新型コロナ騒動の影響が男女関係にも!?
新型コロナウイルスは、恋人同士のありようにも一石を投じている。衛生に関する意識の違いなどが浮き彫りになっているカップルもいるようだ。
新型コロナ騒動で彼が変わった……ミカコさんの場合
新型コロナウイルスの話題一色になった先月末あたりから、彼がデートを渋るようになったというのはミカコさん(32歳)だ。つきあって2年以上たち、週末はほとんど一緒に過ごしてきたのに、彼は急に変わった。「会えない理由を聞いていたら、『とにかくウイルスが怖い』と。彼はラッシュを避けるために早朝の電車で出勤しているようなんです。私は接客業なので、『不特定多数の人と接しているミカコも怖い』って。じゃあ、おいしいものでも食べに行って体力つけようよと言ったら、人が集まるところはやめておいたほうがいいと。彼は週末、ずっと閉じこもっているみたい」
すでに3週間ほど会っていない。彼はスマホにウイルスが付着するのを怖れて、家に帰るまでほとんどスマホをいじらなくなったので連絡も夜、ときどき来る程度だ。
「最初は私に飽きたのか、他に誰かできたのかと疑ったんですが、本気でウイルスを怖れての言動みたい。彼のところはもうすぐ自宅勤務になるらしいので、ますます家から出なくなるでしょうね」
つきあい始めたころから、確かに彼のきれい好きには気づいていた。とはいえ潔癖症といえるほどのものではなかったし、きれい好きはいけないわけでもない。だが、こうなってみるとミカコさんは、彼の行動に首を傾げざるを得なくなった。
「怖いのはわかります。私だって感染は怖い。だけど一方で、今のところ私は出勤して接客しなくちゃいけないし、そういう私を怖がる彼の態度はあまり気持ちのいいものではありません。この先、私たちが結婚などしたら、どういう人生になるのかなとちょっと不安ですね。まあ、彼はこの騒動でおそらく結婚する気などなくしていると思いますけど」
ミカコさんの恋愛感情も一気にダウン。会いたいと思っていた気持ちが、今は「彼でいいのかな」に変わっている。思いがけないところで彼の本性を見たことがいいのかよくないのか、ミカコさんはいつもと変わらない生活を続けながら考えているそうだ。
まったく気にしない彼にがっかり……ヨシミさんの場合
一方、彼がまったくこの騒動を気にしておらず、それが不安だというのはヨシミさん(34歳)だ。同い年の彼と同棲して1年がたつ。「彼は帰宅しても、私が言わないと手を洗わない、うがいもしない。ぎゃんぎゃん言って、ようやく手洗いするくらいで。こんなに騒がれているのに、どうしてこんなに無頓着でいられるんだろうと不思議になります」
ヨシミさんは彼が帰宅すると自ら出て行って、玄関前でコートなどをパンパンと叩く。それから彼を自宅へ入れるようにしているのだという。本当は帰宅したらすぐに入浴してほしいのだが、彼は部屋着に着替えてすぐにだらだらとリラックス。
「私も仕事をしていますが、最近は朝晩、入浴しています。家で筋トレもしてる。彼のことも考えて栄養のバランスがいい食事も作っているんですが、彼はビールを飲みながら好きなおかずだけつまむ。相変わらず飲んで帰ることも多いし、酔って帰ってカップラーメンを食べて寝る、みたいなこともある。せっかく栄養を考えて作っているのにとがっかりすることもありますね」
彼はそんなヨシミさんに、「神経質すぎる。かえってストレスたまるよ」と言うのだそう。だが、どんなに気をつけても気をつけすぎることはないと彼女は思っている。
「日に日に感染者が増えるのを見ていると怖くてたまらない。彼はごく普通にセックスを求めてきますが、私はそれにも応じることができなくて。キスなんて絶対したくないですよね(笑)」
彼は拒絶するヨシミさんを悲しげな顔で見るというが、彼女は今月に入ってから寝室も別にした。念のためと彼には言ったが、彼はさすがに不愉快そうだったという。
「そんなにおかしいでしょうか。私は何も考えていない彼のほうが不可解なんですけど」
どうするのが正解なのかがわからない今、お互いの違いに戸惑っているカップルは多い。ここで納得いくまで話し合えるのか、お互いを認められないまますれ違うのか。ふたりのありようが試されているのかもしれない。