第一子が私立中学に行きながら第二子の塾代を支払い、中学受験を終えるまで預貯金で乗り切れる?

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、お子さん2人の中学受験が終わるまでは、働かないことを検討しているという44歳の主婦の方。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。※マネープランクリニックに相談したい方はコチラのリンクからご応募ください(相談は無料です)

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学童に行かせるくらいなら塾や習い事をしてもらいたいと思っています

学童に行かせるくらいなら塾や習い事をしてもらいたいと思っています


■相談者
さくらさん
女性/会社員/44歳
関西/持ち家(一戸建て)
 
■家族構成
夫(48歳・会社員)、子ども2人(10歳・8歳)
 
■相談内容(原文ママ)
第一子の中学受験を考え、塾に通っています。なかなか成績が上がらず親の介入が必要で支えてあげたいと思い、共働きだと思うように支援できないため、私が約半年後に退職し、下の子が中学受験を終えるまで働かずにいこうと考えています。数ヵ月前に住宅ローンを完済しました。子どもが18歳になったら満期となる学資保険300万円をそれぞれにかけており全納しています。また、夫が個人年金を23歳からかけていますがそれも全納しています。私が退職する頃の貯蓄は約700万円になる見通しです。子どもたちの預貯金は毎月の児童手当と私の扶養手当を貯蓄してきて、それぞれ200万円になっています。車は新車で購入して4年目になり、10年を目安に買い替えを考えています。つい最近まで住宅ローンの団信に入っていたため、保険は夫婦とも医療保険しか加入していないので、今後、終身保険に加入をしなければならないと考えています。教育費はかなりかかっていますが、学童に行かせるくらいなら塾や習い事をしてもらいたいと思っています。ここは削れないところですが受験対策の塾に行くようになれば習い事の整理をするのでこれ以上の習い事は増えない予定です。
 
今後の不安は、第一子が小6になったら第二子が入塾のタイミングとなります。さらに、第一子が私立中学に行きながら第二子の塾代を支払い、中学受験を終えるまで預貯金で乗り切れるか?が不安です。幸い、私の仕事は専門職なので再就職や転職は比較的しやすいです。
 
また、老後の貯蓄がなく、夫の個人年金や私と夫の年金と夫の退職金と金額も不明ですが見通しがないことも不安です。子どもたちにはまだまだ大学までもお金がかかるため、先々を考えると経済的不安しかありません。今回、私が一旦は退職しますが派遣の日替わりバイトをして、子どもに支障がない範囲で気分転換も兼ねて働こうかと思っていますが夫の扶養範囲内でと思っています。よろしくお願い致します。
 
■家計収支データ
相談者「さくら」さんの家計収支データ

相談者「さくら」さんの家計収支データ



 
■家計収支データの補足
(1)ボーナスの使い途について
特に定めてなくて基本全額貯金。車税、保険、車検/15万円。旅/15万円。固定資産税を月割りにし、住居費として計上しています。年間の固定資産税は約20万円です。
 
(2)家計収支について
ざっくりの収支で、差額は、イレギュラーで発生する家電や衣服費、住居の修繕や年払いの生命保険料、自治会費、火災保険などに充てています。
 
(3)趣味娯楽費について
趣味娯楽費のうち、2万円は両親に子どもを見てもらっている費用として支払っています。残り8000円は家庭菜園の種や土を買ったり、映画や入浴施設の利用に使っています。
 
(4)自動車について
車両費はガソリン代のみです。車の維持費は、特に決めておらず、その都度支払っています。車の買い替えの予算は250万~300万円でと考えています。
 
(5)加入保険について
夫/個人年金(60歳10年確定 年額85万円 )=保険料全納
夫/医療保険 (病気死亡300万円 入院・通院5000円 がん特約 通院給付金付き)= 年払い保険料5万3000円
本人/無事故給付金付医療保険 (死亡高度障害 60万円、入院6000円 通院特約付き入院6000円、通院3000円)= 年払い保険料4万6500円
第一子/学資保険(18歳満期、満期学資金300万円)=保険料全納
第二子/学資保険(18歳満期、満期学資金300万円)=保険料全納
※本人、夫の医療保険は20年前に加入して見直しもしておらず、医療保険の見直しのアドバイスもいただきたいです。

(6)子どもの進路について
中高は私立。大学は国公立をと考えていますが、すべて私立になるかもしれません。目指している私立中学は付属に大学はありません。
 
(7)新型コロナウイルスの影響について
現在は影響ないですが、長期化すれば夫の会社は今後影響がでる可能性はあります。
 
■FP深野康彦の3つのアドバイス
アドバイス1 バイトに切り替えても、教育費はなんとかクリアできる
アドバイス2 老後資金は、60歳以降の働き方次第で変わる
アドバイス3 できるだけ早く復職し、私立の学校外費用を想定しておく
 

アドバイス1 バイトに切り替えても、教育費はなんとかクリアできる

ご相談は、第二子が中学受験を終えるまで、現在の預貯金で乗り切れるか、ということですが、ご家族の年齢を拝見すると、ご主人が60歳の時、第一子が22歳、第二子が20歳ですから、大学にかかる費用まで大丈夫かを考える必要があると思われます。今後、さくらさんが退職し、バイトに切り替え、ご主人が定年退職する60歳までに、どのくらい預貯金が貯まるのか、まずは、計算してみましょう。
 
さくらさんは、扶養の範囲内で働くということですから、月8万円程度の収入とすると、世帯収入は45万円となります。支出は現在と変わらず、約27万円とすると、毎月18万円の黒字ですが、生活スタイルが変わると支出が増える可能性もあるため、18万円のうち15万円を貯蓄するとします。年間で180万円です。ボーナスはご主人のみとなり、これまでどおりの支出とすると、貯蓄に回せるお金は70万円。合計すると、年間貯蓄額は250万円です。
 
ご主人が60歳になるまでの12年間で3000万円貯めることができます。これに、さくらさんが退職するまでに貯まると書かれている700万円(子ども名義を除き)、お子さん2人の学資保険の満期学資金600万円。すべて合わせると4300万円となります。
 
お子さんお2人に教育費をどこまでかけるのか、私立でも文系なのか、理系なのかでも必要な学費は変わってきますが、4300万円あれば、お子さんの教育費については、問題ないでしょう。
 

アドバイス2 老後資金は、60歳以降の働き方次第で変わる

中学から私立であれば、1人1500万円~2000万円の教育費がかかります。2人で3000万円~4000万円。60歳時点での預貯金4300万円がどのくらい残るかは、教育費次第となります。その残った預貯金と、ご主人の退職金、すでに全納されている個人年金が850万円。これが夫婦の老後資金となるわけです。
 
その後、ご主人が65歳まで働き、さくらさんも働き、現在の支出27万円をまかなえるだけの収入が得られれば、公的年金の受給が始まる65歳までの間、老後資金を取り崩すことなく生活することができます。お子さんの教育費がかからなくなり、生活コストをさらに抑えることができれば、この間も貯蓄することが可能でしょう。
 
65歳以降は公的年金と個人年金、さくらさんが、まだ働ければ、その収入が世帯収入となります。ここまで老後資金を取り崩すことなく、貯蓄の上乗せもできていれば、ひとまず安心していいのではないでしょうか。
 

アドバイス3 できるだけ早く復職し、私立の学校外費用を想定しておく

さくらさんがこれだけの収入を得られているのに、いったん退職する、という決断をされたことに、何か申し上げる立場にはありませんが、世の中の情勢も変化しています。4年後に今と同じ収入が得られるのか、その点はとても心配になります。
 
ここまでのアドバイスは、さくらさんがバイトに切り替えたとして、試算してきたものですから、できるだけ早く復職されれば、その分は、老後資金に上乗せでき、心配はなくなると言えるでしょう。
 
現在も家計管理をしっかりなさっておられますので、ぜひ今後も続けていってください。ご両親に渡されている2万円は、そのまま継続するのかという点もクリアにしてください。子どもの学習費は、これ以上増やさないと書かれていますが、とかく受験対策を始めるとお金は次々と出ていきます。塾外でのママ会といった交際費、衣服代など、かけようと思えばキリがありません。その点も注意されてください。
 
最後に保険ですが、もしも心配であれば、終身タイプの保険ではなく、掛け捨てで保険料が割安な定期保険に加入し、保障額1500万円、保険期間10年で十分です。保険料は毎月数千円で収まるはずです。
 
住宅ローンも完済され、個人年金や学資保険も全納され、さくらさんが、これまで計画的に考えてこられたことは、十分わかります。どうぞ、無理をなさらず、お子さんを交えて、今後のことをご家族でご相談なさってみてください。
 

相談者「さくら」さんから寄せられた感想

いろいろアドバイスいただき、今後どうしていけばいいかが明確になりました。ありがとうございました。

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教えてくれたのは……
深野 康彦さん
 
 

 


マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。近著に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など

取材・文/伊藤加奈子


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