新型コロナウイルスの影響で相続税の申告期限が延長に?
相続が発生し被相続人の財産額が基礎控除を超えた場合、10カ月以内に相続税の申告と納税が必要になります。ですが新型コロナウイルス感染症の影響により期限までに申告が困難な場合は、申告期限(申告期限と納税期限)の延長が可能となる旨、令和2年4月14日に国税庁より公表がありました。
どのような場合に申告期限が延長になるか?
相続税の申告期限の延長は無条件ではありません。期限までに申告や納税ができないやむを得ない理由がある場合に限られます。例として、- 新型コロナウイルス感染症に感染した
- 体調不良により外出を控えている
- 平日の在宅勤務を要請している自治体に住んでいる
- 感染拡大により外出を控えている
相続人全員の申告期限が延長されるわけではない?
申告期限が延長されるのは申請手続きを行った人のみです。自動的に相続人全員の期限が延長になるわけではありません。申請手続きをしなかった人は通常通り申告期限は10カ月となります。相続税の申告期限はいつまで延長される?
申告期限がいつまで延長されるかは明確に日付が決まっているわけではなく、期限までに申告や納税ができないやむを得ない理由がやんだ日から2カ月以内の日を指定して申告期限が延長されることになります。申告や納税ができる状態になりましたら速やかに申告をするようにしましょう。延長するにはどのような手続きをすればよい?
●令和3年4月15日までに延長申請をする場合の手続きはどうだった?別途、事前に申請書等を提出する必要はありませんでした。当初の申告期限以降に提出となる相続税の申告書の余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と付記すればよいことになっていました。なおこの場合の申告期限は原則として申告書等の提出日(やむを得ない理由がやんだ日から2カ月以内の日を指定したということ)になります。
- 全ての相続人等が延長の場合……相続税の申告書第1表の右上余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と付記
- 一部の相続人等が延長の場合……相続税の申告書第1表の右上余白に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請(財産取得者:〇〇 〇〇、□□ □□)」と付記
やむを得ない理由を具体的に確認することとなりました。よって別途「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を相続人等ごとに提出する必要があります。提出していない相続人等の分は延長されないため加算税や延滞税が発生してしまいます。
相続税の申告期限の延長における納税の注意点
上記の手続きにより相続税の申告期限の延長をした場合、納税期限も同日になりますので納税が遅れることのないようにしましょう。相続税の申告書を提出して納税が後日となると、その間の延滞税が発生してしまいます。延長した人が全員納税を済ませてから相続税の申告をするとよいでしょう。なお相続税に係る各種申請や届け出など申告以外の手続きについても、新型コロナウイルス感染症の影響により提出が困難な場合は期限延長が可能です。
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