ドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」は非常にお得だが注意点も多い
NTTドコモが2021年3月26日に提供を開始した「ahamo(アハモ)」は、月額2970円(税込)で20GBの高速データ通信が利用できる料金プランです。2021年3月26日に提供を開始するNTTドコモの新料金プラン「ahamo(アハモ)」。そのお得さから、発表直後より大きな話題となっている
実際の所、ahamoはどのような料金プランであり、どのような点に注意する必要があるのでしょうか。メリットとデメリットをまとめてみました。
<目次>
・ahamoのメリット(1)シンプルで安い
・ahamoのメリット(2)サービスが充実している
・ahamoのメリット(3)手数料が一切かからない
・ahamoのメリット(4)手続きもオンラインで完了する
・ahamoのメリット(5)「ahamo大盛り」で通信量が100GBに
・ahamoのデメリット(1)ドコモショップでのサポートは有料
・ahamoのデメリット(2)キャリアメールが使えない
・ahamoのデメリット(3)スマホとのセット購入がやや不便
・ahamoのデメリット(4)対応していないサービスが意外と多い
・ahamoはスマホに詳しい若い世代に最適、シニアには不向き
ahamoのメリット(1)シンプルで安い
まずahamoのメリットですが、1つは料金が非常にシンプルで安いということ。先にも触れた通り料金は月額2970円(税込)で月額3000円以下という低価格であり、家族契約や固定回線の契約などに係る割引や、期間限定の割引など複雑な仕組みが一切存在せず、ずっと月額2970円(税込)で利用できるのです。ahamoの料金は当初、月額3278円(税込※税別だと画像の2980円)だったが3月1日に値下げを発表。月額2970円(税込)となった。複雑な割引や条件もなく、誰でもずっと月額2970円(税込)で利用できるシンプルさが特徴だ
ahamoのメリット(2)サービスが充実している
2つ目は低価格ながら通信サービスの充実度が非常に高いこと。毎月のデータ通信量は20GBと、スマートフォンのヘビーユーザーでなければ動画視聴などをしても十分足りる量ですし、それを超過しても最大1Mbpsでの通信ができることから、画質を最低限に落とせば動画の視聴もできるかもしれません。しかもahamoは4Gだけでなく5Gにも対応しています。その代わり3Gによる通信は利用できない点に注意が必要です。
高速データ通信量は20GBで、それを超過しても最大1Mbpsでの通信が可能。4Gも5Gも利用できる
1回当たり5分以内の通話は何度でも無料。オプション料金もかからない
82の国や地域での国際ローミングに対応、20GBの通信量を海外でのデータ通信にも利用できる
ahamoのメリット(3)手数料が一切かからない
3つ目は新規契約や、番号ポータビリティ(MNP)での転出にかかる手数料が一切かからないこと。いつ契約しても解約しても手数料がかからず、安心して乗り換えがしやすいプランだということは、消費者の立場からすれば安心感が高いでしょう。ahamoのメリット(4)手続きもオンラインで完了する
そして4つ目のメリットは、契約からサポートまで全ての手続きがオンラインで完結するということです。契約するのにわざわざドコモショップや家電量販店に行く必要がなく、手元のスマートフォンなどから手軽に契約できますし、サポートもチャットで問い合わせることができます。スマートフォンに慣れている人なら手間がかからないだけに、大きなメリットとなるのではないでしょうか。ドコモショップに行く手間は不要で、スマートフォンなどからオンラインで契約したり、サポートを受けたりできる
ahamoのメリット(5)「ahamo大盛り」で通信量が100GBに
2022年6月より、ahamoには新たに「ahamo大盛り」が追加されます。これはahamoの料金に月額1980円を追加することで80GBの通信量がプラスされ、月額4950円で100GBの大容量通信が利用できるというものです。この金額は使い放題プラン「5Gギガホ プレミア」で割引をフルに適用した場合の料金(月額4928円)とほぼ変わらないのですが、ahamo大盛りは家族の人数や固定ブロードバンドの契約など関係なく、1人で契約してもこの金額と容量を実現できる点が大きなポイント。家でも外でも動画を見るようなヘビーユーザーの単身者には非常にお得といえるでしょう。
参考記事:100GBの大容量通信ができる「ahamo大盛り」はどんな人が選ぶべきか
ahamoのデメリット(1)ドコモショップでのサポートは有料
では、ahamoのデメリットはどこにあるのでしょうか。最大のデメリットといえるのは、基本的にドコモショップでのサポートが受けられないことです。メリットの4つ目で触れた通り、ahamoは契約やサポートを全てオンライン化しているのが大きな特徴なのですが、それは携帯電話料金が高くなる大きな要因の1となっている、ドコモショップの運営にかかるコストを削って低価格を実現するためでもあります。それゆえスマートフォン初心者や、店頭での手厚いサポートを求める人には向いていないプランでもあるのです。
ただどうしてもドコモショップでのサポートを受けたいという人のために、契約申し込みをサポートする「ahamo WEBお申込みサポート」、Webでの手続きをサポートする「ahamo WEBお手続きサポート」といった有料のサービスが用意されています。ですがこれらはいずれもスタッフがahamoのWeb上での操作をサポートするもので、1回当たり3300円もの料金がかかってしまいます。店頭サポートを求めるなら、やはり他の料金プランを選ぶのが無難でしょう。
通信量の確認から契約変更、トラブル時のサポートなども全てオンラインでこなす必要があるためスマートフォンに慣れていない人には非常に難しい仕組みだ
ahamoのデメリット(2)キャリアメールが使えない
2つ目のデメリットは、「@docomo.ne.jp」のいわゆるキャリアメールのサービスが提供されないことです。既にGmailなどを使っていたり、コミュニケーションはLINEやSNSでこなしている人には関係ないかもしれませんが、現在も年配層を中心に、キャリアメールがコミュニケーションの中心という人も少なからずいるので、そうした人にもahamoは不向きだといえます。参考記事:ahamoなどで使えないキャリアメール、どうする? おすすめの代替策は
ahamoのデメリット(3)スマホとのセット購入がやや不便
3つ目は、ahamoの新規契約と同時に購入できるおすすめのスマートフォンが限られていること。2021年11月時点で、ahamoのWebサイトで購入できるスマートフォンは「iPhone 11」「Xperia 1 II」「Galaxy S20 5G」の3機種のみです。ただドコモオンラインショップを使えば、NTTドコモが販売するスマートフォンを購入することが可能ですし、ahamoユーザーも有料の「ケータイ補償サービス」を適用可能です。しかしながらドコモオンラインショップでahamoの新規契約はできないので、セットで契約する際は一度「5Gギガライト」などを契約した後、プラン変更する必要があるのに注意して下さい。
ちなみにahamoが契約できるスマートフォンは、iPhoneが25機種、Androidが236機種(2021年11月時点)。3Gに対応していないこともあって2013年以前発売のスマートフォンは利用できず、2014年以降に発売したスマートフォンでも非対応機種がいくつかあります(非対応機種一覧はコチラ)。
ahamoの公式サイトで購入できるおすすめの3機種(iPhone 11、Galaxy S20 5G SC-51A、Xperia 1 II SO-51A)
ahamoのデメリット(4)対応していないサービスが意外と多い
そして4つ目は、従来のNTTドコモの料金プラン向けに提供されているサービスのうち、対応していないものがいくつかあることです。特に注意が必要なのが音声通話に関するサービスで、「留守番電話サービス」や「キャッチホン」など基本的なサービスでさえ提供されていないのです。また「ワンナンバーサービス」が提供されていないので、Apple WatchのGPS+Cellularモデルを利用している人は、ahamoに移行したらApple Watch単体での通信ができなくなってしまいます。加えて支払った料金を携帯電話料金と一緒に請求する、いわゆる“キャリア決済”のうち「spモード コンテンツ決済サービス」は使えなくなってしまいます。
そしてもう1つ、「dポイント」の会員プログラム「dポイントクラブ」のステージ判定に影響する「ずっとドコモ特典」も、ahamoに移ると適用されなくなり、長期契約のメリットが失われてしまうのもデメリットです。ただしahamoに移っても契約年数自体がリセットされる訳ではないので、対象プランに契約を戻せば再び適用されるようになります。
ちなみにahamoには、「5Gギガホ プレミア」「5Gギガライト」などの契約者に適用される「みんなドコモ割」や「ドコモ光セット割」といった割引が存在しませんが、家族間の通話が無料になる「ファミリー割引」の適用は可能です。 それゆえファミリー割引を申し込んで家族と同じグループに入っておけば、家族間の国内通話は無料になるほか、他プランを契約している家族の、みんなドコモ割の割引額を上げることもできますし、自宅に「ドコモ光」を引いていれば、他の家族にドコモ光セット割を適用できるようにもなります。自分以外にNTTドコモのプランを契約している家族がいるならば、ahamo契約後であってもファミリー割引を申し込んでおくべきでしょう。
ahamoはスマホに詳しい若い世代に最適、シニアには不向き
こうしたメリット、デメリットを見ると、ahamoはスマートフォンを使いこなしている単身者に最適なプランであることが分かります。実際NTTドコモは、ahamoは親元から独立して間もない20代の単身者を狙って作られたプランとしています。一方でサポートが弱く、既存プランとは大きく異なる部分も多いことから、シニアを主体としたスマートフォン初心者にはあまり向いておらず、使う人をかなり選ぶプランだともいえる訳です。そうした人達がもっと安い料金プランを契約したいというのであれば、“格安スマホ”などの名称で知られるMVNOの一部サービスをドコモショップでサポートする「エコノミーMVNO」を検討すべきでしょう。 またKDDIやソフトバンク、そして楽天モバイルやMVNOなどもahamo対抗策を続々と発表しています。それらの対抗プランも見つつ、乗り換えを検討するのがよいのではないでしょうか。
【参考記事】
・ahamoなどで使えないキャリアメール、どうする? おすすめの代替策は
・ahamo契約時はここに注意! 安さのカラクリ、乗り換えるなら「覚悟」が必要
・100GBの大容量通信ができる「ahamo大盛り」はどんな人が選ぶべきか
・月額基本料0円から! KDDIの新料金プラン「povo2.0」はどんな人に向いている?
・ソフトバンク「LINEMO」のメリットとデメリットを整理! 新料金プランのポイント
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