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コロナ不安を解消してくれる?金投資のメリット・デメリットと金の買い方【動画で解説】

「有事の金」といわれ、資産の最後のよりどころとして世界が信頼する金。1970年代の米ソ冷戦時代に核戦争への不安が広まり、最後に残るのは実物資産の金であるということから生まれた言葉です。アメリカ同時多発テロ、リーマンショック、ギリシャ危機など、戦争やテロ、経済の有事のたびに金価格は大きな動きを見せました。新型コロナ危機の広がりと世界経済の回復の見通しの暗さから、金の現物価格が急騰しています。投資対象として金を見たときのメリット・デメリット、投資商品にはどんなものがあるかを見ていきましょう。

執筆者:All About 編集部

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永遠の輝きを持つ金への投資がコロナ不安を解消してくれる!?

「有事の金」といわれ、資産の最後のよりどころとして世界が信頼する金。1970年代の米ソ冷戦時代に核戦争への不安が広まり、最後に残るのは実物資産の金であるということから生まれた言葉です。その後もアメリカ同時多発テロ、イラク戦争、リーマンショック、ギリシャ危機など、戦争やテロ、経済の有事のたびに金価格は大きな動きを見せました。そして今年、新型コロナ危機の広がりと世界経済の回復の見通しの暗さから、金の現物価格が急騰しています。投資対象として金を見たときのメリット・デメリット、投資商品にはどんなものがあるかを見ていきましょう。

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希少価値が高い金。現物価格は急騰している

自然界に単体として存在するため鉄などのように精錬の必要がないので、有史以前から人類が貴重な金属として利用してきた金。そのもの自体に価値がある実物資産で、「モノ」でありながら「世界に通用する資産」として評価されてきました。しかも、これまでに採掘された総量は、約19万トン=国際基準プールの約4杯分といわれる限られた資産。そのため、コロナ禍に見舞われて現在のように将来が不透明な時代は注目される投資対象となります。確かに金価格は上昇を続けていて、国内価格は7月22日に1g=7000円を初めて超えるとその後も上昇を続け8月5日には7608円。金の国際指標となるロンドン市場の取引価格も、8月5日は1トロイオンス=2000ドルを超え最高値を更新しました。


 
長期で見ても上昇している金価格

1978年~2020年までの金価格のチャート。長期で見ても上昇している(三菱マテリアルHPより)

 

金を保有するメリット・デメリットとは?

「人類共通の財産として数千年にわたって保有されてきた金は、紙幣と違ってそれ自体が価値を持つ貴重な存在です。そのためコロナウイルスの蔓延で現在のように経済活動が停滞すると、世界の投資家は安全資産として金を買っておこうという動きになります」と、現在の金を取り巻く状況を説明してくれたのは田中貴金属工業・広報の小柴恭平さん。

金の保有には、①経済危機やテロなどさまざまなリスクに備えられる、②生産にコストがかかるため下値が一定に保たれる、③通貨と違い国の信用リスクがない、④株価や米ドルと逆の値動きをする傾向がある、⑤現物での保有もできる、といったメリットがあります。その反対に、①保有することで利息や配当は得られない、②ドル建ての資産なので円建ての国内価格に換算する場合はドル円相場の影響を受ける、③現物は紛失や盗難の危険がある、といったデメリットがあります。

そんな投資対象としての金の特徴を踏まえたうえで、個人投資家はどんな商品で金を保有したらいいのでしょう。
 

金投資の王道はコツコツ続ける『純金積立』

金は株式や外貨と異なりリスクが独立している資産のため、ポートフォリオに組み入れると分散効果が期待でき投資効率が改善するといわれます。しかし現在のような上昇相場の中で、投資初心者が買いどきを見極めるのは難しそう。そこで、選択肢になるのが『純金積立』です。

「いつが買いどきかわからないというお客さまには、純金積立をおすすめしています。一定額ずつ定期的に購入すると、価格が高い時は少なく、安い時は多く買い付けるため、ドルコスト平均法が効いて買い付け単価を平準化することができます。また一度に購入すると高値づかみをしてしまう可能性がありますが、積み立てならば時間分散によるリスク軽減効果も期待できます」と小柴さん。

純金積立とは、毎月定額の金を自動的に購入する仕組み。販売業者にはいくつかのタイプがありますが、積み立てた資産を現金だけでなく金地金やジュエリーなどと等価交換できるため金地金商が人気です。純金積立を行っている主な金地金商の内容をまとめた下図を見るとわかる通り、いずれも3000円という少額から始めることができますから、コツコツ投資のひとつとして始めるのにも向いています。

 
純金積立を行っている地金商

純金積立を行っている地金商

 

金を金融商品のひとつとして考えるなら売買しやすい『ETF』

日々の価格変動に一喜一憂することなく、コツコツと長期間積み立てるのが金投資で資産を増やすコツといわれます。しかし市場が活況なタイミングならもう少し短期間で考えたい、現物との交換にはこだわらない、という人には取引コストが安く、売買しやすい東京証券取引所に上場しているETFもおすすめです。
 
ETFとは上場している投資信託で、設定した指数に連動するように運用される投資信託の一種。証券会社に口座さえ開設すれば株式同様に取引することが可能で、保有中にかかる信託報酬などのコストも投資信託より低く、効率的に運用することができます。現在東証に上場している日本籍の金ETFは下図の3本。金価格に連動して値動きするので大きな違いはありませんが、「純金上場信託」だけは売却の際に金地金の現物と交換することも可能です。

 
東京証券取引所に上場している日本籍の金ETF

東京証券取引所に上場している日本籍の金ETF




金はあくまで資産を安定させるためにポートフォリオに組み入れるとよいとされるので、多額の資金を投入するものではありません。しかし長期的な視点に立って、コツコツと積み立てるのには適した資産といえそうです。

取材・文/鈴木弥生

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