新しいIP電話
「IP電話」と聞くと050で始まるIP電話を連想する人が多いのではないでしょうか? ADSLや光接続などのブロードバンド・インターネット回線の利用者が申し込める通話サービスです(以下「050IP電話」)。使い放題のインターネット回線の一部を利用するため、通話料が無料または格安になるというのが最大のメリット。今まで利用してきたNTTの電話番号に加え、050で始まる電話番号が新たに付与されるなど、ちょっと分かりづらいところもありました。110番や119番へも発信できず、0120で始まるフリーダイヤルなどにも通話できないなど、IP電話ならではのデメリットも存在します。
ところが、これらのデメリットを克服した新しいIP電話(以下「新IP電話」)が登場しました。そのひとつがNTT東日本・NTT西日本の「ひかり電話」です。
ひかり電話は、光ファイバーを使った高速インターネット回線「Bフレッツ」の一部を利用して実現した電話サービスです。ADSLや他社光回線、Bフレッツの一部(*1)では利用できません。不安定になりがちなADSL回線ではなく、光回線という非常に安定した回線を利用することで、固定電話とほぼ同等のサービス内容が実現しました。
ちなみに、光回線では、050IP電話と新IP電話が利用できる場合があります。
ひかり電話をはじめとした新IP電話と、050IP電話とは特徴やサービス内容が異なるため、区別して考えた方がよいでしょう。簡単に違いをみてみましょう。
*1…BフレッツのマンションタイプまたはビルタイプにおいてPNA方式、およびワイヤレス方式を利用している場合はひかり電話は利用できません。
固定電話の番号を利用できる
新IP電話は、高速で非常に安定している光回線を利用するため、固定電話と同等の通話品質を実現できました。050IP電話でありがちな「音声がおかしくなる」「途切れる」等の現象はほぼなくなったといえるでしょう。
特筆すべきは、今まで使っていたNTTの固定電話の電話番号をそのまま利用できる点です。簡単に言えば、固定電話を止めて、同じ電話番号で新IP電話に移行できるということです。NTTのひかり電話の場合、基本料金が525円からあるので、固定電話をほとんど使わないという人にとってはかなりの節約になることが多いです。
もちろん、現在利用している固定電話とは別にひかり電話を引くこともできます。その際は、設置場所の市外局番から始まる電話番号が別に付与されます。