春は別れと出会いの季節。記憶をたどれば、幼少の頃の入園式や卒園式から始まって、中学、高校、大学、そして新卒の入社式まで、私たちは別れと出会いを祝う行事を数多く経験してきた。新しいクラスになじめない、仲のいい友達が転校してしまったなど、環境の変化に戸惑い、悩みが増える時期でもある。

社会人はどうか。春は人事異動の季節である。新入社員の入社や社員の人事異動、それに伴う引き継ぎや挨拶が増える季節だ。組織体制の変更や新規事業の立ち上げ、業績のいい成長部門への増員なども、この時期に集中する。

業務担当の変更や昇進により、新しい仕事や責任のある仕事を任されることもあり、不安と期待が入り混じって緊張感が高まる時期である。1~3月は年度末に向けた繁忙期であるため、それを終えた疲労感と安心感もある。

このように、春は組織と個人の双方にとってさまざまな変化が起きる季節である。新たなチャンスがたくさん生まれるため、1年を通してみた時、春に転職する人は多い。秋も転職する人が増える季節であるが、変化の規模は秋よりも春の方が大きいため、「春転職」を実現する人が多いのである。
 

春転職は転職エージェントを使った方が有利

転職者が多い春、転職エージェントは使うべき?

転職者が多い春、転職エージェントは使うべき?

転職活動で転職エージェントを使ったことがある人とない人がいるだろう。最初に転職エージェントを使わない転職活動について簡単に整理しておく。

多くの企業には、採用ホームページが用意されており、新卒採用と中途採用、それぞれの独立したホームページを作っている会社もある。採用予定のすべての求人案件がホームページに掲載されているわけではないが、採用ホームページの内容を充実させて、頻度高く更新し、多くの情報提供をしている採用ホームページを持つ場合、その企業は転職エージェントを使わない採用に注力しようとしていることが分かる。

企業の立場からすれば、転職エージェントを利用した採用は最もコストのかかる採用であるため、もし採用ホームページで採用が実現するならば、それがもっともコスト安である。しかし、多くの場合、企業は採用ホームページからの応募者だけで、必要な人員をすべて採用できることは稀であり、転職エージェントのサービスを併用することが多い。

特に、求職者に高い専門性や豊富な実績を求める場合、そうしたピンポイントの人材は、必ずしも定期的に応募してこないため、転職エージェントにピンポイントで採用支援の依頼を出している。

また、いろいろな社内事情で、採用情報を一般公開したくない場合も多く、その場合は採用ホームページに掲載せず、転職エージェントに依頼することがある。新年度を迎えるタイミングには、新規事業の立ち上げをはじめ、採用情報を一般公開したくない事情のある求人が増えるため、特に転職エージェントを使った採用が増える。求職者の立場に立てば、春転職こそ転職エージェントを利用したほうがチャンスは広がるのである。

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