嫉妬深いのに求めてこない。それなのにプロポーズしてきた彼

レスカップル

長くつきあっていると、男女はどこか馴れ合いの関係になっていく。それがいいともいえるし、新鮮さが欠如して愛情が薄れたような気になることもある。つきあい始めは求めてきた彼が、いつの間にか求めてこなくなり、そんな中でプロポーズ。それをどう受け止めたらいいのだろうか。

 

彼は淡泊なだけ?

32歳のとき、2歳年上の彼と知り合ってつきあい始めたヨシエさん(36歳)。彼は最初から「あまり結婚したいと思わないんだ」と話していた。

「最初は牽制しているのかと思っていました。でもしばらくたってから彼は自分の生い立ちを話してくれたんです。父親が浮気三昧で、母はいつも泣いていて。でもそんな母親も恋愛するようになって一家は崩壊したんだと。彼は絞り出すような声でした。聞いている私のほうがつらくなりました」

ヨシエさんは特に結婚願望が強いほうではなかったが、それでもいつも孤独を抱えているような彼が愛しくなった。彼女自身、幼いころに母親が病死し、父は男手ひとつで育ててくれたが寂しさは常にあった。だから彼の気持ちに感情移入することができたのだ。

その告白をしてから彼は頻繁にひとり暮らしの彼女の部屋を訪れ、いつも体を求めてきた。

「私は愛されている。確かにそう思っていました。お互いに求め合い、頼りあい、支えあって生きていけるような気がしていました」

ところが半年ほどすると、彼は部屋に来ても彼女を求めなくなっていった。だからといって冷たいわけでもない。外でデートもしたし、会社帰りに一緒に食事をしたりもした。だが以前だったら、いつも彼女の部屋に泊まっていったのに、「明日の朝早くから仕事なんだ」と帰っていくようになった。

「何かおかしいと思いながら、でも彼の態度が変わるわけでもないので、そのまま淡々とつきあいが続いたんです。そうしているうちに4年がたってしまった」

1年ほど前に、ふたりで温泉旅行をした。そのときも彼はよく食べよく飲み、そのまま眠ってしまった。翌日は付近を観光、ふたりで1日遊んで帰京したが彼は泊まりにはこなかった。

「セックスの関係があったのは半年くらい。その後はほとんどなくて、この3年はまったくない。私はごく普通の女ですから、求められないということは女として見られていないんだと思うしかなかった」

それでいて彼はたびたび、「他に好きな男なんていないよね」と確認してくる。それは彼の自信のなさかもしれないが、「そんなふうに言うならちゃんとセックスしてよ」とは言えなかった。そんなことを言って冷たく斬り捨てられるのが怖かった。彼女もひとりでいたくなかったのだ。

 

いきなりのプロポーズ

今年の9月、デート後に突然、彼が「ヨシエの部屋に行きたい」と言い出した。一緒に帰ってくると、彼は居住まいを正し、「結婚してほしい」と言った。

「結婚したくないんじゃなかったの、私を求めなくなったのはなぜ、結婚しても求めないつもりなの、と聞きたいことはたくさんありました。だけどなかなか言葉が出てこなかった」

突然のプロポーズに驚いてしまったのだ。彼は返事は急がなくていいと言ったものの、その日も何もせずに寝ついたという。

「それ以来、彼からはその話はまったくしないんです。私の返事を待っているのかもしれませんが、何も言わないのもおかしい、催促くらいしてもいいですよね。そうすれば私も、どうして私を求めようとしないのかと尋ねることができる」

相変わらず会ってはいるが、たわいない話をするだけ。彼は彼女の仕事の話などを聞きながら、ときおり「ヨシエはその同僚のこと、好きなんじゃないの」と嫉妬の目を光らせることがある。

だが彼がヨシエさんに対して熱い思いを語ることはないし、将来について何か言うこともない。そんな彼にどう対処すればいいのか彼女はわからなくなっているそうだ。

「このまま淡々とした関係が固定化するのが怖いんです。すでに固定化しているのかもしれないけど……。私自身、彼と結婚したいのかもよくわからなくなっています」

シンプルに彼が好きと言えなくなっているのは、やはり彼が求めてこないことが大きな原因だという。

「性的な関係が愛情のバロメーターかどうかはわかりませんが、あんなに求めてきていた彼がまったく求めてこなくなったのは、他に女性がいるんじゃないかと疑っていた。プロポーズされてもなお、実は誰かいるんじゃないかと思っています。そういう気持ちで結婚には踏み切れませんよね」

ならばヨシエさんから聞いてみるしかないはず。だが彼女は自分からは言いたくないという。プライドが許さないらしい。

「セックスしてくれるなら結婚するとは言えないです……。心身ともにもっときちんと求めてくれる人と結婚したほうが幸せになれるような気がして。彼の態度がはっきりするまで、私、婚活しようと思って」

ひとつの関係に区切りをつけないまま婚活に走ろうとする彼女のことが理解しづらいのだが、彼女自身、自分から彼を見捨てるようなことはしたくない。かといってすがるのもイヤだ、だから他に目を向けたいということらしい。

その後、彼女は結婚相談所に登録したそうだ。彼とは変わらずときどき会っているという。その状態で、彼女が精神的にバランスを保っていけるのかどうか気になっている。
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