いざというときに備えて貯金や保険も入る必要があると思います

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回のご相談者は、浪費癖からカードローンを借り入れてしまい、本格的に返済を始めたものの、今後が不安だという30歳の会社員女性です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

 
浪費癖から多額の借金を借り入れてしまいました

浪費癖から多額の借金を借り入れてしまいました(画像はイメージです)



■相談者
麻婆豆腐さん
女性/会社員/30歳
東京都/借家
 
■家族構成
シングル・ひとり暮らし
 
■相談内容(原文ママ)
昨年より本格的に返済を開始しましたが、現時点でカードローン180万円を借り入れしています。借り入れ用途はさまざまで、主に飲み会やショッピング、旅行などの無駄遣いの積み重ねが莫大な金額になってしまいました。昨年より生活を大きく見直し、月々10万円ほど返済しています。リボ払いから銀行カードローンへ借り換えも行いました。いざというときに備えて貯金や保険も入る必要があると思いますが、返済でなかなか難しい状態です。自業自得とはいえ、将来の結婚や子育て、老後のことが不安でたまりません。ボーナスと月々の返済で年内に完済を目指していますが、返済後また浪費家の生活に戻ってしまうことも不安です。浪費癖を直すコツがあれば教えてください。また返済後、現在と同じような生活を続けることができれば、将来へ向けた蓄えは十分に行えるでしょうか。
 
■家計収支データ
相談者「麻婆豆腐」さんの家計収支データ

相談者「麻婆豆腐」さんの家計収支データ



 
■家計収支データ補足
(1)カードローンについて
毎月10万円の返済のほか、ボーナスからは約10万円追加で返済予定(6・12月の2回)。返済以外には、別途ボーナスから10万円貯蓄予定です。カードローンは前職時代に借りたもので、1年半ほど前に転職してから、返済を進めています。
 
(2)投資について
すべて確定拠出金です。月2万8000円を給与から積み立てています(毎月の貯蓄額とは別)。カードローンの返済が完了したら、積立金額を増額予定です。少なくとも直近2、3年は結婚・出産の予定はありませんので、独身期間の理想的な確定拠出金額や、投資金額も教えていただければ幸いです。
 
(3)住居費について
毎月11万円の住居費は、管理費込みです。直近では住み替えの予定はありませんが、カードローン返済が完了し、敷金・礼金が貯蓄できた段階で郊外・地方への引っ越しも検討しています(在宅勤務のため)。
 
(4)趣味娯楽費について
友人との外食費がほとんどです。
 
(5)毎月の貯蓄について
毎月5万円の貯蓄は、給与天引きの財形貯蓄を利用し始めました。年末までの貯蓄分をカードローンの返済に回す予定です。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 ローン返済は来年完済。貯蓄は残しておくこと
アドバイス2 2年後から給与天引きの貯蓄で借金体質から貯蓄体質に
アドバイス3 4年後には800万円以上の貯蓄に。浪費家からの脱出を
 

アドバイス1 ローン返済は来年完済。貯蓄は残しておくこと

リボ払いを重ねていくと、返済がいつ終わるかの見通しが立ちにくく、気づいたら多額の借金を抱えていたというのは、典型的なパターンです。カードローンに借り換えて、返済計画を立てたのは、本当によかったです。ここからしっかりとお金の管理をしていきましょう。
 
まず、返済については今年中の完済ではなく、来年完済できればいいでしょう。毎月11万円とボーナスから年間20万円の返済で、15カ月です。財形貯蓄を取り崩して返済に充てるとのことですが、貯蓄がないと、再びカード払いをしたり、ローンを組んだりしてしまいます。返済と並行して、しっかり貯蓄していくことが借金完済のためには重要なことです。返済中は現状維持で、毎月の貯蓄5万円、確定拠出年金2万8000円を継続してください。
 
返済終了時には、財形貯蓄で90万円、現在の貯蓄額10万円を加味して、100万円は貯蓄できているはずです。これが最初のステップとなります。
 

アドバイス2 2年後から給与天引きの貯蓄で借金体質から貯蓄体質に

返済が終了したら気を抜くことなく、返済分はしっかりと貯蓄していくことです。現在の返済額11万円のうち10万円は貯蓄、1万円は楽しみのために使ってもいいでしょう。ボーナスからは半分の25万円。年間で205万円です。これを4年継続すれば820万円。最初の100万円を使っていなければ、920万円です。1000万円まであと少し。ここまで頑張れたら、もう借金体質には戻らないでしょう。
 
貯蓄で大事なのは、残ったら貯蓄ではなく、給与天引きで貯蓄を先取りすることです。現在も財形貯蓄を利用していますから、増額する分もすべて給与天引きの財形貯蓄にしてください。
 
確定拠出年金の金額は、当面現状のままでいいでしょう。今後結婚して、出産の可能性もありますから、原則60歳まで引き出せない確定拠出年金に重きを置かない方がベターです。もしも食費や趣味娯楽費を削減できたなら、その分を上乗せしてもいいでしょう。ただし、過剰な節約はストレスになり、また借金をしてしまうかもしれませんので、無理は絶対禁物です。
 
また、現在は無保険状態です。最低限の医療保険には加入してください。貯蓄がない間こそ、保険は重要です。月2000円程度で加入できますから、家計を少しやりくりすれば捻出できる金額です。
 

アドバイス3 4年後には800万円以上の貯蓄に。浪費家からの脱出を

4年後、ご相談者は35歳。この時点で少なくとも800万円以上は残せているでしょう。奨学金の返済も終わっていれば、貯蓄に上乗せできているかもしれませんし、4年間で大きな出費がなければ、1000万円近い貯蓄ができています。
 
浪費家から脱出し、無駄遣いはしなくなっているはずですし、そうでなければなりません。現時点で返済の意思がしっかり固まっていれば、大丈夫です。もともと年間200万円も貯蓄できるだけの収入があるのですから。
 
同年代と比べると、ご相談者の収入は多い方だと思います。その分、気が大きくなりがちです。基本的なことですが、先に貯蓄をして残ったお金で生活をする、それぞれ予算を決め、その範囲内に収まるようにする、大きな出費は目標を決めて、貯まったら買う、旅行をする、ということです。
 
貯蓄に慣れてきたら、絶対引き出さない貯蓄と、決めた目的のために使う貯蓄と分けるのもいいでしょう。絶対引き出さない貯蓄は財形、使う貯蓄は、給与振込口座から自動振替の積立定期預金などを利用するといいでしょう。
 
最後に、カードローンの返済が終了したら、カードは必ず解約して破棄してください。クレジットカードを複数所有しているなら、1枚、多くても2枚にし、できる限り使わないことです。貯蓄体質に必ず変われますから、それまでは気を引き締めて生活をしましょう。長い人生のうちで、今が一番お金を貯められる時期であることを忘れないでいてください。

相談者「麻婆豆腐」さんから寄せられた感想

まずは返済を優先すべきと考えていましたが、浪費体質から脱却するためにも貯蓄と返済を並行すべきという点にハッとしました。4~5年後の貯蓄体質の自分を想像し、アドバイスを肝に銘じて生活していきます。

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教えてくれたのは…… 
深野 康彦さん  
  

 

 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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