2020年夏のボーナス支給、コロナ禍でどうなる?
コロナ禍の中、気になる2020年夏ボーナス事情。日本経済新聞社の調べによると、2020年夏ボーナスは前年比4・69%減とのこと
2020年の夏のボーナス事情はどのようになっているのでしょうか。日本経済新聞社が実施している賃金動向調査の中で、2020年夏のボーナス調査(5月13日時点、中間集計)の結果が発表されました。上場企業と日経新聞社が独自に選んだ有力な非上場企業を対象としたこの調査から、大企業の2020年夏のボーナス事情をみてみましょう。
前年比4.69%減 78万1287円
2020年夏のボーナス回答・妥結状況。全体の支給額平均は78万1287円で2019年夏比4.69%減。 調査対象の企業は、上場企業と日本経済新聞社が選んだ有力な非上場企業で回答594社のうち集計可能な180社のみで算出。 (出典:日本経済新聞社賃金動向調査、2020年5月13日現在。加重平均、増減率と前年比は%、▲は減)
2020年夏のボーナス、税込み支給額の平均は78万1287円、前年夏比4.69%減でした。マイナスは2年連続で、前年の減少(0.69%減)より更に下げ幅は大きくなりました。
製造の落ち込み大5.09%減
製造業が前年比5.09%減と大きく落ち込んでいます。米中貿易摩擦とコロナ禍で工場停止などとなった企業も多く、製造業は不振となっています。非製造も前年比2.37%減と落ち込みは低いものの、減少となっています高支給業種トップ3は造船、化学、建設
業種別のボーナス支給額をみると、トップは造船で89万8875円。昨年夏は90万円超えの業種が5つもありましたが、今年はゼロに。ただし、昨年トップで例年上位だった医薬品が、この中間集計に入っていないので、注意が必要です。
2位以下は、化学、建設、機械、精密機械、電機と続きます。ここまでが支給額85万円以上となります。
精密機械、自動車・部品が大幅減、建設、小売が大幅増
2019年夏からの増減率をみてみると、精密機械が8.74%減、自動車・部品が7.68%減と大きく減らしています。他にも、化学や機械も5%以上減らしており、製造業はかなり厳しい結果となっています。一方、非製造の建設は6.83%増、その他小売は13.01%増と好調。また、百貨店・スーパーは0.67%減ですが、百貨店は減りながらもスーパーは増加ということです。新型コロナウイルスでの消費傾向がここにも出ています。
会社別支給額トップはソニー、169万6700円、前年同
2020年夏のボーナス支給額ランキング(会社別)。 会社別ではソニーがボーナス支給額トップ。 (出典:日本経済新聞社ボーナス調査、2020年5月13日現在。○は会社回答段階。-は非公表、▲は減、mはモデル。平均年齢は組合員平均、または従業員平均)
支給額のトップはソニーで支給額は169万6700円、前年と同じでした。2位は中外製薬で155万4671円。なんと、37.38%増と大幅アップです。業績と連動してボーナス金額が決められており、新薬売上が伸び、利益の増加がボーナスアップとなりました。3位はトヨタ自動車で130万円、前年比8.33%増です。
業績連動型支給は、増減が大きい
6位のスター精密は15.08%減、18位のダイフクは12.43%減とこの2社は大きく減らしています。これらの会社は、ボーナスは業績連動型。2019年は、スター精密は3位で支給額134万8059円でも前年比13.31%減、ダイフクは8位で支給額113万円、前年比13.56%増でした。業績連動型は大きく金額が変化します。米中貿易摩擦や消費税増税などで業績が良くない中でのコロナ禍で、2020年の夏ボーナスは厳しい結果となりました。ただ、これらは大企業の結果。中小企業となると支給されるかどうかわからないという状況もあります。
27.6%の会社が今回のボーナスにマイナス影響があったとのこと。次回以降にマイナス影響がありそうなのが48.8%と、コロナ禍の影響で2020年冬に更にボーナス減となりそうです。ちなみに、過去最大の下落はリーマンショック後の2009年の17.43%。2020年冬のボーナスがこれ以上減少するのかしないのか、気になるところです。
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