そんな2020年、流行に敏感な若者は何に夢中になっていたのでしょうか。数社が発表した流行ランキング調査のなかから、特に若者中心に流行った言葉やハッシュタグを5つご紹介します。
「きゅんです」
若者に今年もっとも流行った言葉は、「きゅんです」でしょう。マイナビティーンズラボ「2020年ティーンが選ぶトレンドランキング」、そしてAMF「JC・JK流行語大賞2020」で部門別1位に輝いています。胸がときめくときに使われる「きゅん」という擬音に「です」を付けた言葉です。今年はひらめさんの「ポケットからきゅんです」の楽曲に合わせて、「きゅんです」のポーズをすることが流行りました。そのポーズとは、親指と人差し指をクロスさせてハートを作ることで、数年以上前からプリントシール機で撮影するときなどに使われていたものです。楽曲に合わせてポーズをしている様子を動画に撮り、若者に人気急上昇中の短尺動画共有サービス「TikTok」へ投稿する人が多く見られました。
TikTok流行語2020大賞の1位もゲットした「#きゅんです」
「#おうち時間」
10代の若者は、3月の臨時休校要請にともない、学校への登校ができない時期がありました。そこで、家での生活を楽しむことが大流行。「#おうち時間」のハッシュタグに代表される行動で普段とは違う日常を過ごしました。まずは、「#おうちカフェ」。おしゃれなスイーツや飲み物を用意し、Instagramで映えるような写真を撮影して投稿するのです。飲み物は韓国発といわれる、ミルクの上にコーヒーと砂糖、水をホイップしたクリームを乗せた「ダルゴナコーヒー」作りが人気でした。また、いちごをたくさん串に刺して飴をかける「いちご飴」も流行りました。また、「#おうちピクニック」も流行。おしゃれなピクニックを略した「#おしゃピク」のハッシュタグも使われました。シンプルな布のレジャーシートに、無印良品で買ったドリンクやかわいくデコレーションしたケーキを並べて撮影するのです。外出ができなくても、家でできることで楽しむ若者のポジティブさが感じられる流行ですね。
ホイップに時間が掛かるダルゴナコーヒーはおうち時間が長い時こそ作れる
「地雷」
地雷を踏むと大変なことになります。そのイメージで、触れると嫌な気持ちになるもの、交流すると面倒になる人などを「地雷」と表現します。精神状態が不安定に見える人を「あの人、地雷っぽい」と言ったり、「地雷女」と呼んだりします。悪口とも言える言葉ですが、今年はそれをあえて楽しむ傾向がありました。例えば、心が病んでいるように見えるメイクを「地雷メイク」と呼び、そのメイク法がYouTubeで拡散、真似をした人もたくさんいました。人気の自撮りアプリ「SNOW」にも地雷メイクのスタンプが登場し、地雷メイクをしたかのような顔で撮影を楽しみました。また、地雷メイクにピンクと黒の服装、厚底靴を履くスタイルを「量産型オタク」と呼びます。2000年代に大流行した姫ギャルの2020代版だそうです。一方、「量産型女子」は、どこにでもいそうなファッションやヘアメイクをしている人を指し、花柄の服や巻き髪など甘めのファッションを指すことが多いです。「量産型」も今年の流行ワードに入っています。
「○○しか勝たん」
「推し(好きなアイドルや芸能人など)」の名前を先頭に入れ、「○○が最高」という意味で使います。「○○しか勝つ者はいない」を省略した言葉です。ハッシュタグとして使いやすいこともあり、「○○」部分に彼氏の名前を入れたり、好きなスイーツの名前を入れたりして使う人もいます。「#ツイステ」
文字入力アプリ「Simeji」の「10代が選ぶハッシュタグオブザイヤー2020」で1位に輝いたハッシュタグが「#ツイステ」。2020年3月に配信を開始したゲームアプリ「ディズニー ツイステッドワンダーランド」、通称「ツイステ」を指します。ディズニー作品の悪役をモチーフとしたキャラクターが登場するアドベンチャーゲームで、ゲームの話題を投稿するときやキャラクターのイラストを書いて投稿するときに使われました。「#Twitterトレンド大賞2020」でも14位に入る人気ぶりで、特に女子の心を掴んでいるようです。「ディズニー ツイステッドワンダーランド」公式ウェブサイト