家族みんなで使う大型の本棚、クローゼットを設置
続いて2階へ。まずはホールです。
「子ども部屋の中に収納をつくると、将来、子どもが独立して家を出ていった後、収納の中に子どもの荷物が置きっ放しになりそうな懸念から、思い切って子ども部屋の収納はナシにしました。代わりに、子ども用の本棚もこの2階の本棚に集約したんです。今は自分の趣味の本や仕事の本、10年後は自分の本と子どもの教科書など、20年後以降は再び自分の本を収める、というイメージを持っています。
廊下幅は、一般的な有効幅の78cmより40cm広くして本棚を設けたため、行き来できる廊下幅は通常の住宅と変わりません」
次に本棚の斜め向かいに設けられたアイロンスペース。
「家族全員で使うウォーククインクロゼットのすぐ裏にあり、アイロンをかけ終わった服を、すぐしまうことができます。椅子を引くことを考慮して、通常の廊下幅より45cm広げ、動線の邪魔にならないようにしています」
最後は寝室です。
壁に設置した本棚がインテリアとしても魅力を放っています。
「実は、この本棚の後ろに全館空調用のダクトスペースがあるんです。本棚を設置することで、壁にできてしまう凸凹を強調しないようにしました。また、落ち着いた雰囲気にしたかったので、照明の光源が見えないよう天井に段差をつけ、光を天井に直接当て、反射した光を使うコーブ照明にしました。
写真左側のスペースはバルコニーに面しています。バルコニーに干した洗濯物を取り込み、そのままここで畳むことを想定して、作業しやすい畳敷きにしました」
床、天井、扉…木を使い分けてこだわりの空間が完成
改めてNさんに、木の家へのこだわりを聞いてみました。
「社員のため自然な流れではありましたが、木造住宅を選んだのは、やはり木ならではの温かみや香りを感じられる家をつくりたかったからです。また、土地が約30坪とさほど広くなく、建築できる面積に限りがあったことも木造を選んだ要因です。一般的に鉄骨住宅は外壁が厚く、部屋が狭くなる可能性があるため、木造住宅のほうが有効床面積を広く確保できると考えました。
床の木材は、以前、床材メーカーの工場を見学した際に一目惚れしたピーカン。天井はカラマツ、扉はナラ、テーブル、カップボードはクルミを採用しています」
Nさんは自身が勤務していることや、BF構法により自由なプランニングを楽しめることから住友林業で家を建てましたが、ハウスメーカーを選ぶ際に考えるべきポイントもアドバイスしてくれました。
「最初は自分の好みを知るためにも、複数の住宅メーカーを見学して良いと思いますが、どのメーカーにするかというより『どの担当者と家づくりを進めていくか』が大切かと思います。家の実際の仕上がりは、担当が誰かでかなり変わってくると考えています。その担当者が些細なところまで気をつかえているかどうかで、見た目の印象や住まいの過ごしやすさが変わってくるからです。
多くのお客様のお手伝いをしてきましたが、複数社と打ち合わせをしてメーカー決定の段階で力尽きてしまう方もいらっしゃいましたので、家づくりはメーカー選定から信頼できる担当者との出会いなどを、ぜひ楽しみながら進めていただきたいと思います」
いかがだったでしょうか。Nさん邸を通じて木の家に関心をもたれた方は、下のリンクから住友林業の実例紹介「自家自讃」をチェックしてください。
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