亀山早苗の恋愛コラム

「浮気」の挙句の逆ギレは論外! 42歳妻がモテる夫に失望した瞬間

浮気をするならうまく隠し通してほしい。それができないなら浮気などする資格はない。そう思っている妻たちは多いのではないだろうか。バレたあげくの逆ギレなど論外なのだ。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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浮気のあげくの逆ギレ……情けない夫にがっかり

不倫バレ

浮気をするならうまく隠し通してほしい。それができないなら浮気などする資格はない。そう思っている妻たちは多いのではないだろうか。バレたあげくの逆ギレなど論外なのだ。

 

モテる夫はいやではないけれど

「私は夫にいつまでも“男”でいてもらいたいんです。だから浮き名のひとつやふたつは流れてもかまわない。モテるならかっこよくモテてほしい。ずっと夫にもそう言ってきました」

そう言うのはマリナさん(42歳)だ。アパレル関係の仕事をしているマリナさんは、同じ業界の15歳年上の男性と結婚して12年たつ。

「私は30歳のときに独立しました。夫は会社員。結婚したから思い切って独立できたところはありますね。夫も応援してくれたし。そういう意味では感謝しています」

10歳になるひとり息子はパパが大好き。週末はよくふたりで遊んでいる。その光景を見るとき、マリナさんは「こんな幸せもあるんだなあとしみじみする」そうだ。

一方で、結婚以来、夫にはときどき女性の影がちらつく。夫がやけに浮かれている時期はだいたい恋をしているのではないかとマリナさんは睨んでいる。ただ、長続きはしていないように思えること、どこまでの関係かわからないが家庭生活に支障はないことから、「なんとなく泳がせている」のだそうだ。

「夫はけっこう家族の行事が好きなんですよ。息子や私の誕生日には必ずサプライズでおもしろいことを計画してくれるし、夏の家族旅行も夫が計画をたててくれる。人を楽しませるのが好きなんでしょうね。だからモテるなら、それもいいと思っていました。女性を貶めたりウソをついたりするような、ゲスな不倫さえしなければ」

もちろん、マリナさんも夫に恋をし続けていた。夫もマリナさんにいつまでも恋人のように接してくれていた。

「お互いに名前で呼び合っていますし、お互いに乱暴な言葉遣いはしないようにしています。ケンカすることもあるけど、いつの間にか仲直りしていますね。息子の前では絶対にケンカはしません」

配偶者という異性の前で、お互いに少しだけかっこつける。そうすればいつまでも恋人でいられる。マリナさんはそう思っていた。

 

夫の焦りを感じて

夫がどこでどういう女性と親しくなっているのか、マリナさんにはいっさい興味がなかった。そこをほじくって夫の魅力がなくなってしまったら意味がない。夫には軽やかに“男”を楽しんでいてほしかった。

「ところが1年前、夫が突然、車を買い換えたんです。しかも私に内緒で。とはいえ自宅マンションの駐車場に置いてあるからわかるわけですよ、当然。夫は車に自分のステイタスを見いだすようなタイプではありません。車はあくまで実用的な乗り物と考える人。それなのにそこにあるのは真っ赤なスポーツカーだった。不自然なものを感じました」

女だ。マリナさんはそう思ったという。その少し前から夫の様子がおかしかった。今までのように軽やかに恋している感じはなく、心ここにあらずだったり深いため息をついていたり。

「車かえたの? 乗せてくれない? と夫に言ったら、あれは借り物だと。じゃあ前の車はどうしたのよと言ったら人に貸してるって。そんなはずはないでしょと思いました」

しばらくたってから、夫はようやくマリナさんを車に乗せてくれた。そして彼女は助手席のシートの奥にピアスを見つけて夫につきつけた。

「こんなことするような女とつきあわないでよ。もっといい女とつきあって。そう言ったら夫がいきなり逆ギレしたんです。車を急停車させて降りろって叫んで」

マリナさんは初めて、夫の小さな書斎に入ってパソコンを調べた。妻を信じていたのだろう、夫のパソコンは証拠の宝庫だった。

「ふたりの写真も保存されていました。若いけど下品な女でしたね。いろいろなデータを私のPCに送り、さて、どうしようと考えました。若く見えても夫も50代後半。おそらく男として焦りがあるのではないかと思ったんです。いつまで男でいられるか、いつまで若い女性に男として見てもらえるのか。その焦りが、なんとなくかっこ悪い浮気につながっている。とりあえず黙って見守ることにしました」

夫はそれ以降、こそこそするようになった。些細なことで声を荒らげることもあった。若い彼女に翻弄されているのではないかとマリナさんは考えていた。

「ただ、半年たっても様子が変わらないので、だんだん私もイライラしてきて。夫がつまらないことで息子を怒ったとき、『いいかげんにしてよ』とドスを利かせた声で言ったんです。そうしたら夫はビクッとしていました。その翌日、夫はスポーツカーから中古の国産車に買い換えたようです。フラれたんでしょうね、彼女に」

その一件があってから、マリナさんの夫への見方が変わった。

「私は夫を少し過大評価していたのかもしれません。夫も定年を間近に控えたオッサンだっただけなのかな、と。むしろいつまでもかっこよくいてほしいというのがプレッシャーになっていた可能性もありますね。それでも私は、やはり不倫相手の車のシートにピアスを残していくような女とつきあったのは夫の目が澱んでいるからだと思っています」

これから離婚を視野にいれる可能性もなくはない。息子が18歳になったとき、答えを出そうと思っているとマリナさんは唇を噛みしめた。
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