいですか


■相談者
みかずきさん
女性/会社員/52歳
九州/借家
 
■家族構成
子ども2人(20代、社会人)、実母(78歳、国民年金受給)
 
■相談内容(原文ママ)
親の介護、自分の老後資金の不安があります。母が2年前に病気をしましたが、幸運なことに要支援1の認定で、のんびり暮らしています。引き続き医療費・介護費含めすべて、私が支払います。国民年金をほぼ全額もらっているので。実母の預金、生命保険などはゼロです。
 
同居中の子ども2人から生活費を受け取っています、子どもは結婚の予定は今のところ、まったくないです。今しばらくは預金ができますが、祖母が弱ったら世話をしない、世話をするぐらいなら一人暮らしをするという子どもたちです。ずっと家族関係は良好なのですけど。介護費が高くなるころを前後して、子どもからの収入もなくなります。
 
私は介護職員で、65歳定年です。退職金ゼロです。将来、厚生年金の受取額は10万円予定のようです。外貨保険、米ドルと豪ドルの3種類で500万円払い済みです。豪ドル一時払い外貨保険(一口)は第2子名義なので解約した方がいいと思いますが、3年前の契約で、現在少しマイナスです。私には兄弟もなく、介護、老後、不安です。早く孫を抱きたい夢もあります。もっと節約すべきでしょうか? 預金のアドバイスもお願いします。
 
■家計収支データ
相談者「みかずき」さんの家計収支データ

相談者「みかずき」さんの家計収支データ


■家計収支データ補足
(1)ボーナスの使い道
・自動車関連9万5800円(自動車税1万800円、自動車保険年払い1万4000円、1年点検3万1000円、タイヤ交換4万円)
・借家関連5万2000円(いずれも2年ごとで今年支払い。更新料2万1000円、火災保険2万1000円、更新保険料1万円)
・電気製品買い替え19万円
今年の合計33万7800円で、差額は給料で調整しています。
 
(2)家計収支について
第1子から3万円、第2子から2万円、実母から国民年金分4万5000円を生活費として受け取り、自分の給与から5000円を加えて10万円を、自分の老後資金として貯蓄しています。
 
(3)自動車について
自分所有の軽自動車1台で、月々ガソリン代5000円。2019年に買い替えたので、今後買い替えの予定はありません。その他、税金・保険などはボーナスで払っています。
 
(4)加入保険について
・共済(病気死亡100万円、事故死亡プラス100万円、入院1日目から5000円、女性特定病気入院プラス3000円、満期終了2035年)=毎月の保険料2000円
子ども2人とも、成人したので、死亡保険金額を減額しました。
 
(5)払い済みの外貨保険について
・米ドル建て(一時払い個人年金、60歳から3年間受け取り予定)=年金原資150万円
・豪ドル建て(一時払い終身保険、死亡200万円、2018年契約、解約返戻率110%上回ったら解約予定でした。第2子名義)=払込金額200万円
・米ドル建て(介護保険付き、死亡保険320万円)=10年分払込済み150万円。これ以上払い込みせず、将来利益が出ているときに解約予定です。
 
豪ドル一時払い外貨建て保険の解約時期について、教えていただきたいのですが、今現在、特に現金が必要ではないので、多分5年、10年そのままでも差し支えはないです。契約時、3年ほどで利益が出て解約予定だったのですが、その後、下落が激しくびっくりしています。外貨保険の契約は、令和になってから初めてで、3口契約しました。過去は、銀行定期預金一筋でした。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 子どもが独立するまでは現状維持で、現預金を確保する
アドバイス2 子どもが独立したら、生活コストの大幅削減を
アドバイス3 65歳以降も働き、実母の介護は地域連携も調べておく
 

アドバイス1 子どもが独立するまでは現状維持で、現預金を確保する

お母さまの生活支援をしながら、フルタイムで働き続けるのは、本当に大変なことだと心中お察しいたします。今のところ、お子さん2人からの生活費で貯蓄ができており、その点は安心材料ですが、いつまで続くかは、ご相談者もわかっておられることですね。
 
仮に3年間、現状維持であれば貯蓄は360万円になり、現在の貯蓄800万円と合わせて1160万円。車の買い替えは当面ないとしても、今後10年で1度は100万円程度の支出があるでしょう。差し引き、おおよそ1000万円ほどの貯蓄は可能かもしれません。しかし、これではご自身の老後資金のほかに、お母さまの介護費用もかかってくることを考えると、少しでも現預金を増やしておきたいところです。
 
外貨建ての保険に複数加入されたのは、今となっては仕方のないことですが、少しでもプラスになった時点で解約し、現金化しておくようにしてください。払い込みベースで500万円。これは大きな金額です。保険ではありますが、為替は一瞬で変わります。長期で保有して利益を出すのは難しいと考え、大きな損失になる前に解約することを検討してみてください。
 

アドバイス2 子どもが独立したら、生活コストの大幅削減を

お子さんの独立の時期次第ですが、65歳までのご自身の収入が変わらないとすると、基本的には現状のままとなります。お母さまの国民年金は、いずれ介護費用に回ることになりますから、貯蓄ができなくなる時期はやってきます。お子さんが独立すれば、その後は収支トントンで切り抜け、生活コストを下げられたら、その分が貯蓄ということになります。
 
65歳からの公的年金は月額約10万円ですから、現在の支出のままだと、不足分は貯蓄からの取り崩しになります。できる限り取り崩す額を抑えるには、やはり生活コストを下げるか、65歳以降も収入を得るか、とならざるを得ません。
 
お子さんが独立すれば、食費や水道光熱費などで月2万円ほどは削減できるでしょう。毎月の支出を17万円程度に抑えられれば、年金の不足分は7万円。年間で84万円です。
 
この時点で1500万円ほどの貯蓄が残っていれば、約17年はもちますが、ご自身は82歳。やはり安心して老後を過ごすには、資金が不足しています。
 
このように考えてみると、貯蓄できるのは、今しかないのです。お子さんとも相談しながら、通信費を見直すことができないか、雑費の中身を整理して削減できないか、月1万円でも2万円でも貯蓄できないかを検討してみてください。ボーナスからの支出のうち、車関係費や賃貸契約にかかわることは減らせないとしても、ボーナスから必ず10万円は貯蓄するなど、今のうちにできることはやっていただきたいと思います。
 

アドバイス3 65歳以降も働き、実母の介護は地域連携も調べておく

ご相談者は介護職に就いておられるので、介護にかかるお金も承知されていると思います。お母さまの体調によりますが、万一、家族での介護が難しくなった場合に備えて、地域連携の介護サービスなどの利用料などもお調べになっておいてください。一番心配なのは、介護職だからこそ、無理をなさるのではないかということです。できれば65歳以降も、体に負担がかからないような働き方で収入を得ていただきたいと思っています。仕事と家事と介護をすべて一人でやろうとせず、公的な支援を受けることも想定しておいてほしいと思います。
 
明快な解決策をご提示できればよかったのですが、貯蓄できるのは今しかない、と考え、お子さんとも協力して生活コストの見直しを図ってください。ご自身の健康が第一です。一人で抱え込まないでくださいね。
 

相談者「みかずき」さんから寄せられた感想

子どもたちが独立後は、月15万円でやりくりするつもりでいます。ボーナスは、電気製品をひと通り買い替えたので、これから購入する物はないので、多分10万円ずつ貯金できます。豪ドル保険、解約のタイミングが難しいですね。とりあえず、ほんの少しでも利益が出るまで継続……為替レート79円で契約し、その後、わずかにマイナスでした。50万円近くマイナスもあり衝撃でした。豪ドルで頭がいっぱいです。米ドルは定年時に解約検討するつもりした。全て、死亡保障目的ではなく、貯蓄目的でした。全て時期を見て現金化したほうがいいということですね。自分1人の老後資金でなく、親の老後(介護費用)も含めるとやはりまだまだ節約が必要ですね。親戚は皆100歳超えの長寿家系です。介護保険サービスも利用するつもりです。どうもありがとうございました。


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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
  
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子



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