コロナ禍で増加するペットの飼育
コロナ禍でペットを飼育しはじめた人が増加した一方で、思い描いていた生活とのギャップにペットを手放すことを考える人が増えたとの報道も……。今回オールアバウトではペットを飼育している人にアンケートを実施。「手放したい」と思った人の率直な気持ちを紹介します。また、犬を迎えたあと後悔しないため、「飼育をはじめる前に知っておくべき心構え」も併せてお伝えします。※全国各地431名を対象にアンケートを実施。
※男女比:男性 118名/女性 308名/回答しない 5名
※年齢比:10代 8名/20代 100名/30代 160名/40代 100名/50代 49名/60代 8名/70代 1名/その他 5名
意外に多い? 飼育1年未満で手放したいと思った人の割合
全体の5.8%が「手放したい」と回答
犬を迎えた人の6%が「手放したい」と思うほどの悩みを抱えていたことがアンケートにより明らかになりました。子犬は愛らしいもの、でも、それ以上に手放したいと思うほどの悩みとは何か? 飼い主さんが抱いた率直な気持ちを教えて頂きました。
Aさん
家のあちらこちらでオシッコをするし、テーブルや椅子の脚をかじってボロボロにする。トイレで糞を食べているのを発見した時もショックでしたね。妻は半狂乱になって「返してくる」と暴れていました。
Bさん
イタズラがひどい。
Cさん
噛み付いてくる。
犬を手放したい!と思った人たちのその後···
上記でご紹介した3名の飼い主さんたちは、手放したいと思いながらも愛犬たちと必死に向き合っていたことをアンケートに綴ってくださいました。
Aさん
インターネットを隈なく調べて、いろいろな方法を片っ端から試しました。
Bさん
悪気はないにしても家族にも噛みつくので、口を掴んで「痛いんだよ」と大きめの声で何度も言い聞かせました。
Cさん
犬のしつけ教室の方に来てもらいました。
結果、3名の方は愛犬を手放すことなく10年以上を共に暮らされているそうです。
犬を迎える前に知っておくべき心構えとは
犬と暮らす日常は、楽しいことばかりではありません。「手放したい」と思うほどに悩むこともあるかもしれません。しかし、実際に手放すと、後々、想像を絶するほどの後悔と罪悪感に苛まれる可能性は非常に高いです。
わたしは、ペットロスを専門にしたカウンセラーをしていますが、ご相談の大半は「ペットへの後悔」です。共に生きた後の後悔であれば、時間と共に心は癒えます。しかし、途中でペットを手放した後悔は非常に大きな傷となって心に残ります。ペットと豊かな時間を過ごせるように、「犬の飼育をはじめる前に知っておくべき心構え」を4つお伝えします。
心構え1:犬との暮らしは楽しいだけではない
犬は場所を構わず粗相をするかもしれない。目の前で食糞をするかもしれない。無駄吠えや噛み癖に悩むかもしれない。それでも根気よく向き合う覚悟が必要。
心構え2:自由な時間が少なくなる
自分のことだけを優先できなくなる。好きなときに好きなだけ時間を使うことができなくなることへの覚悟が必要。
心構え3:お金がかかる
犬が旅立つまでの歳月、食費、医療費はかかり続ける。一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬たちの生涯必要経費は以下の通りといわれています。
・超小型犬 2,169,244円
・小型犬 2,003,245円
・中型犬/大型犬 2,317,319円
心構え4:別れる日は必ず訪れる
命が終わる最後の日まで愛情を持って共に生きる覚悟が必要。一般社団法人ペットフード協会の調査によると、犬たちの平均寿命は以下の通りといわれています。
・超小型犬 15.19歳
・小型犬 13.97歳
・中型犬/大型犬 13.60歳
「わたしも学んでいる」との姿勢が大事
犬と共に生きるとは、大変なこともありますが、その何倍も何十倍も豊かな時間を体験できるものです。どんな苦労も吹き飛ばしてくれるほどの安らぎを犬たちは与えてくれます。
愛犬のしつけに苦労したとき、私たち人間も彼らのしつけを通して学びを得ているとの視点を持てたら良いですね。愛犬を通して「わたしも学んでいる」と思えると、目の前の苦労も受け止め方が変わってくるかもしれません。
世の中に数え切れないほどの人と動物がいる中で、家族と呼べる犬たちと出会えたことは素晴らしい奇跡です。目の前の子との出会いを大切にしていきたいですね。