夫婦関係

もはや「してる夫婦」は少数派? 大規模実態調査に見る「性の実態」

セックスレスの若年化はどんどん進んでいます。そこで夫婦でどう性に向き合っていくとよいのか? 40代カップルの事例を紹介します。

三松 真由美

執筆者:三松 真由美

夫婦関係ガイド

もはや「してる夫婦」は少数派?

レス解消

総合医療品メーカーのジェクス株式会社が、(一社)日本家族計画協会家族計画研究センターに依頼して実施した、性の大規模実態調査『【ジェクス】ジャパン・セックスサーベイ2020』の結果からひも解く現在のニッポンの性の実態。今回は「男女とも6割を超えたセックスレス」について考えてみましょう。

今回の調査では「1年以内のセックス回数」を尋ねた質問に対して、「年数回程度」+「1年以上していない」と回答した人はセックスレスに該当する、とみなしています。

いったいこれはどのくらいの割合だったのでしょうか?

 

年代別に見る、セックスレスの割合

セックスの頻度

セックスレスの割合は男女ともに6割超(出典:ジェクス ジャパンセックスサーベイ2020)

 

男女それぞれのセックスレスの割合を年代別に見ると、下記のようになります。

(男性)
20代:33.6%
30代:51.0%
40代:57.8%
50代:69.3%
60代:79.0%

(女性)
20代:33.6%
30代:49.5%
40代:64.4%
50代:79.5%
60代:78.0%

となっています。セックスレスの若年化はどんどん進んでおり、今や30代の半数がセックスレス。女性に限ってみると40代で6割超、50代では8割弱と、もはやパートナーとセックスしている方がレアな存在。人生100年時代といわれるなか、ウッフンな楽しさ、ジュンとする喜び、明日への活力を数十年間も封印してしまうのはもったいない! 

そこで夫婦でどう性に向き合っていくとよいのか? 40代カップルの事例を紹介します。

 

事例1:偶然から生まれた発想の転換でレス回避

「固定観念にとらわれず、発想の転換が大事です」というのは彩美さん(45歳・仮名)。

結婚10年目、小・中学生2人の息子の子育てに大忙しの毎日のようですが……

「小学校高学年~中学生になると、子供が夜寝てくれないのが悩みです。小学校低学年の頃は添い寝も卒業し、週末の夜にはセックスができていました。でも、成長とともに子供たちもだんだん夜更かしに。特に週末は、翌日学校が休みだからと、遅くまでゲームをして起きています。『早く寝なさい』って怒ったり、子供が寝るまでこちらも起きていたりなど、いろいろ頑張っていたのですが、思うようにはいきません。『大丈夫だからやろうよ』という夫と『気になるから嫌』という私の間で喧嘩になるなど、セックスレスになりかけていました」

そんな彩美さんの悩みを解決したのは、ある勘違いがきっかけ。

「毎晩目覚ましをセットするのですが、ある日どういうわけか間違えて日曜の朝4時にアラームが鳴りだし、夫婦で目が覚めてしまったんです。前日夜に夜更かししている息子たちは当然熟睡中。今がチャンスと、夫との早朝のひと時を楽しみました。薄明るい部屋がいつもと違って新鮮でしたし、夫も朝のほうが元気な様子で結果オーライです」

セックスといえば夜、寝る前、という固定観念からの脱却がレスの危機を救ったこの事例は、子育て期のご夫婦にお勧めです。

 

事例2:原因は私? 娘の一言が夫婦関係改善のヒントに

「レスの環境を作っていたのは自分だったのだと気づきました」というのは琴乃さん(40歳・仮名)。

「子供ができて以降、5年以上夫に拒否される状態が続いていました。理由を聞いても『もはや、家族としてしか思えない』『お前に性的魅力を感じない』『性欲がもうない』など、私の気持ちを粉々に打ち砕くような発言ばかり。何で、夫はこんな風に変わってしまったんだろうと夫のことを恨んでいました」

そんな琴乃さんの転機になったのは、8歳の一人娘から言われた、「ママ、いつもパパに怒っていて怖いよ。顔を鏡で見て。パパがかわいそうだよ」という言葉でした。

「正直ショックでした。確かに、夫は年下でおっとりした性格なので、いつも私がイライラして、何かと口うるさく指導していたことに気づかされました。家の中に先生か上司がいるようなもので、これじゃあ夫から『そんな気分にならない』と言われても仕方がないなと。反省しました」

それからは、夫への笑顔を心掛け、相手の意見もをじっくり聞くようにし、女性らしい優しい立ち居振る舞いを心掛けています。

「先日、3人で出かけた際、エレガントなワンピースを着ていたら、『それ、似合うね』と久しぶりに夫がぐっと肩を抱きよせてくれました。私も夫の腰に手をまわしてギュッと体を寄せました。少しずつスキンシップが戻ってきているようです。あきらめず、一歩ずつ改善していけそうな気がしています」

相手を変えることではなく、自分を変えることの大切さに気付いた琴乃さん。セックスレス解消への大きな前進だと思います。

 

事例3:グッズを活用したら新たな世界が……

「セックスの概念を根本から入れ替えました」というのは奈津美さん(48歳・仮名)。

「うちは年の差カップルなので、夫は既に60代。2~3年ぐらい前から、固くならなかったり、挿入しても途中で萎えてしまったり、ということが続いて、セックスがうまくいかなくなっていたんです。夫自身が、『気持ちいいセックス=激しいセックス』というイメージにとらわれていて、EDの自分が許せなかったようです。そんなことから、夫がベッドで誘ってくれなくなり、こちらからも誘いづらく……という感じになっていました」

そんな奈津美さん夫婦の転機になったのが、ラブトイ。

「正確には、最初は肩こり解消のためのハンディマッサージャーを購入したことがきっかけです。ベッドの中で肩や首のマッサージのために使っていたのですが、バイブ機能を別な部分に使ってみたことで、新たな世界が開けました。今まで、挿入がすべてだと思っていた夫が、違う方法で私を喜ばせることはできることを知ったんです。それがきっかけで、EDであることをくよくよ悩まなくなりました」

「セックス=挿入にあらず」と気づいたことで、新たな楽しみ方を知った奈津美さん夫婦。挿入の呪縛から男性を解き放てるかどうかがポイントですね。


40代は夫婦間セックスの折り返し地点と捉えましょう。今後の夫婦生活を楽しむために、いろいろなチャレンジをしてみましょう。
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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