新型コロナ感染拡大で社員からパートになってしまった人や失業した人のケース

新型コロナウイルスの感染拡大で様々な職業に影響がでています。給与収入が減ってしまい年金保険料が支払えなくなるケースとはどのようなものでしょうか?
 
例えば会社が業績悪化で従業員の社会保険料(会社負担分)を支払えない状態になり、社員にパートへの変更を打診してきたとします。その社員は整理解雇よりはマシなので、仕方なくパートに契約を変更。労働時間が週20時間未満になったので、厚生年金・健康保険からは外れ、国民年金にして健保を任意継続にしたら、自分で支払う保険料が高いことに驚いた、というケースです。
 
この人が給与月額18万円なら厚生年金保険料は月額約1万6500円、健康保険料は月額約8800円(40歳未満の場合)(令和2年度・東京都協会けんぽ保険料額表より)です。もし労働時間が減って会社の社会保険から外れて給与が月10万円に下がっても、社会保険料は国民年金保険料だけで月額1万6540円、健保任意継続は倍額の月額1万7600円(国民健康保険料と比較してどちらか)を支払う必要があります。

失業してしまった場合も同じことで失業等手当は給与の約6割ですが、会社員時代より社会保険料がたくさんかかってしまうので、手取りが減り生活が苦しくなります。
 

国民年金・健康保険、イザという時に、どちらも欠かせないものです

コロナ

もしかして、コロナ?


給与が下がった、失業中などお財布が大変な時でも健康保険は重要です。万一、新型コロナに感染して有休を使い切ってしまった場合は、加入している健康保険に傷病手当金を請求することができるからです。コロナが心配なこのご時世には、健康保険証は手放せません。

年金保険料についても、年金受給ができるのは、年を取ったときばかりとは限りません。万が一のときに役立つ遺族年金や障害年金を受けることができます。年金保険料を未納(滞納)のままにしておくと受給できなくなるので、免除制度や猶予制度を活用してみましょう。
 
保険料免除制度とは、所得が少なく本人・世帯主・配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を支払うことが経済的に難しい場合、申請により、支払いが全額免除または 一部免除(4分の1、半額、4分の3免除)される制度です。
 
保険料納付猶予制度とは、50歳未満の方(学生特例納付猶予がある学生を除く)で、本人、配偶者(別世帯の配偶者を含む)それぞれの前年等の所得が一定額以下(全額免除の所得基準と同じ)の場合に、申請により保険料の納付が猶予される制度です。
 
免除や納付猶予で基準となる一定額とは以下の通りです。
  1. 全額免除……(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(最低57万円)
  2. 4分の3免除……78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  3. 半額免除……118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  4. 4分の1免除……158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  5. 納付猶予制度……(扶養親族等の数+1)×35万円+22万円(最低57万円)

減給や失業等で上記の所得に近い方は、住所地の市区町村役場へ申請してみましょう。日本年金機構HPの申請書を取り寄せ郵送で手続きすることも可能です。
 

会社にとっても大変な社会保険料の支払い、どんな対策がある?

会社にとっても、従業員の社会保険の会社負担分は、荷が重いものです。新型コロナ感染拡大を怖れて客足が遠のき、売り上げが下がっているご時世では、社会保険料の支払いによる倒産も考えられるでしょう。
 
会社が厚生年金保険料等を支払うことにより、事業の継続等が難しくなる場合、厚生年金保険料等を分割納付できる制度が「換価の猶予」です。会社は、厚生年金保険料等の納期限から6カ月以内なら「換価の猶予」の申請ができ、認められた場合、厚生年金保険料等を一定の期間(猶予期間)内に分割して支払うことができます。
 
「納付の猶予」とは、災害、病気、事業の休廃業などによって厚生年金保険料等を支払えないと認められる場合や、本来の法定納期限から1年以上過ぎた厚生年金保険料等を支払えないと認められる場合に、申請により支払いが猶予される制度です。
 
新型コロナ感染拡大の影響で厚生年金保険料等を支払うことが難しい場合、「換価の猶予」「納付の猶予」ともに申請するときに「会社の財産状況」「今後の収支状況」などを確認するための必要書類は、準備が困難な場合、「年金事務所で聞き取りを行う」「担保は不要にする」などの柔軟な対応をしているとのことです。
 
原則的に1年間支払いを猶予されるとのことなので、社会保険の支払いが厳しい会社担当者の方は、ぜひ年金事務所でご相談くださいね。

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