夫婦の「ボタンの掛け違い」を防ぐには? NGフレーズを振り返ろう
夫が気を利かせて言ってるつもりなのはわかるけど、言葉の端々に妻への無理解を感じてしまう
パートナーの言葉に傷つくと、思い返すたびに悲しい気持ちになるものです。ところが、その言葉をかけた側には傷つけるつもりなどもなく、「気を利かせているつもり」であることが多いもの。
「ボタンの掛け違い」を防ぐためにも、夫婦は互いを傷つける可能性のある言葉を理解しておく必要がありそうです。
そこで今回は、私がカウンセリングの中でよく伺う夫婦関係の悩みのなかから、夫から言われて傷ついたという言葉を3つお伝えしたいと思います。
妻を気遣ったつもりが大失敗! 夫のかけがちNGフレーズ3選
1. 「昼は簡単なものでいいよ。チャーハンとかおにぎりとか」忙しい主婦にとって、休日の昼食の準備はとても煩わしいもの。そんなときに夫が「昼は簡単なものでいいよ」と言ってくれると助かりますが、「チャーハンやおにぎり」といった一言がつくだけで「料理の大変さを何もわかってない」と感じてしまいます。
チャーハンは具材が多く、細かく刻む手間もあり、意外に時間がかかります。おにぎりも具材を複数用意し、人数分握るのは大変です。しかも、単品ではすまず、スープやおかずもあった方がいいだろう、ということになってしまいます。
どんなメニューでも、一から家族の食事を用意するのは大変なのです。その理解が足りない言葉をかけられると、妻はがっかりしてしまいます。
2. 「子どもは自分の力で育つんだから、そんなに頑張らなくていいんじゃない」
「子どもは自分の力で育つ」は、よく知られる育児の一般論。でも、実際の子育ては聞き分けのない子に言い聞かせたり、ぐずる子をなだめたりの連続です。
つまり、親の陰の苦心があってこそ、「子どもは自分の力で育つ」のです。そこに対して何の言及もなく、一般論をもとにして「そんなに頑張らなくていい」と言われたら、妻は「子育てのこと、何もわかってない」と落胆してしまうでしょう。
3. 「もっと動いたほうがいいよ」「休んでいると余計に疲れるよ」
「いつも笑顔ではつらつとしていてほしい」「疲れた顔を見たくない」、パートナーにそんな願いを抱く人は多いことでしょう。
妻は、外ではつらくても笑顔を見せて頑張っているのかもしれません。その分、家では緊張をほどいてソファでごろり。そんなひとときに、癒しを求めたくなることもあるでしょう。
一晩寝ても、取れない疲れもあるものです。男性とは異なる、女性ならではの体調の影響もあるかもしれません。そうした状況を想像せず、男性の価値観で活発に動くことを勧めたり、こまめな休息を否定したりすると、妻は「私の体を労わってくれないんだな」とがっかりしてしまうでしょう。
正解の言い方は? 少し変えるだけで差がつく「思いやりの言葉」
このように、夫が気を利かせているつもりでかけた言葉で、妻の心に後味の悪い気持ちが広がってしまうことがあります。夫婦は互いを思いやり、それを誤解なく伝えることが、何よりも大切。気遣いの気持ちが伝わらない上記のような言葉が出かかったときには、次のように言いかえてみてはいかがでしょう?1. 「お昼を準備するのは大変だよね。手伝うよ」
休日の昼は、妻も少しは休みたいのです。料理を妻任せにするのではなく、何か手伝えることはないか、考えてみましょう。たとえば、「弁当を買ってこようか?」「たまには外に食べに行こうか」。家事の負担を軽くする提案してもらえると、妻は大助かりです。
2. 「子育ては大変だよね。ママの体が大切だから、一人で頑張らないでね」
妻に子育てを頑張りすぎないでほしいと思うなら、子育ての負担を分かち合いたいという意思を伝えることです。そもそも、夫に頼っていられないと感じるから、妻は一人で頑張ろうとしているのではないでしょうか。夫の方から手を差し伸べてくれたら、妻の気持ちは楽になります。
3. 「疲れてるみたいだね。体の求めに従って、ゆっくり休むといいよ」
妻だって、本当は家の中ではつらつとしていたい……。でも疲れているから、ソファでごろ寝をしてしまうのではないでしょうか。
そうした妻の体調を思いやり、まずはゆっくり疲れを癒してもらってはいかがでしょう。疲れが癒えれば、気力も湧いてきます。そのときに、元気になれることを勧めてみるといいでしょう。
気持ちに寄り添う言葉をかけると、夫婦の絆は強くなる
夫婦は相手の立場を考えずに、思ったことをそのまましないようにすることが大切。自分の価値観を押し付けたり、一般論をそのまま伝えたりしないように気をつけたいものです。思いやりの欠けた言葉は相手を傷つけ、夫婦関係にひびを入れる元凶になります。逆に、相手の気持ちに寄り添う言葉をかけると、夫婦の絆は年月と共に強くなります。
ぜひ、日頃かけている言葉を振り返り、思いやりの言葉でパートナーに接していきませんか?