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NTTドコモの「home 5G」はどんな人におすすめ? メリット・デメリットを解説!

NTTドコモが新たに提供する「home 5G」は、4G・5Gのネットワークを固定ブロードバンド回線代わりに利用できるサービスです。そのメリットとデメリットを確認しつつ、どのような人に向いたサービスなのかを解説しましょう。

佐野 正弘

執筆者:佐野 正弘

携帯電話・スマートフォンガイド

「home 5G」はどのようなサービスか

NTTドコモは2021年5月19日に新サービス・新商品発表会を実施しましたが、その中で発表された新サービスの1つに、2021年8月下旬に開始予定の「home 5G」があります。

これはNTTドコモのモバイル回線を、光やケーブルテレビなど固定ブロードバンド回線代わりに利用して、パソコンやテレビなどをインターネットに接続するというもの。KDDI系列のUQコミュニケーションズが提供する「UQ WiMAX」や、ソフトバンクが提供する「SoftBank Air」と同じようなサービスと考えれば分かりやすいでしょう。
home 5G

「home 5G」はNTTドコモのモバイル回線を固定ブロードバンド代わりに利用するサービス。専用のホームルーターを設置するだけの手軽さが特徴だ

home 5Gを利用するには専用のホームWi-Fiルーター「HR01」と、専用の料金プラン「home 5Gプラン」を契約する必要がありますが、NTTドコモのスマートフォン利用者以外でも契約は可能です。なおhome 5Gプランは月額4950円ですが、データ通信は基本的に使い放題であることから、ギガを気にせず利用できるのも大きなポイントといえるでしょう。
 

home 5Gのメリットとは

では、home 5Gは固定ブロード回線や他社の同種サービスと比べた場合、どのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。まずはメリットを確認していきましょう。

【メリット1】工事不要ですぐ導入できる
hone 5Gはモバイル回線を用いるため、有線を用いる固定ブロードバンド回線のように、宅内に回線を引き込むなどの工事が必要ありません。契約後自宅にホームルーターを設置し、電源を入れるだけですぐ利用できる手軽さが最大のメリットといえるでしょう。
home 5G

home 5Gは契約後、専用のホームルーターを自宅に設置し、電源を入れるだけと非常に手軽に利用できる

それゆえ勝手に固定ブロードバンド回線を引くことができない、あるいは配線がVDSL方式のため光回線を引いてもスピードが出ないなど、固定ブロードバンド回線を引く上で制約が多い集合住宅に住んでいる人にはメリットが大きいサービスといえます。

【メリット2】4Gだけでなく5Gも使い放題
工事不要であることは他社サービスも同様ですが、home 5Gならではの特徴として挙げられるのが、4Gだけでなく5G回線を使用した場合でも、データ通信が使い放題だということです。

SoftBank Airは4G回線のみを用いたサービスですし、UQ WiMAXは2021年4月に開始した「ギガ放題プラス」で5Gも利用できるようになりましたが、データ通信が使い放題の「スタンダードモード」で利用できる5Gエリアは一部に限られています。それゆえ現在のところ、全ての5Gエリアでデータ通信が使い放題になる据え置き型のサービスはhome 5Gだけで、自宅がNTTドコモの5Gエリア内という人はそのメリットを存分に受けられるのではないでしょうか。

【メリット3】NTTドコモ契約者なら割引が適用
NTTドコモは携帯電話と固定ブロードバンド回線をセットで契約すると適用される「ドコモ光セット割」を提供していますが、home 5Gにも同様に「home 5G セット割」が用意されています。

同一の「ファミリー割引」グループ内にhome 5Gの契約者がいる場合、グループ内の「5Gギガホ プレミア」「ギガライト」などの料金プラン利用者にこの割引が適用され、月額1100円の値引きが受けられます。割引の存在を考えればNTTドコモの契約者が利用した方がよりお得なのは確かでしょう。
home 5G

home 5Gにも「ドコモ光セット割」と同様の「home 5G セット割」が用意され、NTTドコモのスマートフォンとのセット契約で月額1100円の割引が受けられる

 

home 5Gのデメリットとは

これだけメリットのあるhome 5Gですが、もちろんいくつかのデメリットもあり、それらを理解した上で利用する必要があります。

【デメリット1】固定回線と比べ通信速度が安定しにくい
home 5Gは他のユーザーと公共の電波を共有する無線通信を用いていることもあり、各家庭に1本1本ケーブルが敷設されている固定ブロードバンド回線と比べると、周辺の環境に通信速度が左右され不安定になりやすいという弱点があります。

またhome 5Gを設置する場所によっては、電波が弱く通信速度が大幅に落ちてしまう可能性もあります。快適な通信環境を実現したいなら、可能な限りNTTドコモの電波がよく入る場所に設置するようにしましょう。

【デメリット2】通信量が多いと制約を受ける可能性がある
同じく無線通信を用いることに起因するデメリットが、共有している無線通信を占有しないよう、大量に通信をし続けるユーザーに一定の制約がかかる場合があることです。具体的には、「当日を含む直近3日間のデータ通信量が特に多い人は通信速度が遅くなる場合がある」「一定時間内または1接続で大量のデータ通信が長時間続いた場合、通信を中断することがある」といった制約が設けられています。

これはNTTドコモのスマートフォン向け使い放題サービスの「5Gギガホ プレミア」と同様の制約とのことなので、動画視聴やビデオ電話などの利用で大きな影響は出ないかと思われます。ただテレワークなどで、クラウドを使ってギガ単位のデータを頻繁にやり取りする必要がある、といった場合は注意が必要かもしれません。

【デメリット3】5Gの実力をフルに生かせない
home 5Gは確かに5Gでの通信も使い放題ですが、現時点では5Gのエリア自体が狭いことから、大半の場所では4Gに接続して利用する形になるかと思われます。HR01の4Gでの通信速度は受信時最大1.7Gbps、送信時最大131.3Mbpsとされていますが、これはあくまで理論値ですので、実際は受信時で数十~数百Mbps程度となることが予想されます。

またHR01の5G通信速度も、理論値では受信時最大4.2Gbps、送信時最大218Mbpsとなっていますが、実際にそこまでの速度が出ることはほぼありません。仮にそれだけの速度が出たとしても、HR01のWi-Fiの通信速度は受信時最大1.2Gbpsまでなので、5Gの性能をフルに生かせない点に注意する必要があります。
home 5G

HR1の通信速度は5Gで受信時最大4.2Gbpsだが、LAN側の性能がそれより低いので5Gを有効活用できないのはデメリットだ

 

home 5Gの利用が適している人は?

これらのメリット、デメリットを考慮すると、home 5Gが適しているのは

・スマートフォン以外の多くの機器でインターネットを使いたい
・NTTドコモのスマートフォンを使っている

・アパートやマンションに住んでおり、固定ブロードバンド回線を引きづらい
・通信性能の高さよりも導入に手間がかからないことを重視している


といった人となり、自宅がNTTドコモの5Gエリアであるという人ならより最適といえるでしょう。

実はこうした据え置き型のモバイル通信サービスは、以前より1人暮らしを始めた若い世代に人気が高いといわれています。それゆえhome 5Gは、セット割が直接適用される訳ではないものの、ahamoの利用者がオンライン授業やテレワークでパソコンを使うようになった時などに適しているともいえそうです。


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