亀山早苗の恋愛コラム

新型コロナ騒動でわかった「価値観の違い」にどう向き合うべきか

東京封鎖という話まで出ている新型コロナウイルス問題。誰にとっても大きな関心事だが、つきあっている恋人同士にとってはここが正念場のような気配すらある。恋人たちはこの問題にどう対処しているのだろうか。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

  • Comment Page Icon

長引くコロナ問題……男女の仲に影響も!?

コロナ破局

東京封鎖という話まで出ている新型コロナウイルス問題。誰にとっても大きな関心事だが、つきあっている恋人同士にとってはここが正念場のような気配すらある。恋人たちはこの問題にどう対処しているのだろうか。

 

会うのはラブホなのだけれど

「お互いに実家暮らしなので、以前はよく週末は食事してラブホでお泊まりということが多かったんです。でもコロナ問題が出てからは、彼が『親が心配するから早めに帰る』と言い出して。食事は持ち込みでラブホに直行、休憩で帰るというパターン。しかも隔週ですよ。こんなデートがずっと続くのかと思うと、ちょっと気持ちが萎えていたんです」

そう言うのはエリさん(30歳)だ。つきあって1年たつ彼は3歳年上。お互いに結婚も意識している。エリさん自身は、コロナウイルスは気になるものの、彼と会いたい気持ちも抑えきれずにいる。そして事態はさらに進展した。

「つい数日前、彼はラブホも怖い、しばらく会うのをやめよう、うちの会社も自宅勤務になったからって。まめにSNSをやる人じゃないから連絡もすぐ途切れがち。どうやら家では仕事以上にコロナの件を調べまくって、どんどん不安を高めているみたいなんですよね」

もちろん、不特定多数の人が集まる場所へは行かないほうが無難だから、自宅勤務になったらなるべく外に出ないのはひとつのありようではある。

「ただ、私は接客業なので自宅勤務はあり得ない。毎日、満員電車に揺られて仕事に行って、不安と闘いながらがんばってる。なのに彼は私に会うことさえしたくないのか、と思ったら、落ち込んでしまって」

“コロナうつ”という言葉も出てきている昨今、このように意見が分かれ、険悪な雰囲気になっているというカップルは珍しくない。終息を待つとしても、いつになるのかわからないだけに、お互いにいらいらが募るだろう。

「彼は車をもっているので、『今度、ドライブしようよ』と誘ってみたんです。窓を開けて爽やかな風に吹かれて気持ちを変えたかった。だけど彼、『エリは外で仕事をしているんでしょ、感染しているかもしれないよね』って。その可能性は否定できないけど、それをわざわざ言う? もし感染していたら愛情が減るということなんでしょうか。なんだかもう、毎日、鬱憤がたまっていきます」

勤務形態が異なると、相手のことは思いやれなくなってしまうのだろうか。せつない思いを抱えながら、彼女は日々、仕事に出かけている。

 

何も考えていない彼に幻滅しつつある……

サトミさん(32歳)は、彼の「何も考えていない」言動に幻滅しつつあるという。同じ会社に勤める2歳年上の彼とつきあって1年。彼はこの渦中に、飲み会やライブに頻繁に出かけている。

「わざわざ行かなくたっていいのにと私は思うんですよね。リスクを避けるのが大人でしょ。なのに彼は自分から飲み会を開いたり、知り合いのライブに行ったり。『大丈夫だよ、おいでよ』と誘ってくるんですが、私は両親と、高齢の祖父母も同居しているんです。私が感染したら祖父母にうつしてしまうかもしれない。怖いです」

それを彼に話しても、「それじゃ何もできないね、会うことさえできないよ」とムッとされたという。

「彼は仕事もするけど遊びも大好きというタイプ。プライベートの予定もたくさん入れておかないと嫌みたいですね。ひとり暮らしだから、『私が行くから、ふたりでまったりしよう』と言っても、それじゃつまらない、と。週末の昼間、出かけて遊んでから泊まっていけばいいじゃんと平気で言うんです。私は極力、不特定多数が集まる換気の悪い場所は避けたい。『じゃあいいよ、行くなよ』と彼はひとりで出かけているようです」

ここ10日ほどは会社で見かけても、彼は目を逸らすようになっている。だが彼女は、「いつかわかってもらえる」と信じたいと真剣な表情で言った。

「こんなことになる前に、結婚の話が出ていたんです。だから今、お互いに冷静になるにはちょうどいい時期なのかもしれないと思うようになりました。結婚したって、きっといろいろなリスクがあるでしょう。そのリスクに彼がどう対処するのかをはかる指針になるかな、と。このまま彼がまったく生活を変えないようであれば、私も彼との関係を考え直したほうがいいのかもしれない」

なにごともなければすんなり結婚へと進めたのかもしれないが、こうなったからには結婚しても大丈夫な相手かどうか見極めなければとサトミさんは言う。感情や情熱だけで恋愛を進めることができなくなっているのが、「今」なのかもしれない。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます