生活家電の配色トレンドは白基調からカラー、そして黒やシルバーへ
かつて生活家電は白物家電、オーディオビジュアル家電は黒物家電と呼んでいる時代がありました。当時は生活家電がほとんど白基調なアイテムばかりで、それがいわゆる白物家電と呼ばれるゆえんでした。ですが、2010年くらいから、生活家電にさまざまなアクセント的なカラーが採用されるなど百花繚乱なカラー時代に突入。特に調理家電は赤などをキーカラーにするなど、サイズも小さいことから強めの色を採用する動きが目立つようになります。また、数多くのメーカーが暖色系カラーなどをこぞって採用し始めました。
ただ、時代や流行りはどんどん移りゆくもの。2021年現在、黒やシルバーを組み合わせたキッチン家電が好まれ、多くの家電メーカーのキーカラーとして採用されるようになります。
黒やシルバーの配色がもたらす効果とは
筆者オフィスに並ぶ家電。セレクト基準は本文後半にて紹介
黒は光を反射することなく、すべての色を吸収遮断します。さらに周囲に存在する色を引き締めて、強く目立たせます。組み合わせた場合、シルバーというカラーが有するイメージ、つまり精緻性の高さなどを強める効果があります。
プロユースの調理器具や飲食店のキッチンなどはステンレスがむき出しだったり、シルバー基調であることがほとんどですが、その辺りのイメージを自然と想起させるのです。
とはいえ、黒もシルバーも共通している特徴が、素材感や表面処理加工が非常に強く表れるカラーであり、例えばステンレスなどの金属とプラスチックでは、同じカラーの組み合わせだったとしても、かなり印象が変わってきます。素材の組み合わせなどのバランスによっては、チープな印象になっているものも存在してしまっているので、家電を選ぶ際にはその点も留意したいところです。
欧州の街並みをイメージさせる配置
筆者の使用するオフィスは、インテリアスタイリスト窪川勝哉氏がリノベーションした空間であり、ウッドのカウンターやレトロなキッチンデザインに調和させるように、現在キッチンは黒やシルバーの調理家電のみでコーディネートするというルールを課しています。この家電コーディネートは窪川氏のアドバイスに基づいて、筆者がセレクトしたもの。なぜこのようなルールを課しているのか? それはキッチンをひたすらセンスよく保ちたいため。窪川氏は言います。
「調理家電は、欧州の街並みをイメージするように並べたりセレクトすることをおすすめします。理由はキッチンという場所は、家の中でも最も数多くの家電が並ぶ場所だから。カウンターなどに林立する家電を建造物に例えると、同じような高さ、同じような色で統一した方が、当然美しい景観と調和をキッチンに生み出します。全く異なるカラーの家電などが混じると一気に景観は崩れ、ノイズになりかねません。デザイン主張の強すぎる家電なども同じです」
東京の街並みは建物に統一感がなく、多くの街はそれぞれの建物が好き勝手にデザインされ、結果、カオスな街並みとなっています。対して、パリの街並みはどうでしょうか? 石造りの建物は高さなども統一され、19世紀以来、美しい景観が保たれています。
パリの街並み
キッチンに並べたい最新おすすめ家電6選
というわけで、ここではそんなパリの街並みをイメージして、今、キッチンに並べたい黒またはシルバーを採用したおすすめの家電を、いくつかピックアップしてみました。今後の家電選びの参考にしてください。(1)パナソニック オーブントースター ビストロ NT-D700 (2)バーミキュラ ライスポット (3)Russell Hobbs T Kettle(ラッセルホブス Tケトル) (4)バルミューダ ザ・レンジ (5)デロンギ コンパクト全自動コーヒーメーカー[ECAM45760B]
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