貯蓄

株式投資で損した人がやりがちな致命的なミス

株式市場が暴落すると、持ち株が次々に値下がりして大きな評価損を抱えることがあります。ですが、感情的になってはいけません。冷静さを失うと、さらなるミスにつながります。今回は、株式投資で損した人が、特に間違えやすい致命的なミスについて説明します。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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株式投資で損した人ほどやってしまいがち!?

株式市場が暴落すると、持ち株が次々に値下がりして、大きな評価損を抱えることがあります。
ですが、感情的になってはいけません。冷静さを失うと、さらなるミスにつながります。

ミスを減らすためには、「株式投資で損した人がどういう間違いを犯しやすいのか?」を知ることが近道です。そこで今回は、株式投資で損した人が、特に間違えやすい致命的なミスについて説明します。
株式投資で損した人が間違えやすいコト

株式投資で損した人が間違えやすいコト

 

「資産配分のミス」は取り返しがつかない

株式投資で損した人が間違えやすいこと……それは「資産配分のミス」です。資産運用では、「資産配分で結果の8~9割が決まる!」といわれます。言い換えると、「資産配分を間違えると、そのミスは取り返しがつかない」ともいえます。

株式投資で損した人は、極端な投資判断をしがちです。資産配分のミスとしてありがちなのが、「株の売り過ぎ」と「株の買い過ぎ」の2パターンです。

■第1のパターン:「株の売り過ぎ」
第1のパターンが「株の売り過ぎ」です。株式投資で損をしたことがトラウマになり、「全ての株を売ってしまう」あるいは「投資を止めてしまう」人が、このパターンに陥ります。このパターンの人は、大事な点を2つ見逃しています。

1つは、「株式投資を止めることで、これから得られるであろう利益を全て放棄してしまっている」という点です。一般に、株式投資では「危機の後に株をたくさん買った人」が儲かってきました。株式投資を止めると、このチャンスを丸ごと失ってしまいます。

もう1つは、「株を売って現金化しても、現金を持つことにも固有のリスクがある」という点です。現金には現金特有のリスクがあります。それこそ、物価が上がれば現金の価値は薄れます。株式投資を止めても、このリスクはなくなりません。

つまり、「株を売り過ぎる」ことにもリスクがあるのです。株は買い過ぎても売り過ぎても良くない……つまり「ほどほどに持つ」のがよいです。仮に損をして怖くなったとしても、ある程度は保有を続けた方がよいでしょう。

■第2のパターン:「株の買い過ぎ」
第2のパターンが「株の買い過ぎ」です。このパターンに当てはまる人は少数派ですが、「株式投資で損をした分を早く取り返したい!」と急ぎ過ぎてしまう人が、よくこのパターンに陥ります。

「株の買い過ぎ」では、リスクを取ってはいけないお金(たとえば、子どもの養育費に充てるはずだったお金)で株を買うことや、持っていないお金(借金など)で株を買うことを指します。

株を買い過ぎるのは、株を売り過ぎる以上にやってはいけません。株の買い過ぎは、文字通り破滅につながります。つまり、危な過ぎるのです。

株を買い過ぎる人の中には、「これ以上株価が下がるワケがない」「いまは小さな損でも、借金をして大きなリスクを取れば、必ず取り返せる」といった思想に取り憑かれている人がいます。

ですが、誰にも未来は分かりません。そもそも未来が分かっていれば、損をすることもなかったはずです。損をした時点で、「自分には未来が分からないから、リスクを取り過ぎてはいけない」と戒めるべきでしょう。
 

ゆっくり時間を取って、予算を決める

以上のような失敗をしないための処方箋は、「ゆっくり時間を取って、予算を決める」ことです。具体的には、以下のことを考えるのがよいでしょう。
  • 全財産のうち、いくらを資産運用に回し、いくらを生活資金に回すか?
  • 運用資金のうち、何割でリスクを取り、何割でリスクを取らず堅実に運用するか?
  • 仮に自分が損をしていなかったとしても、同じ資産配分が良いと感じるか?
  • (株を売る場合)どれくらいの期間をかけてゆっくり株を売るか?
  • (株を買い増す場合)どれくらいの期間をかけてゆっくり株を買うか?
以上5点をゆっくり吟味し、冷静に予算を決めるとよいでしょう。過去を悔いても未来は変わりません。しっかりと現実を受け止め、あなたにとっての「ベストな資産配分は何か?」を考え抜きましょう。

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