コロナが原因で増えるDV
新型コロナウイルスの影響は、単に感染する、しないだけに限らず、仕事、経済、家庭などにさまざまな二次被害を出しています。感染拡大防止を目的とした外出自粛に伴い増えつつあるのが家庭内暴力です。
普段からDVをする人は、さらに暴力を振るうようになり、そうでない人であっても、喧嘩の末、暴力に発展してしまうことがあるようです。どうしてこの時期、DVが増えるのでしょうか? また、どうやって防げばいいのでしょうか?
想像以上のストレスだった、外出自粛
なぜ外出自粛に伴い、DVが増えるのかというと、当たり前ですが「ストレスが溜まる」からです。人にとって自由を制限されることは、思いの外、ストレスになるんですよね。
それに加えて、コロナの影響で仕事がうまくいかなくなったり、経済的なところで支障が出てきたりして、「恐れ」や「不安」といった“負の思い”が心を支配するようになると、人は平常心が保てなくなることも多いのです。
そんな“破裂しそうな風船を抱えているような状態”で過ごしていると、ちょっとした意見の食い違いが引き金となって喧嘩となり、怒りの感情を抑えられなくなると暴力に発展してしまうことがあるのです。
また、普段、家にいる専業主婦の妻にとっては、いつもは昼間に家にいないはずの夫がいることで、自分のテリトリーを荒らされているかのような気分になり、ストレスを溜めてしまうことがあります。またいつも以上に部屋は汚れやすく、食事を作る回数も増えることで、夫に厳しい言葉を投げかけてしまう人もいます。その結果、大きな喧嘩に発展してしまうこともあるのです。
喧嘩をしないようにするには?
パートナーと喧嘩をしないために大切なことは、主に下記の2つです。- 干渉しすぎないで、適度な距離感を持って接する
- 自分で自分の機嫌をとるようにする
1つずつ解説します。
干渉しすぎないで、適度な距離感を持って接する
1つの部屋に一緒にいると、息が詰まりそうになることもあるもの。もしワンルームではない場合は、別々の部屋にいるようにした方がいいこともあります。
また、「パートナーも今、ストレスを溜めている状態なんだ」ということを理解できたら、むやみに刺激をしない方がいいことは分かるはずです。もし相手がイライラして八つ当たりをしてきても、その喧嘩には乗らないようにしましょう。
自分で自分の機嫌をとるようにする
八つ当たりして、相手に自分の機嫌をとってもらおうとしないで、自分で自分の機嫌を取るようにしましょう。これを機会に、“意図的に”自分の機嫌をとる方法を学ぶといいでしょう。
例えば、好きな芸能人のYouTubeを観ることで気が紛れることもありますし、部屋に閉じこもっているよりは、日用品のお買い物をするついでに散歩をすれば、ストレス解消につながることもあります。自分が喜ぶことを自分にしてあげましょう。
暴力を振るわれたときはどうする?
自分は自分の機嫌をとることができても、パートナーがそれをできるとは限りません。それによって、自分に何の落ち度もないのに、暴力やモラルハラスメントをされることもあります。そんなときは、「1人で悩まないこと」も大切です。信頼できる親しい相手(親、兄弟、友達)のほか、配偶者暴力相談支援センターに相談するといいでしょう。またパートナーが子供に対して暴力を振るう場合は、子供を守ることはもちろんのこと、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いち・はや・く)」(通話料無料)に相談しましょう。
とにかく、暴力を振るう相手と同じ空間にいることはよくないので、その家から出ることを強くオススメします。自分のストレスや不安を上手に消化できない相手が、そう簡単に今後、できるようになるとは思えないので、どんどん暴力がエスカレートしていく可能性は高いからです。
親、兄弟、親しい友人などの家に居候させてもらえるのであれば、お願いしてもいいでしょうし、もし経済的に検討可能であれば、一時期、どこか部屋を借りて住んだ方がいいこともあります。もちろん、「DVシェルターで一時保護をしてもらう」「住み込みで働けるところを探す」など、探せば色々な選択肢が出てきます。それらについては、知識豊富な専門家に相談すると、いいアイデアをくれるかもしれません。
まずは、家の中でイライラして、大きな喧嘩に発展させないように対策することが大事です。それでも暴力を振るわれたときは、耐えてはいけません。そんなときは、とにかく相手から逃げるようにしましょうね。