更年期妻をイラッとさせた家族の失言エピソード
「奇跡のアラフィフ」石田ゆり子さんやタレントの松居直美さんなど、芸能人の「更年期症状」が話題になったこともあり、世の中の「更年期」への理解がうながされた気がしています。
しかし症状に個人差があること、男性には理解しづらいことから、ネガティブな発言に出くわすこともまだまだあります。今回は更年期の女性が体験する、周囲のあるあるな反応を見てみましょう。
「私にはそんなものなかった!」心ない義母の追い打ち
更年期の症状として多くの方が経験するのが「疲れやすさ、だるさ」、また「肩こり、腰痛」といった目に見えない体の不調。
「女性の敵はやっぱり女性です」と憤るのは亜希子さん(50歳・仮名)。
「50代に突入して急に疲れやすくなりました。仕事が忙しい時期にちょっと無理をすると、翌日は本当につらい。めまいがすることも多く、帰宅するとソファーでぐったりしてしまいます。そんなときに、『あら、またダラダラしているの? 気持ちがたるんでいるから疲れるのよ。気持ちがシャンとしてれば体もシャンとするもんです』と勝ち誇ったように言い放つのが同居している義母!」
亜希子さんが「私は今、更年期なんですよねえ」と言うと「更年期? 怠けるための言い訳よ。私はそんなのは無かったわ。気持ちの問題よ!」と、さらに義母が追い打ちをかけてくると。
「マジでイライラします。いつか義母に『貧乳のあんたにはもともと女性ホルモンがなかったんじゃないの!』って言い返してやろうと思っています」
娘の勘違い発言で恥ずかしさがマシマシに……
同じく、経験する方が多いのが火照りや発汗、ホットフラッシュ。こちらは逆に目に見える症状なだけに、周囲からの勘違いな反応が多かったり……。
「娘のせいで恥ずかしい思いをしました」とぼやくのは恵美さん(48歳・仮名)。
「ホットフラッシュって、急に来るんですよね。何のきっかけも変化もないのに、突然顔がばぁーっと赤くなって、汗が顔じゅうから噴き出してくる。いつも周囲に驚かれます。夏ならともかく、冬でも一瞬で大汗をかくもんですから目立ちすぎます」
そんな恵美さんが「恥ずかしい思い」をしたのは、娘の家庭教師との面談の時。
「娘と先生と私の3人で話をしていたら、いきなりホットフラッシュが来て、かぁーっと頬が赤くなり汗が噴き出してきたんです。そうしたら娘に『やばー! ママ、いい年して、意識してんの?』とか、からかわれました。イケメンの家庭教師さんにもジロジロ見られて、本当になさけない」
落ち込みの原因は更年期よりも夫だった?
最後は不安、孤独感、うつ、イライラといったメンタル面での症状。こちらは、周囲からわかりにくいだけではなく、本人自身もはっきりその症状を自覚できず、ケアが遅れがちになることも多いそう。
「このメンタルの不調は更年期というより夫のせいだと思います」と言い放ったのは佳代さん(47歳・仮名)。
もともと、細かいことを気にするタイプの佳代さんですが、1年ぐらい前から小さな失敗で長い間落ち込んだり、自分や家族の将来が不安で涙が止まらなくなるなど、メンタル面の不調が続いていたそう。
「子供の大学受験の失敗や母の他界などいろいろネガティブなことが重なったので、メンタルの不調はそのせいだと思っていたんです。でもたまたま下腹部痛の相談で婦人科に行った際に更年期だと診断され、メンタルの不調は更年期も原因だったことがわかりました。加齢とともに誰にでも起こることだと聞いてちょっと安心しました」
でも、そんな佳代さんに追い打ちを掛けたのが夫の言葉。
「『へえ、更年期!? だから最近すぐイライラして文句を言うのか。老眼に白髪、目じりのしわとか、お前も老けたよなあ』と言いたい放題。『メンタル不調の原因がわかってよかったね』と言ってくれるかと思ったらとんでもない。ホルモンバランスより夫のセクハラ発言のほうが私のメンタルに悪影響です。最低なヤツ」
以上、身近な人にも理解されない更年期の辛さ三連発でしたが、そんな周囲の心無い言葉に心を乱されてはいけません。
自分の好きなこと、楽しいことに気持ちをフォーカスし、ゆったりと心穏やかに自分をいたわっていきましょう。女性ホルモンが減ってゆくのは自然の摂理。受け入れる、そして更年期後にやってくる実りある熟年期の楽しい計画をたててももいいのでは。そのうち旦那さんも男性ホルモンが減ってパワーダウンしますから、いつか女性の気持ちがわかるはずです。