年金・老後のお金クリニック/老齢基礎年金(国民年金)についてのQA

アルバイト年収が激減し100万円以下に。国民年金は免除してもらえますか?

難しい年金制度について専門家が回答するコーナー。今回は、コロナ禍により、アルバイト収入が減ってしまい、国民年金保険料が払えなくなってしまったフリーターの方からの相談です。

執筆者:All About 編集部

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難しい年金制度について専門家が回答するコーナー。今回は、コロナ禍により、年収が減ってしまい、国民年金保険料が払えなくなってしまったアルバイトで働く方からの相談です。
 

Q:アルバイトの年収が100万円以下に。年金は免除されますか?

「アルバイトとして働いていましたが、コロナで収入が激減してしまい、月収は7万~8万円ほどです。このままの収入が続けば今年1年間の収入は100万円以下になってしまうと思います。貯金で食いつないでいますが毎月の国民年金の支払いが厳しくとりあえず免除してもらいたいのですが免除されますか? 手続きとかどうしたらいいですか?」(34歳・アルバイト・一人暮らし)
年金を免除される条件とは?

年金を免除される条件とは?

 

A:免除してもらえる可能性があります

収入が激減し納付が困難になったら放置しないことが大切です。そのまま放置すると未納となり、年金をもらうための受給資格期間とならず、将来もらえる年金額も減少します。納付が困難な場合は、免除・猶予制度を利用することで、年金をもらうための受給資格期間を確保でき、万が一のときには障害基礎年金をもらうことができます。免除には、全額免除、一部免除(4分の3免除・半額免除・4分の1免除)とあります。申請時点から、過去2年1カ月まで遡って申請することができます。

免除を受けるには、本人・世帯主・配偶者各々の前年所得(1月~6月に申請する場合は前々年所得)で審査を行いますが、特例として令和2年2月以降に新型コロナの影響で当年の所得水準が減少する見込みの場合も該当となります。令和3年7月以降の審査基準は次のとおりです。

【1】全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
【2】4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
【3】半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
【4】4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

扶養親族等控除額、社会保険料控除額等は、源泉徴収票などで確認できます。遡って申請する場合は上記と異なりますので注意してください。

免除を受けるためには、市区町村の年金担当窓口や年金事務所へ「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を提出(郵送)する必要があります。新型コロナの影響で免除申請する場合には、もう一つ『所得の申立書』も提出します。

また免除が承認されると、将来もらえる年金が減額されます。ただし、免除から10年以内であれば、免除された期間の保険料を後から納めること(追納)ができます。追納すれば、全額納付したのと同じになり、年金額は減額になりません。余裕ができたら追納も検討してみてください。

※年金プチ相談コーナーに取り上げて欲しい質問がある人はコメント欄に書き込みをお願いします。

監修・文/深川弘恵(ファイナンシャルプランナー)

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