亀山早苗の恋愛コラム

「俺は君のオモチャじゃない!」寡黙な夫が突然キレた! 妻に隠れて通い続ける意外な場所は…

ひと言多い妻に、黙りがちな夫。世間にはよくある組み合わせのように思えるが、夫がただひたすら我慢しているケースも少なくない。「文句があるなら言えばいいのに」とひと言多い側は思うだろうが、言いたくても言えない人は男女問わずいるのだろう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「オレはきみのおもちゃじゃない」と爆発した夫

モラ妻

ひと言多い妻に、黙りがちな夫。世間にはよくある組み合わせのように思えるが、夫がただひたすら我慢しているケースも少なくない。「文句があるなら言えばいいのに」とひと言多い側は思うだろうが、言いたくても言えない人は男女問わずいるのだろう。

 

夫は私のことが大好きないい人だと思っていたのに

夫から長年に渡るプロポーズをされ、とうとう「この人がいちばん私を愛してくれる」とわかって12年前に結婚。ふたりの子どもにも恵まれ、夫は自分のすべてをわかってくれて、幸せな毎日を送っていたと言うアユミさん(43歳)。

「夫とは大学時代からの友だちです。卒業して3年目くらいに突然、結婚したいと言われてびっくり。私は夫を男として見たことがなかったから。そう言っても、それでもいいから結婚しようと、それはそれはしつこくて(笑)」

29歳のころ、アユミさんは20歳年上の男性と不倫関係に陥り、振り回されたあげく妻にもバレて非難された。不倫相手はさっさと妻の元に戻り、彼女は孤独にさいなまれた。

「そのときも彼に愚痴を聞いてもらった。一晩中泣いていた私のそばにいてくれて。いつでも信じられるのはこの人しかいないかもしれない。そう思いましたね」

それからしばらくつきあって、信頼が揺らがないと思ったので婚姻届を出した。夫はそれ以来、ずっと彼女のいちばんの味方だと思っていた。

「子育てのときも、ひとりでがんばっている意識は私にはありませんでした。共働きのせいもあったけど、夫はいつでも私に寄り添ってくれたし、やるべきことは率先してやってくれたから」

現在、子どもたちは8歳と6歳。やんちゃだが素直に元気に育っている。これも夫のおかげだと彼女は心の中でいつも感謝していた。

「ただ、夫のほうがより私を愛していたはずという驕りがあったのか、性格が違うだけなのか……。私はとにかく思ったことをその場で口にしてしまうタイプで、夫は反射的に言葉にはしない人。だから日常生活では、ずっと私が文句を言っていて、夫は耐えているように見られがちなんですよね」

アユミさんの夫はおとなしい、カカア天下だと言われ続けてきた。彼女はそれがうまくいっている証だと信じていた。

 

夫がある日、大爆発

週末は家族で過ごすことがほとんどだったが、昨年暮れ、夫が珍しく「友人と出かける」と言い出した。

「友だちってどこの誰? どこへ行くの、今日じゃないとだめなの? といつものように畳みかけてしまったんです。そうしたら夫がいきなりキレて、『もういいかげんにしてほしい、きみの口うるささにはもう耐えられない』と。どうしたの、と思わず言っちゃいました。今までケンカひとつしたことがないんですよ」

その日、夫はそのまま出かけていった。見たことのない夫のキレ方、耐えられないと言ったときの苦しそうな表情などが頭に焼きついて離れなかった。

それから夫はしばらく口をきかなくなった。数日後、このままじゃダメになると思ったアユミさんは、夫に「言いたいことがあるなら言いなよ」と促した。

「オレはずっと我慢してきた、きみに何を言われても惚れ込んだのは自分だからと思っていた。だけどきみはいつも、オレのことをどこかでバカにしている。何かヘマをすると『だから言ったじゃない』『そうなると思った』『ったく、そんなこともできないの』と矢継ぎ早に言ってくる。心がへこむ。オレはきみのストレス発散のためのおもちゃじゃない。苦しかったけど、子どもたちはかわいいし、自分が好きになった女性なんだからとがんばってきた。でももう限界。先日、友だちに会うと言ったけど、実は違う。心療内科で治療を受けている」

夫にそう言われたアユミさんは、ただ驚くしかなかった。夫は今まで不満を漏らしたことがない。そそっかしい夫をからかうのは、アユミさんなりのコミュニケーションだった。だがそれが夫を傷つけていたなんて。

「気づかなかったと謝りました。すると夫は『気づかなかったんじゃない、気づこうとしなかったんだよ。きみにとってオレはペット以下だから』と。夫に何か言われたとき、ちょっと待って、今はこっちのほうが大事と猫にご飯をあげたりしたことはありましたが、それも冗談のつもりだった」

夫から見れば、アユミさんはモラハラ三昧だったわけだ。

「夫は離婚したいと言っています。私は離婚なんて考えられない。『離婚したら二度と子どもたちには会わせない』と言ったんです。離婚回避のための苦し紛れの発言ですが、夫は『ほら、そうやってきみはオレを抑圧してくるんだよ』と。もう夫とどういう言葉を交わしたらいいかわからなくなりました」

人には我慢の限界がある。夫がそこまでいってしまったのは、彼女の性格もさることながら、「荒波を立てたくない」という夫の心理もあるだろう。

「今はまたコロナの緊急事態宣言がでて、夫も私も出社がイレギュラーになっているし、何か根を詰めて話せる状況でもないので、話は進んでいませんが……。夫の離婚の意志をどうしたら変えさせられるのか。これからじっくり考えていかないと」

自分を変えるのはむずかしい。だが自分が変わらなければいけないときもある。時間をかけて修復していくしかないのだろうが、まずは落ち着いて夫との時間を振り返ってみることも自分の気持ちを整理するヒントになるかもしれない。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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