会社が合わず転職したい気持ちもあります

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、身の丈に合わないマンションを購入してしまったと感じている会社員男性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。
子どもの教育費や老後のお金なども心配です

子どもの教育費や老後のお金なども心配です


■相談者
しんさん
男性/会社員/35歳
神奈川県/持ち家(マンション)
 
■家族構成
妻(29歳)、子ども(2歳)
 
■相談内容(原文ママ)
身の丈に合わないマンションを購入してしまったと感じ、将来の教育費や老後資金に不安を感じています。また、子どもはもう一人欲しいというのが本音ですが、お金の心配があるため、難しいかとも感じています。今の会社が肌に合わず転職したい気持ちもありますが、転職すると給料が下がる懸念もあり、働き続けなければならないこともストレスに感じています。現在の貯蓄ペースで2人目の子どもが可能かどうか、その場合の老後資金が足りるかについて教えていただけますと幸いです。
 
■家計収支データ
相談者「しん」さんの家計収支データ

相談者「しん」さんの家計収支データ


■家計収支データ補足
(1)収入について
ボーナスがゼロとなっていますが、年俸制のためです。
 
(2)家計収支について
毎月の家計収支は、貯蓄の10万円を加えても1万9250円の黒字ですが、その他支出(食費、日用品、光熱費など)の上乗せとなることが多いです。
 
(3)住居費について
・購入年        2020年
・購入価格            5099万円
・ローン借入額       4999万円
・借入金利            0.527%
・返済期間            35年
・ローン残債           4857万円
返済は毎月返済のみ。住居費に修繕積立金、管理費を含みます。固定資産税は約10万円。
 
(4)教育費について
毎月7万円の教育費は、保育園代(手当2万5000円/月を差し引く前)と、奨学金返済1万3929円(あと3年半くらい続きます)
 
(5)保険料について
・夫/医療保険(終身タイプ、支払い終身、先進医療特約付き)=毎月の保険料4726円
・妻/医療保険(終身タイプ、支払い終身、女性疾病特約入院5000円、がん診断特約100万円、先進医療特約付き)=毎月の保険料6060円
 
保険については、FPから言われるがまま入ってしまい、正直、見直したい気持ちもありますが、私自身はがん経験があり、なかなか新たな保険に加入できません(寛解から10年経ち、問題ないと言われていますが、定期検査の通院があります)。団信はなぜか通りました。
 
(6)お子さんの進路について
高校までは公立、大学は私立理系を希望。
 
(7)働き方について
収入アップの転職はあまり見込めません(同職種だと業界水準が高い会社のため)。昇給見込みは年2%です。妻は、子どもが小学校に上がったらフルタイムを検討しています。今もパートタイムにこだわっているわけではありませんが、やはり時短が必要なため、フルタイムの職を見つけるのが困難な状況です(職を選ばなければありますが、将来的に正社員で働くためのスキルを磨けるような職に今は従事した方がよいと考えるため)。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 妻の復職、働き方でマネープランは変わってくる
アドバイス2 フルタイム勤務ができれば、教育費、住宅ローンも大丈夫
アドバイス3 収入アップの転職ならOK。夫婦での子育てが肝心
 

アドバイス1 妻の復職、働き方でマネープランは変わってくる

マンション購入については、後戻りできませんから、前向きに考えていきましょう。とはいえ、現在、毎月10万円の貯蓄。ご相談者が60歳になるまでに貯められる金額は3000万円。これに現在の金融資産500万円を加えて3500万円。子どもが2人になったとして、2人分の教育費を出すと、老後資金にやや不安が残ってしまいます。住宅ローンも70歳まで返済が続くとなると、公的年金だけでは不足する可能性もあります。ご相談者が不安を感じるのもわかります。
 
では、ここからどのように考えていけばいいのでしょう。
 
まず、2人目のお子さんが授かったら、奥さまは2年ほど無収入になり、毎月の貯蓄は難しくなります。先に説明した3000万円は2760万円になります。ただ、これも奥さまが出産後、パート・アルバイト的な働き方で、現在と同じ収入が得られた場合です。2番目の子が小学生になり、フルタイム勤務の正社員で働くことができれば、貯蓄を上乗せしていくことが可能になります。手取り20万円の収入が得られれば、毎月の貯蓄は18万円程度可能になります。この上乗せ分が15年間で1440万円となります。
 
2760万円+1440万円+現在の金融資産500万円で4700万円。これが、奥さまが第2子出産後、パート・アルバイトでしばらく働き、その後、正社員で復職した場合の貯蓄総額になります。
 
つまり、今後、第2子出産、奥さまの働き方、収入によってマネープランは変わってくるということです。
 

アドバイス2 フルタイム勤務ができれば、教育費、住宅ローンも大丈夫

フルタイム勤務できたとすれば、お子さん2人の教育費は十分まかなうことができます。中高で500万円、大学で1200万円。2人分で1700万円教育費がかかったとしても、60歳時点での金融資産は3000万円程度残ることになります。退職金がわかりませんが、これだけあれば、老後資金としては、ひとまず安心できるでしょう。
 
また、住宅ローンの返済も、60歳時点で完済してしまうことも可能です。ただし、その際は、65歳までは働き、収入を得ることで貯蓄の取り崩しを後送りにすることが重要です。貯蓄のペース次第、奥さまの収入次第では、60歳になるまでに何度か繰上返済をすることも可能になります。
 
ただ、ここまでの試算は、あくまでも奥さまが10年後ぐらいからは正社員で働き、20万円程度の収入を得ることが前提になります。もしも、ずっとパート・アルバイト的な働き方であれば、冒頭の試算のように、60歳までに貯められるのは2760万円、2人の教育費1700万円を差し引くと、老後資金は約1000万円と退職金。住宅ローンは60歳以降も残ることになります。
 

アドバイス3 収入アップの転職ならOK。夫婦での子育てが肝心

こう考えていくと、ご相談者の転職は慎重に考えてほしいと思います。収入アップが確実に見込めるのであれば、大賛成ですが、現在の職場であれば昇給の見込みもあるわけですから、奥さまの働き方次第ではなく、ご自身の収入アップを目指すことは非常に重要です。
 
さらにいえば、現状では、第2子出産、2人の子育て、パート・アルバイトに復職、さらにフルタイム勤務と、奥さまばかりに負担がかかってしまう計画です。奥さまの負担軽減がなによりも大切です。子育ては夫婦ふたりでするのは当然ですが、家事分担も含め、奥さまが安心して無理なく働ける環境づくりをするのは、夫である、しんさんの役割だと考えます。
 
最後に、保険についてですが、現在加入しているのは医療保険のみです。第2子を待たずに、必要な保障はできるだけ早く確保してください。
 
しんさんは保険金額2000万円、保険期間20年。奥さまは保険金額1000万円、保険期間20年の割安な定期保険に加入してください。医療保険についても、年齢から考えると、やや割高な保険です。割安な医療保険がありますので、よく検討してみてください。すべて見直しても、おそらく2人で月7000~8000円で収まるでしょう。寛解から10年経ち、団信に加入できたのであれば、新規に生命保険に加入することは問題ないはずです。
 
少しシビアなアドバイスになりましたが、しんさんの希望を叶えるとしたら、奥さまと十分な話し合いをするようにしてください。もちろん、第2子が授かることを願っています。

相談者「しん」さんから寄せられた感想

今回アドバイスいただいた事項については、妻の働き方次第で為せばなるということがわかり、少し安心したと同時に身が引き締まりました。家族の時間を大切に今後の働き方と含めた生活スタイルを話し合っていこうと思います。保険についてもやはり見直しが必要とのことでしたので、見直していきたいと思います。

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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
  

 
 

 

 

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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