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都議選とは?基本や仕組み、2021年の選挙結果まとめ。東京都議選をわかりやすく解説

2021年の東京都議選の投開票が行われました。そもそも都議選とはどんな選挙なのか、2021年の都議選結果と今後の国政にどのように影響するか、基本的な仕組みからわかりやすく簡単に解説します。

西村 創

執筆者:西村 創

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2021年の東京都議選の投票と開票が行われました。結果は、多くのメディアや識者の予想とは異なるものでした。今回は、そもそも都議選とはどんな選挙なのかという基礎から、2021年の都議選結果と今後の国政にどのように影響するのかまで、わかりやすく解説します。
2021年の東京都議選の投開票は意外な結果に

2021年の東京都議選の投開票は意外な結果に

 

都議選とは東京都の地方公共団体の議員の選挙

都議会議員選挙、いわゆる都議選とは、地方公共団体である東京都の議決機関である東京都議会を構成する東京都議会議員を選ぶための選挙です。そこで、都議選について説明する前に、地方公共団体の仕組みから解説します。

日本の都道府県には地方公共団体というものがあります。政府が日本各地のすみずみまで、その土地特有の物事を決めたり、決まったことを実行したりするのは大変ですよね。そこで、国の中央政府が、各地のことは各地で決めて実行するように地方公共団体に任せているのです。これを地方自治といいます。

地方公共団体には、地方公共団体としての意思を決める議会(議決機関)と、議会の決定に基づいて事業を執行する団体の長(執行機関)があります。

東京都の場合、議決機関が「都議会」で、議会決定を執行する団体の長が「都知事」です。都議会の構成員である都議会議員、執行機関の長である都知事はそれぞれ別に、都民による直接選挙によって選ばれます。都議選と都知事選は混同しがちですが、それぞれ別の選挙です。

都議会と都知事はそれぞれ独立の機関であると同時に、対等な立場だということになっています。互いに緊張関係を保ちながら、政策や予算をチェックし合い、より良い地方自治をめざすのが、都議会と都知事の本来あるべき姿です。
 

都議会議員の任期に合わせて4年ごとに都議選が行われる

地方公共団体の議員を選び出す選挙は、議員の4年の任期に合わせて行われています。都議選は地方公共団体の議員を選び出す選挙の東京都版です。

ただし、都議選は地方自治体の選挙といっても、日本全国で最も多くの有権者を抱える東京における大型選挙です。選挙結果は、直近の政治情勢を反映するので、日本中から注目されます。そのため、各政党とも国の選挙並みに力を入れているのです。

地方公共団体である地方議会には、地域の規模に合わせた議員がいます。東京都の議員定数は127なので、議員になれるのも127人です。東京都以外の議員は数人から数十人なので、都議会議員は人数が多い印象を受けるかもしれませんね。でも、東京都民が約1400万人だとして、議員1人あたりの担当する都民は100人以上になります。学校で先生が対応するクラスの生徒の約3倍ですね。こう考えると、都議会議員数は特別多くないという見方もできます。

都議会の議席は、東京都を42のエリアに分けて、それぞれのエリアごとに決まった議席があります。議席が最大のエリアは大田区と世田谷区で、8議席ありますが、千代田区のように1議席しかないエリアもあり、各エリアの議席数はまちまちです。
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東京都議選、議席数一覧。(東京都議選の選挙区と定数)

 

2021年都議選、多くのメディアや識者の予想とは異なる結果に

2021年都議選は、優勢と伝えられていた自民党は失速しました。逆に、苦戦するとされた公明党は全員当選。都民ファーストの会は最低ラインをなんとか守り、堅実な成果を残したのが共産党と立憲民主党でした。

自民党は選挙前の25議席を上回る33議席を獲得して第一党に返り咲いたものの、公明党の23議席と合わせても全127議席の過半数には届きませんでした。この自民党の33という議席数は、麻生太郎首相の下で行われ、直後の衆議院議員選挙で政権を失った2009年の都議選の38議席よりも少ない数字です。2021年の自民党の議席数は共産党と立憲民主党を合わせた34議席にも届いていません。

議員が1議席しかない、いわゆる「一人区」7つのエリアのうち、2議席にとどまったことは、自民党の敗北と言っていいでしょう。新型コロナウイルスの感染者が増え続け、ワクチン確保もうまくいかず、遅れ続ける政府の対応に対する都民の批判が影響したと考えられます。

小池都知事が特別顧問を務める「都民ファーストの会」は31議席でした。過度の疲労を理由に入院していた小池都知事は、退院後の定例記者会見で「倒れても本望」という発言で自分自身や都民ファーストの会への同情票を集めたと見られています。都民ファーストの会は前回から議席を減らしたものの、第二党の位置につけました。

共産党は選挙前から1議席を増やして19議席を獲得。8議席だった立憲民主党は15議席と、大幅に議席を増やしました。これは、両党の連携がうまくいったためです。でも、今後控えている衆議院議員選挙では、立憲民主党は共産党の考えに拒否感が強く、共闘に前向きな共産党と警戒モードの立憲民主党と、両党にはすれ違いがあるようです。
 

都議選は後に控える衆議院選挙に影響

これまでの都議選では、その結果が直後の国政選挙に連動してきました。たとえば、1993年の都議選では巨額の脱税事件や党分裂ショックによって自民党は42議席から2議席増にとどまる一方で、日本新党は2議席から20議席へと大幅に議席数を増やしました。その後の衆議院議員選挙で日本新党は35議席を獲得して、非自民党の連立政権が誕生しました。2009年の都議選では、38議席と大敗した自民党は、54議席で第一党となった当時の民主党に衆議院議員選挙で政権交代しました。

現在の衆議院議員の任期は2021年10月21日までなので、それまでに衆議院議員選挙が行われます。その衆議院議員選挙は今まで以上に予想しづらいものになりそうです。衆議院議員選挙には都民ファーストの会が不在だからです。菅政権のコロナ対策に批判的な人は立憲民主党や共産党を支持するでしょうし、小池都知事が所属していた自民党に票が流れることも考えられます。ワクチンの接種が進んで感染拡大が収まっていけば自民党に有利ですし、その逆に、さらに拡大していけば不利になるでしょう。

今後ますます、各党の動向に注目が集まるでしょう。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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