好き勝手なことをするために私を利用したママ友が悲しい
みんながいろいろな辛抱や我慢をしている今。好き勝手なことをしている人に誹謗中傷が集まるのはやむを得ないのかもしれない。ママ友に利用されていた女性が、その複雑な胸のうちを話してくれた。
大変だと思うから子どもを預かっているのに
「私、いいように利用されているのがわかって、とっても腹立たしい思いでいっぱいです」
そう言うのは、10歳の子をもつユウコさん(42歳)だ。同じマンションに住むリカコさんとは、同じ幼稚園に通っていた子どもを通じて仲良くしてきた。
「彼女は夫に暴力をふるわれることもあるようで、いつかは離婚したいけど経済力がないから今は耐えるしかないとずっと言っていたんです。パートでがんばって働いていたので、よく子どもを預かったり夕飯を食べさせたりしてきました。『悪いわね』と彼女もときどき、働いているスーパーで買った食材をくれたりして。困っているときはお互いさまよ、と言い続けてきたんですけど」
新型コロナウイルスが蔓延して緊急事態宣言が出ても、リカコさんは仕事を休まず、むしろ今までより長い時間、働くようになっていた。在宅勤務になった夫となるべく顔を合わせないためだという。ユウコさんがリカコさんの子を預かる時間も長くなった。
「それもしかたがないと思っていたんです。だけど、共通の知り合いから『リカコさんが隣の駅の近くのラブホテルに男と腕を絡めて入って行った』と聞いて、びっくりしちゃって」
それでもユウコさんは、リカコさんの状況を慮っていた。もしかしたら夫と早く別れたくて、身を売ってお金を稼いでいるのかもしれないと感じたのだ。
「ただ、別ルートでも話が入ってきて、リカコさんの夫は決して暴力などふるっていない、と。寡黙だけどいい人で、子どもが通っている私立小学校ではPTAの役員もやり、とにかく子ども思いなのだというんです。そういえば、一度、ご主人がうちに子どもを迎えに来たときも、確かに感じは悪くなかった。だけどDV夫って、外面がいいというでしょう。だから信用できないと思ったんですよ。でも、噂を聞いて、誰を信じたらいいのかわからなくなりました」
本当のことを知りたい気持ちと、リカコさんを疑ったら悪いという気持ちで、ユウコさんは困惑していたという。
開き直った友人
そんなとき、買い物のために隣駅まで行ったユウコさんは、駅前でリカコさんが男性と一緒に歩いているのを見かけた。「ふたりはラブホのある方向へ歩いていきました。その日も彼女の子はうちに来ていた。夕方、子どもを迎えにきたリカコさんに尋ねたんです。『よほど大変な思いをしてるの?』と。最初、彼女はしらばっくれていたんですが、昼間、隣駅の近くで見かけたと言ったら、急に開き直ったんですよ。『私が恋愛しちゃいけない?』って。別にそんなことは言ってないけど、自分が不倫するために子どもを預けるのはどうなんだろうねと問いかけると、急に泣き出して。『夫はお金があるのに生活費も少ししかくれない、私を女として見てもいない。なんのために生きているのかわからない。だから恋をしたのよ、それがいけないの』とすごい剣幕でまくしたてた。それを私に言われてもねえ。夫婦で解決したほうがいい、他人の家に預けられてばかりいる子どもがかわいそうだと思う、としか言えなかった」
あとから、自分はさんざん彼女に利用されていたのだとユウコさんは思った。それ以来、リカコさんはユウコさん宅に子どもを預けなくなったが、他の家に頼みに行ったという噂も聞く。
「最初は自分だけいい思いをして、と癪に障ったけど、よく考えてみると、なんだか悲しい人だなと思って。いろんなことでストレスがあるのはわかるけど、そんな思いで恋をしたって楽しくないんじゃないかなあ。誰かを利用して自分の欲求を満たすのはやっぱり違うような気がするんですよね」
満たされない友人の心を気遣いながらも、ユウコさんは最後はきっぱりと断言した。