ソフトバンクは2021年3月17日より、オンライン専用ブランド「LINEMO」の提供を開始する
LINEMOのメリット(1) 充実でお得感の高い料金
LINEMOはNTTドコモの「ahamo(アハモ)」やKDDIの「povo(ポヴォ)」などと同様、契約やサポートをオンラインに絞った、お得感の高いプランとなります。その内容はライバル他社のプランとほぼ同様で、割引なしで月額2480円、かつ4G/5Gの高速データ通信量が20GB利用できるという、非常にお得感が高い内容となっています。LINEMOは契約やサポートをオンライン専用にすることで、月額2480円で20GBの通信量が利用できるお得さが大きなポイントとなる
LINEMOのメリット(2) LINEを使うと非常にお得にコミュニケーションできる
ですがそれらプランとの決定的な違いになるのが「LINE」の存在です。先にも触れた通り、LINEMOはLINEモバイルをソフトバンクが吸収し、そのノウハウを生かして提供されることから、メッセンジャーアプリ「LINE」との連携が大きなポイントとなっているのです。中でも大きな特徴となるのが、LINEモバイルと同様、LINE利用時の通信量がカウントされない「LINEギガノーカウント」であること。LINEのトークや無料通話、ビデオ通話などがその対象になることから、LINEで通話をしている人には非常にお得といえそうです。
LINEMOはLINEのトークに加え、大容量通信が必要な通話やビデオ通話などの通信量をカウントしないことから、LINEでのコミュニケーションが非常にお得に利用できる
2021年夏以降は、LINEのクリエイターズスタンプが追加料金なしで使い放題になるサービスも提供するとのこと
LINEでの通話利用を重視したプランとなるため、音声通話は従量制。通話定額を利用する際はオプションの契約が必要だ
LINEMOのメリット(3) 契約やサポートにLINEが使える
そしてもう1つは、契約やサポートにWebだけでなく、LINEのアプリを活用できること。当初はLINEから専用のWebを経由して手続きする形となるようですが、将来的には全ての契約や手続きをLINE上でできるようにしていく予定とのことです。オンラインのみのサービスにはサポートなどで不安を抱く人も多いかもしれませんが、日常的なコミュニケーションで慣れ親しんでいるLINEを使って対応できるというのは安心感が高いといえそうです。
契約やサポートにLINEが使えるのも大きなポイント。当初はWebサイト経由での対応となるが、今後LINEで全ての手続きができるようになるという
LINEMOのメリット(4) ネットワーク品質がソフトバンクと同じ
一方で、ソフトバンクが提供することのメリットはやはりネットワーク品質でしょう。LINEモバイルはMVNOであり、携帯大手からネットワークを借りてサービスを提供していたことから、混雑時に通信速度が大幅に落ちやすい傾向にありました。ですがLINEMOはソフトバンク自身が提供するサービスなので、同社の他ブランドと同じネットワーク品質で通信や通話が可能。混雑時に通信速度が低下しづらいというのは、非常に大きなメリットといえそうです。
LINEMOはソフトバンクと同じ品質のネットワークで提供されるため、低価格ながら全国で利用できるほか、混雑時にも通信速度が低下しにくい
LINEMOのデメリット(1) 店頭サポートやキャリアメールは使えない
もちろんデメリットもあります。LINEMOはあくまでオンライン専用の料金プランであることから、ahamoやpovoなどと同様、ソフトバンクショップ、ワイモバイルショップでの契約やサポートはできませんし、いわゆるキャリアメールのサービスも用意されていません。留守番電話がない点にも注意すべきでしょう。ちなみに店頭でのサポートやキャリアメールを求めるなら、同じソフトバンクの「ワイモバイル」ブランドの新料金プランの方がよいでしょう。新プランのうち「シンプルM」が高速データ通信量15GBで月額2980円、「シンプルL」は25GBで月額3780円と内容が近い上、割引の適用でそれぞれ月額1900円、2700円とLINEMOより安価に利用できることから、こちらも検討してみることをおすすめします。
ワイモバイルの新料金プラン(ソフトバンクの2021年3月期第3四半期決算説明会資料より)。料金や通信量がSoftBank on LINEと近いので、店頭でのサポートなどを求めるならこちらの方がメリットがある
LINEMOのデメリット(2) 開始当初はSIMのみの契約
またソフトバンクやワイモバイル、さらにいえばahamoなどとも異なり、LINEMOはサービス開始当初SIMのみの契約となり、端末のセット販売は今後検討するとしています。それゆえ利用の際にはSIMフリー端末を購入するか、手元の端末をSIMロック解除しておく必要があり、一定の知識が求められる点に注意が必要でしょう。LINEMOのデメリット(3) 国際ローミングの通信量は20GBに含まれない
もう1つ、LINEMOで気になるのが国際ローミングの扱いです。LINEMOは国際ローミングには対応しているものの、通信時に標準の20GBを消費する訳ではなく、別途料金がかかる仕組みとなるようです。その詳細は明らかにされていませんが、基本的にはワイモバイルと同等の仕組みになるとのこと。仮にワイモバイルと同じ「海外パケットし放題」の仕組みが導入された場合は、25MB以上使用すると1日最大2980円かかるため、長期滞在時はかなり高額になることを覚悟する必要があるでしょう。
ahamoは発表当初より、82の国や地域で、追加料金不要で標準の通信量である20GBを消費しての国際ローミングが利用できることを打ち出していただけに、この点はLINEMOのマイナスポイントといえます。コロナ禍の現状ではそれほど意識することはないでしょうが、今後海外への渡航が再び自由にできるようになれば国際ローミングのニーズが高まるだけに、海外旅行が好きな人は注意して下さい。
LINEMOのデメリット(4) ソフトバンク・ワイモバイルの家族割人数にはカウントされない
またLINEMOは、ahamoとは違って「ソフトバンク」「ワイモバイル」とは異なるブランドという扱いになります。それゆえLINEMOの契約者はソフトバンクやワイモバイルの家族割引の人数にはカウントされません。例えば家族全員がソフトバンクブランドの回線を契約している場合、自分1人だけがLINEMOに移ってしまうとその分家族割引「みんな家族割+」(2021年3月17日以降は「新みんな家族割」)の対象人数が減り、残りの人数によっては他の家族の割引額が減ってしまう可能性があるので要注意です。
ソフトバンク傘下となるLINEとの連携に注目
ahamo、povo、そして楽天モバイルの「Rakuten UN-LIMIT VI」と、ライバルとなるプランが次々登場する中にあって、LINEMOを選ぶメリットはやはりLINEとの連携にあるといえるでしょう。しかもLINEは、ヤフーを有するZホールディングスと2021年3月に経営統合し、実質的にソフトバンク傘下となっています。そうしたことからLINEMOは、今後LINEが提供するさまざまなサービスと連携がなされ、より便利でお得に利用できるかもしれません。LINEを頻繁に利用している人なら乗り換えを検討してみる価値があるのではないでしょうか。
【参考記事】
・「ahamo」「povo」「LINEMO」を徹底比較! オンライン専用スマホ新料金プラン各社のメリット・デメリット
・ahamo(アハモ)のメリットとデメリットを整理! ドコモ格安プランの注意点は?
・1GB以下なら0円、楽天モバイルの“常識超え”新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VI」のポイント
・KDDIの新料金プラン「povo(ポヴォ)」を解説! UQ mobileや他プランとどちらを選ぶべき?
・「ahamo」で激変、携帯大手3社の料金プランの行方を占う
・今さら聞けないMVNOとMNOの違い、実は「格安スマホ」にも違いが
・5Gとは? 4G対応のスマホでも使えるの? 3つの特徴を徹底解説!