亀山早苗の恋愛コラム

「好きだよ。ただ、もっと好きな人ができただけ」といってフラれた私

男に引きずられるような人生は歩みたくない。そう思っている女性は多いはず。だがときとして、人は恋に屈伏してしまうこともある。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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別れても友だちでいたがる彼

別れても好きな人

男に引きずられるような人生は歩みたくない。そう思っている女性は多いはず。だがときとして、人は恋に屈伏してしまうこともある。きっぱり決断するべきなのか、あるいは様子見で曖昧にしておくべきなのか。決めるのは自分自身だ。

 

結婚も考えていたのに

ナルミさん(38歳)は、「今はどうしたらいいかわからない」と頭を抱えている。7年つきあって、きっかけさえあれば結婚するつもりでいた4歳年下の彼に突然、別れを告げられたからだ。

「ある日突然、『好きな人ができた』って言われて。相手は彼より6歳年下、私より10歳下なんです。私は前から彼より年上であることに少し引け目があった。でも、彼は気にしなくていいと言ってくれた。お互いに仕事も忙しいし、どうしても結婚したいと思っているわけではないから、すぐに結婚ということにならなかったのも話し合った結果です。ただ、こんなことなら早く結婚しておけばよかった」

つきあって2年ほどたったところで、彼が彼女のマンションの近くに越してきた。歩いて5分もかからない場所で、互いにひとり暮らしをして仕事に精をだした。その代わり、週末はほとんど一緒に過ごしていた。

「家で仕事をしなければいけないこともあって、そんなときは朝、彼のところへ行って一緒に朝食をとり、私は戻って仕事。夕方、彼が私のところで夕飯を作ってくれる。そんな感じでした。お互いを尊重しながら、でもなるべく一緒に過ごしたい。そうやってつきあってきたんです」

ところが彼女はこのコロナ禍を過ごしてみて、子どもがほしい気持ちが高まっていった。こればかりは結婚と違って、いつでもいいというわけにはいかない。

「彼と結婚して子どもを産む。それがなんだかこれからの目標なのではないかと思ったんです。彼は子どもがほしくないわけではないとも言っていたから、彼にも言おう、きっと賛成してくれると思っていました」

9月の末、彼女がその話をしようとすると、彼からいきなり「別れてほしい」と言われたのだ。ナルミさんの中で何かがキレた。

「思い切り彼をビンタしてしまいました。裏切られたと思ったし、コロナ禍で寂しい中、必死でがんばった私は何だったのかとも思って……」

というのも、彼は感染が怖いから自宅にいると言って、ナルミさんともほとんど会わなかったのだ。彼女も完全に在宅ワークになっていた時期に2、3回会った程度の5ヶ月間だった。それなのに彼はその間、年下の彼女にはたびたび会いに行っていたというのだ。

 

それでも連絡は毎日来る

きちんと別れ話はできなかった。彼女が彼をビンタしてそのまま自宅に帰り、それ以降会っていないからだ。

「だけど彼からは毎日、LINEが来るんです。おはよう、から、おやすみ、まで。いったいどういうつもりなのかと問いかけても『前からこういうメッセージ送ってるでしょ』って。でも私たちは別れたばかり。しかも彼の心変わりで。これ以上、私を苦しめないでほしいって言ったんですよ。彼は『僕は今もナルミちゃんが好きだよ。ただ、もっと好きな人ができただけ』って。それは私をキープしておきたいのかと言うと、彼は返事を寄越さない。そしてまた翌日の朝からメッセージが届くんです」

無視していればいい、読まなければいい。ブロックすればいい。みんなそう思うだろう。もちろんそれは彼女もわかっている。だが、読まずにはいられない、反応せずにはいられない。そしてブロックなどできないのだ。好きな人だから。

「怒っているしみじめだし寂しいし。それなのにやっぱり好きなんでしょうね。彼がどういうつもりで連絡してくるのかわからなかったので聞いてみたら、『今は友だちとして。でもこれから先はわからない』と。そうやって期待を抱かせるような言い方をするんですよ。戻ってくるなら待っていたいと思う私もいるし、こんなやつと結婚したらまた浮気されるとわかっている自分もいる。それだけに私がどんな対応をすればいいのか、どうやって気持ちを整理すればいいのか……」

読まなかったり既読スルーにしたりしたら、彼はきっと二度とメッセージを寄越さないのではないか。彼女にはそんな恐怖感もある。

どこかでケリをつけなければいけない。早く自分の恋愛感情を消したい。彼女はそうやって焦っている。

彼ときっぱり別れたことを認めたくないなら、このまま曖昧にメッセージだけの関係を続けてもいいのではないだろか。そんなにいつも白黒はっきりさせる必要があるとも思えない。曖昧にしているうちに、自分の気持ちが固まっていく可能性もある。そのときは自然と訪れるのではないだろうか。

彼のずるさもわかった上で、自分自身を追いつめないために結論を先送りする。そんなことがあってもいいのかもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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