新しい生活様式にかえられそうにないトホホな夫たち
緊急事態宣言が解除され、少しずつ日常が戻ってきましたね。テレワーク、分散登校、ソーシャルディスタンスなど「新しい生活様式」を踏まえた、今までとは違う生活も始まっています。
明るいうちからビール!? 肝心な時に役立たずな夫
「夫の会社も私の会社も3月からすぐ在宅勤務になっていました」というのは麻里さん(36歳・仮名)。
「在宅勤務中の夫、17:30に仕事が終わると、まだ明るいのに冷蔵庫に直行して缶ビールをプシュ!『在宅勤務だと仕事が終わったら一瞬でビールが飲めて最高だねー!』が口癖でした」
ところが、ある日、困ったことになったそうです。
「子供が19時過ぎに家の中で転んで額を切ったんです。傷口がぱっくり開いて結構な血が流れ出し、もう大変! 急いで夜間診療の病院に連れていかなきゃ、っていう時に出てきた夫の呆れたセリフが『あ、俺、もう缶ビール3本飲んじゃったから、運転無理』」
結局、麻里さんが自分で車を運転して血だらけの子どもを一人で病院に連れていきました。
「在宅勤務だから通勤は無いし、アフターファイブの過ごし方は自由だけど、明るいうちから酔っぱらって、ホント、肝心な時に役に立たない奴だってことがよくわかりました」
娘にだけいい顔をする夫、妻を悪者扱い?
「うちの子は昨年、小学校6年生で一時不登校になったんです。でも4月からは私立中学校に通うので過去の友達関係もリセット。新しいスタートのはずが、想定外でした」と切り出したのは佳奈江さん(43歳・仮名)。
「コロナのせいで楽しみにしていた入学式もなし。4月、5月は一度も登校せずにオンライン授業でした。6月からは分散登校ですが、3月からずっと自宅だったため『学校に行くのが面倒くさい』と言い出しています。また、分散登校でクラスがバラバラだと、『友達を作れないかも』と不安がっています。コロナのせいで、登校ペースを取り戻す大事な機会を失ってしまい、また不登校に戻るかもしれず、私も気が気ではありません」
そんな佳奈江さんの不安に追い打ちをかけるのが夫の態度。「学校なんて、無理して行かなくたっていい。お母さんは学校に行けと言ってるけど、自分で決めていいよ。俺はいつでもお前の味方だから」と勝手に佳奈江さんを悪者扱いします。
「それでいて、2人だけの時には私に『私立は学費が高いから不登校になったらもったいない。義務教育なんだから無理やりでも行かせろ』って言うんですよ。娘にだけいい恰好をして、最低なヤツです」
愛情ゆえ? 家の中でもソーシャルディスタンス
「家の中でもソーシャルディスタンスをやってます」と話すのは小夜子さん(45歳・仮名)。「彼は運輸業ですから、緊急事態宣言中もずっと出勤。自分が感染している可能性もあるから家族にうつさないように、とやり始めたのが、家の床に養生テープで目印のマークをつけることなんです」
洗面台から2mの場所、食器棚から2mの場所、ソファーから2mの場所など様々な場所にマーク。だんな様曰く家族のソーシャルディスタンスを保つために、他の人が使っているときはそこで場所が空くまで待つのだそう。
「ちょうど、スーパーのレジ近くの床に印があるような、あんな感じです。今、我が家のフローリングの床は緑色の養生テープだらけですよ。でも家は狭いので、マークとマークが重なっちゃって、今ではどこでどう待ったらいいのか、全然わかりません(笑)」
「さらに、最近は『フェイスシールドの代わり』と言って、大きなプラスチックのつばのついているサンバイザーを買ってきて、それを顔の前にかざすように被っています。ほら、よく自転車に乗ってる女性が、紫外線防止に被っているやつです。それを被ったまま、スマホをいじって『暗くて見づらいなあ』とかつぶやいてます。別にそこまでしなくても……って笑っちゃうけど、家族への愛情だと思うと、ちょっとうれしいです」
「新しい生活様式」の中で始まったアフターコロナ生活。夫たちのトホホなエピソードにも新しい様式が生まれているようです。旦那さんたちがクスッと笑えることをしたら、「あなたのことやっぱりスキだわっ」と声に出してください。
“新しい夫婦仕様”は、妻が夫を立てる寛容力が鍵だと感じています。妻の本気度が高い家庭は、以前よりずっと夫婦仲が円満になる。夫婦一緒にいる時間が長くなるのは目に見えています。妻の皆さん、腹をくくりましょう。