もめない家事分担のコツ
家の中でやらなければならない「家事」というのは無数にあり、最近ではSNSでも「名もなき家事」というハッシュタグで、その存在を発信する人を見かけるようになりました。共働き家庭も増え、家事分担をしている家庭は昭和の時代に比べれば多くなっていますが、それでもメインで家事をする人に負担が偏りがちで、スパッと半分に分担するというのもなかなか難しいのが現状です。 そして「家事分担しているのに負担が減っている気がしない」そういう声もよく聞かれます。さらに、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響でテレワークでの仕事が推奨され、家族の在宅時間も長くなり、家事のイライラを感じている人も多いようです。
実際に、コカ・コーラシステムが全国の20~50代の男女400人を対象に実施した「ゴミの分別に関する意識調査」によると、半数以上の人が外出自粛前と比べ、「名もなき家事」の存在を実感、それらに負担を感じていると回答しているようです。
今回は家事分担しているのになぜ負担が減っている気がしないのか。また、もめない家事分担はどのように決めていけばいいのかを考えてみます。
家事分担しているのに、なぜ「負担が減った」気がしないのか
前述のように家事というのは無数にあります。炊事、洗濯、掃除と、大きなカテゴリーで分けるだけではない、まさに「名もなき家事」がたくさんあるのです。それは物理的な行動をしなければならない家事だけでなく、「気にかけなければならないこと」もあるからです。気にかけなければならないことがある時点で、負担は減っていないのです。
それではどのように分担すれば、名実ともにメインで家事をする人の負担が減るのでしょうか。
もめない家事分担は「独立した家事」にポイントがある
例えばゴミ捨てを家事分担したとします。でもそれがゴミを出すだけの作業を分担したのであれば、気にかけなければならないことはまだまだあるのです。「明日は何曜日? なんのゴミの日?」「缶ゴミをまとめなくちゃ」など、曜日ごとに気にかける必要があります。これをゴミ捨て全てに関連する作業をまるごと分担するというようにすれば、曜日を気にする必要もなくなります。 このゴミ出しの分担を例にして、独立させて分担できる家事を家の中で探してみてください。完全に独立させて任せられる家事を分担することが、もめない家事分担のコツになります。意外といろいろあるものです。場所で分担しても良いでしょう。例えば、玄関と風呂場のことは全て任せるというように決めれば、雨の翌日に濡れた傘が出ていても、浴室のシャワーの出が悪くなっていても、気にかける必要はなくなります。 食事のときに飲むお茶を準備するのを分担する、これだけでもコップを出したりお茶を冷蔵庫から出したりする作業を、独立させて分担することができます。
一方、完全に独立できているようでもめる原因になるのが「食事当番」です。「ランチの準備はすべて任せる」とすれば、楽になるような気がしますが、使う食材を準備しておかなければならなかったり、夕飯で使う食材を使われてしまったりなど、もめる原因になる可能性もあります。これは些細な例ではありますが、やはり「完全に独立させられる家事」でないと、気にかけなければならないことが残り、なかなか負担を減らすことができないのです。
在宅時間が増えたことによって浮き彫りになった「名もなき家事」や「家事分担のゆがみ」。外出自粛が解除されたあとの生活においても、家族一人に負担が偏らないように、まずは小さな範囲でもいいので、完全に独立させて分担できる家事を家の中で探すことから始めてみてはどうでしょうか。