亀山早苗の恋愛コラム

37歳、早く結婚したいけど…デートはできても恋愛できない女の欠点

「結婚したい」のでマッチングアプリに登録、次々とデートはしているものの、そのたびに「帰りたい」と思ってしまうと嘆く女性がいる。相手に合わせることができない自分を「ダメだ。恋愛失格だ」と思うのだそう。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

  • Comment Page Icon

デートできても恋愛できない女……

デートが面倒

「結婚したい」のでマッチングアプリに登録、次々とデートはしているものの、そのたびに「帰りたい」と思ってしまうと嘆く女性がいる。なんとか自分を変えたいのに変えられない。相手に合わせることができない自分を「ダメだ。恋愛失格だ」と思うのだそう。

 

結婚したいはずなのに

「年齢も年齢ですし、父が病気でもうそんなに先が長くないかもしれない。私はひとりっ子なので、せめて孫の顔を見せてあげたい。結婚しなければ、いや、結婚したいんだ、私は。そう思ってマッチングアプリに登録したんです」

少しせっぱつまったように早口でそう言ったアキさん(37歳)。故郷から上京してきたのは大学入学時。本当は卒業したら地元に帰る予定だったのだが、どうしても都内で仕事がしたかったという。

「運よく入りたい会社に入ってやりたい仕事をしているから、日々、大変だけど楽しいんです。今はコロナ禍でできないけど、同僚と飲み会したり遊びに行ったりするのも好きだし、通っているスポーツジムに親しい友人もいるし。なんら不満はないんですけどね」

恋が続かない、結婚に至らない。それが決定的な「不足しているところ」だという。それでも35歳までは焦ってもいなかった。

「35歳の誕生日に、母から、父が病気で手術をした、今すぐどうこうではないけれどあまり長生きはできないかもと聞かされたんです。うちの両親、なかなか子どもができなくて、あきらめたときに私が生まれたという経緯があるので、母が73歳、父は79歳なんです。近所でも孫がいないのはうちだけだとぽつりと言っていたこともありました。両親が望むなら、孫を見せてやりたいなあと思ったんです」

マッチングアプリだけでなく、婚活パーティーなどにも繰り出してきた。どこへ行っても、デートには誘われる。明るくてさっぱりしたキャラが好かれるのだろう。

「だけど、最初のデートが楽しかったためしがないんですよね。だから次がない。相手からまた会いましょうと言われても苦笑いするしかなくて。同世代の男性って、こちらから話を振らないといけない。自分から話題を盛り上げようという意識がないのかしら。前に会った男性に、どうして自分から話題をふらないんですかって聞いたら、『その話に乗ってもらえなかったらつらいから』と本音を言われて(笑)。なんか会話のキャッチボールができない人が多いなあと思いました」

それでも、そんなことを言っていたらいつまでも結婚できない。自分から相手に合わせなくてはとアキさんは努力してきた。

 

ストレスがたまって

周りの女性たちの多くは結婚している。独身でいる友人も、「ごく普通に」恋愛を続けている。どうして自分は恋に至らないのか、デートを続けたいと思わないのか。

「最初は相手と合わないなんて思っていたんですが、だんだん自分がいけないのかもしれないと思うようになっていきました。友人に相談しても、『アキは我が強いから』『自分が確立しすぎちゃって他人に寄り添えないんじゃない?』と厳しい意見ばかり。私は私だからと思って生きてきたけど、我慢しないといけないのかもしれない」

そう思って、相手に完全に合わせてみたことがある。「私はこうしたい」といつも言っていたのを、「あなたの言うとおりで」と通してみたのだ。興味のもてない話題でも、「すごいですねー。○○さんだからこそできたことですね」と根拠なく褒めてみた。

「するとデートは続くんですよね。それどころか3度目のデートで結婚を前提にと言われたりする。でも私、一生そうやって相手に合わせて自分を出さずにやっていくことはできない。そもそも男の言うなりになるなら、私である必要もないですもんね。こうやって理屈ばかり言うから嫌われるのかもしれないけど」

“自分”を大事に保ちながら、相手との融和を図る。それが理想だと気づいたものの、今もアキさんは恋愛していない。

「デートできても恋愛できない女。いっそ恋愛を飛ばして結婚すればいいのかもと思ったけど、どうやらそれもむずかしい。落ち込んでいたら、仲のいい友だちが『結婚なんて運とタイミングよ。むずかしく考えないで、自分が楽しく生きていくのがいちばん』と言ってくれたんですが、果たしてそれでいいのかとも考え込んでしまって」

ついには1ヶ月前、円形脱毛症になってしまった。ストレスによるものだという。

「こんなご時世だから、仕事ができるだけでありがたい。そう思うしかないかと考え方を変えることにしました。私が元気でなければ、いくら結婚したって親も喜ばないでしょうし。それでも相変わらず、デートできても恋愛できない女というレッテルは自ら剥がすことができなくて、ときどき苦しくなるんですけどね……」

アキさんは力ない笑みを浮かべた。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます