新型コロナウイルス感染症の影響により、「学校の見直し」が進む今、PTAも、そのあり方や運営の仕方が変わりつつあります。中でも注目したいのは、PTAにおけるオンライン化の広がりです。
 

PTA役員会議をZOOMで開催、自宅から参加可能に

主催者から送られるURLをクリックするだけで参加可能

主催者から送られるURLをクリックするだけで参加可能

新型コロナウイルスの感染拡大を機に、オンライン教育推進の動きが徐々に活発化しつつあります。同様に、PTAの運営においても、「オンライン化」が広がりつつあります。

都内の単位PTA、地区PTA連合会の活動を支えるのが「一般社団法人 東京都小学校PTA協議会」。2020年6月、東京都内公立小学校のPTA208校、地区PTA連合会4団体から回収した「2020年度のPTA活動」についてのアンケートによると、コロナの影響で学校行事のサポートやPTA主催のイベントなどさまざまな活動が中止、縮小された一方で、新たに始めた取り組みも挙げられました。そのトップ3が、
  • 会議のオンライン化 59.5%
  • メール配信 36.1%
  • 配布書類のデジタル化 29.1%(以上複数回答) です。
オンライン会議ではビデオ会議アプリ「ZOOM」を利用するPTAが多く、「最初はやり方がわからずとまどったが、回を重ねるうちに慣れてきた」という声が聞かれます。

加えて、
「感染予防に加え、学校に足を運ぶ手間が省け効率的」
「子どもを留守番させて学校に出かける必要がなく、助かる」
という声も。

会議だけでなく、「学年保護者会や懇親会をZOOMで行った」というPTAもあります。
これまで平日の昼間に学校に集まることが困難だった保護者も、「平日の夜や週末の日中ならOK」など、参加しやすくなってきているようです。
 

PTA運営のためのオンラインツール6つ

子どもと一緒にオンラインツールの勉強をするのも

子どもと一緒にオンラインツールの勉強をするのもおすすめ

PTAの情報共有や意見交換のためのツールは、これまでメールやLINEが主流でした。
このコロナ禍で、これまでの運営の見直しにと共に、「活動のスリム化」「効率化」「参加しやすさ」などを目的に、新たなツールを利用するPTAが少しずつ増えてきています。以下、6つのツールを紹介します。

【PTA役員、会員間の情報共有、意見交換に使われるツール4つ】
  • ZOOM …… 前述したビデオ会議アプリ。パソコンやスマホで画面ごしにミーティングができます。役員会議やPTA主導の保護者会に利用するPTAが多いです。無料版と有料版があります。
  • Line WORKS …… ユーザー数100人まで無料。LINEのいわば「ビジネス版」で、「ノート」「フォルダ」で意見募集、「掲示板」で周知、「カレンダー」で行事や会議の予定を共有など幅広い用途があります。
  • BAND …… NAVER社の無料アプリ。招待URLを共有することで多数のメンバーの招待が可能で、学校行事や会議をカレンダーで共有、出欠確認、投票機能やアンケート機能で意見収集等が簡単にできます。PTA本部、PTA会員両方のコミュニケーションツールとして好評。
  • slack …… Slack Technorogy社が運営するチャットツールメッセージ1万件まで無料。「PTA総会」「役員会」「委員会」などツール内でテーマ管理ができるため、情報整理、情報管理がしやすいといった特徴があります。
  • サイボウズofiice …… グループウエアの開発、販売をおこなう企業・サイボウスのITグループウエア。PTAで導入し、保護者(PTA会員)に登録してもらうことで、PTAからのお知らせや学校行事の予定などがいつでもチェックできます。学年や委員会ごとの情報共有も可能。有料/1団体あたり年額9,900円

【保護者アンケートに使われるツール2つ】
  • Googleフォーム …… Googleが提供するアンケート無料サービス。保護者(PTA会員)にアンケートをとりたい場合などに便利。アンケートの回答状況の整理、分析も可能です。
  • クリエイティブサーベイ …… 回答閲覧数101件まで無料。クリエイティブサーベイ社が提供するアンケート無料サービス。デザイン性にすぐれたフォームが特徴です。
 

ついに登場! PTAの運営に特化したオンラインツール

IT初心者でも、「見やすい、わかりやすい、操作しやすい」

IT初心者でも、「見やすい、わかりやすい、操作しやすい」


なんと、PTA運営に特化したオンラインツールも登場しました。
その名も「MILEY(マイリー)PTA支援サービス」(1団体あたり200人まで年額15,000円)。
推進するのは、「地域で助け合ってPTAをハッピーに」の理念を掲げるNPO法人「ハピタ(haPiTA)」(npohapita@gmail.com)代表・加藤拓也さん(神奈川県川崎市)です。

IT関連企業に勤務しながら共働きで3人の子どもを育てる加藤さん。お子さんが通う小学校でPTA副会長を2年間つとめ、
  • 活動や運営が非効率
  • 紙の配布やホチキス止めなど、アナログな作業に時間をとられる
  • 会費などの徴収が紙と封筒で会計が大変
など、さまざまな問題に直面しました。そこで、これらの問題を改善、解決できるPTAに特化したオンラインツールの開発を思い立ち、2019年4月にリリース。

このツールでは、LINEのようなチャットはもちろん、出欠確認、ファイル共有などが簡単に操作できます。「実名」で登録するシステムのため、「名前検索」で委員会のグループや係の名簿がすぐに作れるのもメリット。

PTA役員のみならず、PTA会員全員に登録してもらうことで、
  • 委員や係、イベントごとにボランティアをオンライン上で募集
  • 「投票」機能を活用することにより、PTA総会をオンライン上で開催
  • PTA会費のオンライン決済
などが可能に。実際にPTAを経験し、その現状や問題点を体感した本人が開発に携わっているだけに、“かゆいところに手が届く”サービス内容となっています。

「将来的には、卒業生や卒業生の保護者、高齢者など地域の人たちにも登録してもらい、地域イベントのお手伝いやパトロールのボランティアの募集などにより、相互交流ができたらと思っています。このツールを核として、学校、PTA、地域がつながり、地域全体で子育てする社会を実現していきたいですね」と、加藤さん。
 

ITに強い保護者が一人いれば、オンライン化はうまくいく

PTA本部に「IT担当」セクションをもうける学校も

PTA本部に「IT担当」セクションをもうける学校も

新型コロナウィルス感染症の流行により、私たちの生活は一変しました。

PTAも、今の状態が続くことを前提とした「withコロナ時代」に適応するため、これまでの「前年踏襲」から「時代に即した」運営に変容していくことが求められています。その手段として最もてっとりばやく、取り組みやすいのが、「オンライン化」ではないでしょうか。

筆者の肌感覚では、PTA役員、あるいは役員の知り合いの中に、ITに強い人(IT関連職種の人)が一人でもいれば、オンライン化はスムーズにいきやすいと思います(今のところ、“IT担当”は男性の割合が高い傾向が見られます)。

学校教育をはじめ、あらゆる分野でデジタル化が急速に進む今。PTAのオンライン化で、「参加しやすいコミュニティ」への第1歩を踏み出したいものです。

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