そうなると、本来であれば、直収電話サービスを行う事業者が新たにユーザー宅まで電話回線を引き込む工事が必要になってくるように思われますが、NTTで使っていた回線を借り入れることで、実際の工事はNTTの局舎内だけで済み、ユーザーにとっては工事費が削減できることになります。
よって、直収電話サービスに加入するということは「電話をNTTから他社へ乗り替える」ことを意味しています。悪く言えば“NTTと縁を切る”とも言えます。
■ | 基本料金は直収電話会社に払う |
直収電話では、ユーザー宅から外の電話回線は、すべて直収電話会社が管理することになりますから、電話の基本料金はNTTではなく、直収電話会社へ支払うことになります。ユーザーがNTTに支払う料金というのは基本的になくなるわけです。
もちろん、発生する通話料も直収電話会社へ支払います。
■ | マイラインは無効になる |
左記に説明した「マイライン」は、NTT東西の交換機を経由することが前提となっていますので、直収電話会社に乗り替えたあとは、マイラインは無効になります。よって、例えば、県外通話や携帯電話への通話だけを別の会社で…といったことができなくなってしまいます。
直収電話に乗り替えるということは、通話は今後すべてその電話会社の回線を利用するということなのです。
■ | プロバイダも制限される |
NTTの交換機を通らず、直収電話会社のネットワークに直接接続されることから、ダイヤルアップやADSLなどが制限されることがあるので、要注意です。
ダイヤルアップの場合は、0570等で始まる全国同一のアクセスポイント(接続先電話番号)となっているプロバイダも多く、2005年5月28日現在、メタルプラスを除いた直収電話会社からはこの電話番号へは接続できません。
ADSLも基本的には直収電話会社が指定するプロバイダしか利用できず、現在利用しているプロバイダを継続して利用できるかどうかをよく確認する必要があります。最悪、現在のプロバイダを解約して別のプロバイダへ申し込む必要も出てきます(メールアドレスが変わります)。