親の大反対を振り切れず、結婚を決めかねている私

親の大反対

親が結婚に反対するには、それなりに理由がある。また、娘が結婚したいと思うことにも理由がある。親の大反対にあったとき、どうやって説得すればいいのか、あるいは反対を振り切って結婚してしまっていいものなのか。今、悩んでいるところだというふたりの女性に話を聞いた。

 

親の言うことにも一理あるけれど

ミエさん(30歳)は、3年前から2歳年上の彼とつきあっている。コロナ禍で思うように会えないこともあり、一緒に住みたいという話はしていた。そして今年に入ってすぐ、彼からプロポーズされた。

「シンプルにうれしかった。私も彼と家庭をもちたいと思っていたから。ただ、同時にうちの親は反対するだろうなと感じました。彼、高校を出て就職してから何度も仕事を変わっているんですよ。飽きっぽいのもあるけど、人間関係がうまくいかないことも多々あったようで。実際、私自身もそこは不安がありました。だけど完璧な人なんていないですからね」

彼のことを親に話すと、両親は「高卒であること、転職が多いこと」にやはりこだわっていた。

「両親は学歴の申し子みたいな人たちだから、そこは私としても反論の余地があるんです。転職が多いのはなぜかと聞かれて、不器用だからと答えました。両親は、『男のくせにひとつの会社で辛抱できないのか』って。私は転職が多いのは気にはならなかったけど、確かに不器用すぎるところがちょっとひっかかってはいました」

彼の場合、「自分をつかいこなせない会社が悪い」というような上から目線はいっさいなく、むしろ「うまく立ち回れない自分が悪い」と自分を罰してしまう傾向がある。どちらかというと自分の殻にこもりやすい彼を自分がもり立てていけるのか、ミエさんはそれが不安だったようだ。

「彼に来てもらって親とは会わせたんですが、やはり親はいい顔をしませんでした。彼が帰ったあとに、『お見合いならいくらでもあるわよ』と母が言う。父も『うちの部署にも、明るくて若いヤツはたくさんいる。会ってみるか』って。彼、親からはまったく評価されていない。なんだかそれがかわいそうになって、やはり彼と一緒になろうと決めたんです。でも翌日には、親じゃなくても上の世代にはかわいがられないタイプなのかなとか、この先も転職を繰り返して結局は無職になられたら困るなとか、ずっと迷っています」

彼の結婚の意志は変わっていない。ただ、時間がたてばたつほど、彼女の悩みは深くなり、ますます決断できなくなっている。

 

相手の家柄に遠慮する両親

「釣り合わぬは不縁の基」ということわざがある。身分や家柄、財産、環境などが違い過ぎると、たとえ一緒になってもうまくやっていけないと昔からいわれているのだ。

「お互いの意志だけで結婚できる今の時代でも、うちの両親はそういうことを言うんです」

呆れたように言うのは、ユリコさん(32歳)だ。2年つきあって、お互いに結婚したいと確認しあった同い年の彼がいる。たまたま彼は「地方の名士」の家柄で、その地域では知らない人はいない存在。なにやら立派な武家の出らしいのだが、ユリコさんは証拠は見せてもらっていない。親戚は医師や大学教授なども多い。父親は会社を経営しており、彼の兄は大学の准教授、ひとつ下の弟は研究者だという。

「彼だけがごく普通の会社員なんですよ。でも都内にすでにマンションをもっているし、やはり親の恩恵はたくさん得ている。うちの両親は、そういう家だとおつきあいにお金がかかると腰が引けているんです。確かに彼の実家はやることなすこと派手なところはありますが、私たちは結婚式さえ挙げなくてもいいと思っているし、親に迷惑はかけないからと説得はしたんです」

それでも両親は、もっと普通の家柄の子と結婚してほしいと言うのだそう。

「万が一、長男に何かあったら彼が実家を継ぐことになるのではないかと心配もしていて……。親が私のことを心配しているのがわかるだけに、振り切ってしまうこともできず、本当に困っています」

もちろん、彼女自身にも不安があるのだ。それは彼がときとして放つ、「お金持ちならではの発言」だという。

「学生時代の話をしているとき、『夏休みに海外に行ったでしょ』と行くのが当たり前のように言われたことがあって、少し違和感がありましたね。あとは親と旅行に行くと言うと、『だったらファーストクラス? ビジネス?』と聞かれて。近場の温泉で一泊だったんですけどね。彼の常識と私の常識が違うとはわかっています」

そんなことも思い返すと、結婚に不安がわいてきているとユリコさんは眉間にしわを寄せた。

「彼と結婚したいと思ってはいるけど、私自身、結婚に何を求めているのかがわからなくなってきています。まずはそこから考えないといけないのかなとも思って。でもこの機会を逃したくないとも思う」

ユリコさんもまた、混沌とした思いの中で迷っている。
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