はじめに

家庭での家計管理を考える上で、収入源の数は大きなポイントです。共働き家計は片働き家計より安定感がとても大きいもの。また、共働き、片働き世帯の割合は地域によって異なります。そこで、夫婦の働き方の傾向と家計状況を都市別にみることによって、これらの関係性を調べてみました。
 

(1)今回使用するデータの紹介

今回使用するのは、2021年2月5日に公開された総務省が調査している家計調査家計収支編(2020年)の家計収支データ(都道府県庁所在市別勤労者世帯)です。この中から、都道府県庁所在市及び大都市(川崎市、相模原市、浜松市、堺市、北九州市)の合計52都市の収支データから、主婦の働き方と家計の関係をみてみましょう。

 

(2)専業主婦が最も多いのは京都市! 低いのは?

まずは、専業主婦率と1カ月あたりの黒字額の関係をみてみましょう(表1)。
 
専業主婦率と一か月あたりの黒字額

表1:専業主婦率と1カ月あたりの黒字額※「家計調査」(総務省)を元にオールアバウトで作成


ここでいう専業主婦率は100から「世帯主の配偶者のうち女の有業率」を引いて求めました。専業主婦率が一番高かったのは京都市で59.6%。続いて、北九州市58.6%、横浜市57.4%、仙台市57.2%、那覇市57.0%と続きます。
 
専業主婦率トップ5の1カ月あたりの黒字額をみてみると、京都市178,902円、北九州市135,986円、横浜市199,500円、仙台市120,880円、那覇市131,036円となっています。黒字額の全国ワースト3市は仙台市、那覇市、北九州市。黒字額ワースト3市は専業主婦率トップ5市に入っていました。専業主婦率が高いと家計の黒字額は低い傾向といえるでしょう。

ちなみに、1カ月あたりの黒字額の全国平均額は192,828円となっており、専業主婦率トップ5の5市のうち、横浜市のみが平均より高くなっています。
 
専業主婦率と世帯主の収入

表2:専業主婦率と世帯主の収入※「家計調査」(総務省)を元にオールアバウトで作成


上記表2をみていただくと分かる通り、この原因は収入の高さで、世帯主の収入が仙台市356,739円に対して横浜市494,211円。この差が黒字額の違いとなっています。
 
専業主婦率が低いのは金沢市31.9%、鳥取市33.4%、松江市34.8%。1カ月あたりの黒字額は金沢市227,524円、鳥取市174,857円、松江市224,389円。鳥取市は平均より低くなっていますが、この原因は世帯主の収入が平均より低いためのようです。他の都市の分布をみても、概ね専業主婦率が低いと家計の黒字額は高い傾向といえるでしょう。

 

(3)主婦の収入と黒字率の関係は?

次に注目したいのが、主婦が働いて得る収入と家計の黒字の関係です(表3)。
 
配偶者の収入と黒字率

表3:配偶者の収入と黒字率※「家計調査」(総務省)を元にオールアバウトで作成


主婦の収入(項目「配偶者の収入(うち女)」)と黒字率の関係。ここでいう黒字率は家計の黒字額を可処分所得(収入から税金などをひいた自由に使えるお金)で割ったものです。
 
表3からわかる通り、主婦(配偶者)の所得が高いと黒字率も高く、主婦の所得が低いと黒字率も低いという傾向になっています。特に、主婦の所得ワースト2の仙台市と北九州市は、黒字率もワースト2となっています。

ただ、続いて主婦の所得が低い京都市、和歌山市、神戸市、松山市などの黒字率は全国平均38.7%より高くなっています。例えば、京都市では、収入は他府県とあまり変わりませんが、消費支出が全国平均より4万4000円ほど低い(表4)ため黒字率がアップしています。
 
※「家計調査」(総務省)を元にオールアバウトで作成

表4:専業主婦率と消費支出※「家計調査」(総務省)を元にオールアバウトで作成


京都市が平均より特に低い支出は住居費、自動車関連費。京都市は持ち家率が高く住居費がおさえられているようです。
 
また、主婦の所得が断然トップで約15万円の松江市は、黒字率が少し低いようにみえます。これは世帯所得も高く、可処分所得も高くなるため、黒字率が低くなっています。実際の黒字額は、2位以下の主婦の所得が12万円前後の都市とほぼ変わらない額となっています。
 
 

(4)統計データから分かる共働きの強みと家計のアドバイス

■現在共働きで悩んでいる方へ
育児や家事で忙しく働くのが大変という主婦の方も多いでしょう。上の家計調査の結果から、専業主婦世帯よりは共働き世帯のほうが家計の黒字額が多い傾向がわかりました。ただ、専業主婦率が高い京都市でも1か月あたりの黒字額や黒字率は高水準でした。これは、持ち家で自動車代などの消費を抑えていた結果といえます。
 
また、主婦の収入が家計の黒字率と大きく関係することもわかっています。家計のことだけを考えれば、このまま共働きをするほうが家計は楽なのは言うまでもありませんが、事情によっては共働きが無理なこともあるでしょう。

そのような時は、自動車代など節約できる項目を探して、家計の見直しを図るとよいでしょう。片働きになる際には、家計が苦しくなった時は、いつでも働ける環境と心の準備をしておくと安心ですね。

 
■現在片働きで悩んでいる方へ
片働きは収入源が一つであることが、一番のネックだと思います。また、上の表3をみてもわかるように、主婦の所得が多いほど家計は安定しています。収入を増やしたい、安定した家計にしたいと思うなら、共働きにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
 
ただし、気を付けたいのが自動車代です。
 
専業主婦率と自動車等維持費

表5:専業主婦率と自動車等維持費※「家計調査」(総務省)を元にオールアバウトで作成


上記の表5は専業主婦率と自動車関連維持費の表ですが、専業主婦率が高いほど自動車代が低くなっています。地方性もあるでしょうが、働くために車が必要になる場合は、車の購入費はもちろん維持費と収入を見極めてスタートしてください。
 
 
■結婚手前の方へ
これから結婚という方は、共働きと片働きを悩んでいる人も多いでしょう。これまでに見たデータでも分かるように、地域によって主婦の働き方はかなり異なっています。自分たちが住むエリアはどのような傾向かをまずはチェックしてみてください。
 
そして、2人で家事を分担できるのなら、家計の安定のためにも共働きをおすすめします。表2をみてもわかるように、専業主婦率50%を切っている都市がほとんどです。想像以上に専業主婦は少ないと思いませんか? 働く意思と能力があれば、2人で共に家計を支えると安定した夫婦生活になるでしょう。
 
 

(5)まとめ

専業主婦割合や主婦の働き方には、地域によって差があると感じていました。この地域差と家計の状況の関係性があると調べてみると、かなりの相関関係がみえてきました。
 
専業主婦率が低く主婦がよく働き稼ぐ地域は、家計が安定している傾向がみられました。専業主婦率の全国平均も45.3%と、専業主婦世帯は半数を切っています。可能であれば夫婦共に働く家計を目指してみてはいかがでしょうか?

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